砂丘屋ブログ

鳥取市今町にある居酒屋店主の
日々の泡とか

ビールその2

2010-07-30 | 日記
何年も前、僕たち夫婦はオーストラリアバイク一周ツーリングに旅立った。何百キロもダートロードを走り、アウトバックのど真ん中で一つのテントを見つけた。日本人だった。ひさびさの日本人だったし、息もぴったりおまけにライダーだった。

缶詰めをつまみにして日本酒をのむようにちびちびと少ない水で乾杯を繰り返した。尽きない話は真夜中までつづき、なんか酔っ払ったみたいだった。

次の日三人で砂煙りのなか出発し、夕方にはアボリジニの村に着いた。

村に一件しかない店でビールをかい、テントを張りながら三人で麦茶のように飲み干す。

一本の丸太を燃やしほかの旅人たちと肩を組んで乾杯を繰り返した。赤く染まった旅人たちの顔を炎が照らし、ぱちぱちとはぜる音が響いた。
僕は調子にのって村の子供を集めギターを弾いた。

際限ない乾杯でだけではなくこの旅にも自分にも酔っていた。
そして急に泣きたいような気持になった胸の中に最後のビールを流しこんだ。

その後のことはよく覚えてないけど、なにしろビールがおいしかった。

そんな夜の場面を思いだしながら昨日はビールをのみました。

美味しいビールを飲みたいと思います。
コメント (2)
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