君とともに生き、君とともに逝くのならば、僕は君の為に生きよう。

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地球へ… 「君と僕の行く未来」 1

2012-05-18 03:25:32 | サイドストーリー「君と僕の行く未来」

★時間を先に進めようと思っていましが、
 「にじファン」への転載作業をしていて「黄昏、湖底、星の」
 とやってゆく内に、ソルジャーなのに脇に置かれたままのトォニィは
 ジョミーの事をどう思って見ていたのかと思いはじめました。
 本編の補足、トォニィ視点からのサイドストーリーです。
 時間軸は多分戻らずに事象、事件を追ってゆくと思います。
 思いつきで別方向へ進むかもしれませんが…^^;
 よろしくお願いいたします。
 


 サイドストーリー「君と僕の行く未来」 1



 大戦から約2年後

 太陽系、木星軌道上の衛星都市メティス
 その中核にある軍事基地を攻撃用衛星で撃つようにと信じられない指示を受けた
俺は、数人の部下と共にメティスにいた。

 一刻一刻、指定された時刻が近づく。

 いくら出力を最小に下げて、ピンポイントで攻撃をしても被害は出る。

 この基地だけでは済まない。
 被害はメティス全体に広がってしまうだろう。

 俺はそれを想定してその時に備えた。

 基地内はキースと彼の警備、それと俺と司令室の数人しか残っていない。

 それでも、彼は何をするつもりなのだろう。


 俺はその時間のキースの行動を追った。



 彼はここより2つ先の建物に居た。
 そして、屋上に移動した。

 俺も屋上に上がった。

 上空には衛星軌道兵器が見える。
 時間通りにここへの攻撃がきた。

 衛星都市メティスが揺れた。
 青い光がメティス全体を包み上空に何本もの稲光が走っていった。

 メティスは無事だった。


「これは…ミュウの力…。ジョミーが…!」


 セルジュは信じられなかった。

 確かに、2つ先の屋上にはキースとジョミーがいる。

「な、なにがあったんだ…」


「何でこんな事をしなきゃいけないんだ」

 俺のすぐ横で誰かが叫んだ。
 
 さっきまで誰もいなかったはずだ。

「誰だ?」
 俺はそいつに銃を突きつけて言った。

 彼は俺を見ようともしなかった。


 彼は、ミュウの次代ソルジャーのトォニィだった。




 これが、2人の出会いだった。



 もちろん公式ではもう何度も会っている。
 だが、2人で会話する事はなかった。

 僕が銃を向けていても彼は一向にこちらを気にしなかった。


 2つ先のジョミーとキースを見ている。

 彼らが屋内に入ってもまだ見続けていた。

 俺が彼の頭に銃口を押し付けても全然気にしないでいた。

「…泣いているのか?」

 彼は声を殺して泣いていた。
 俺にはそれは悔し泣きに見えた。

「うるさいな。放っておいてくれよ」

「そういう訳にはいかない。ここは人類の軍事基地なんだぞ。お前、それわかってるのか?」

「知ってるよ」

「知っててなんでここで泣くんだ?さっさと行かないと見つかるぞ」

「もう、どうでもいいんだ」

「何が?お前がか?」

「そうだよ」

「…許可なしでの侵入で俺が捕まえてもいいけど…俺も今はそんな気分じゃない…見逃すからさっさと消えろ」

「…今は、シャングリラに戻りたくない…」

「はぁ?ってお前なんだよ?ソルジャーなのに家出か?まるで子供だな」

「そうだよ。僕はまだ子供なんだ。何もしないから。だから放っておいてくれよ」

 トォニィはこの間も泣いたままだった。
 俺はとにかくここじゃマズイからと彼を基地内へ連れてきた。

 人のいない会議室へと案内して、さっきの攻撃に関しての指示を出す為に司令室に一旦戻った。

 俺は司令室で、キースから指示されていたとおりに事後処理を済ませ、皆に明日からは通常勤務に戻る事を伝えるとここの解散を命じた。



「ソルジャー・トォニィ?」
 俺は彼はもういないのじゃないかと思いながら、会議室のドアを開けた。

 彼はまだそこにいた。
 泣いてはいなかった。

「ソルジャー・トォニィ」
「…今の僕は…ただのトォニィさ。肩書きはいらない」
「トォニィでいいのか?」
「ああ。いいよ」
「…了解」
「お前、ジョミーの事で何かわかった?」
「名前くらい知ってるだろう。俺はセルジュだ」
「…セルジュ。さっきの事、調べたんだろう?」

「俺は知らなかったが、彼はこれから、キースの護衛をするようだ」
「…そうなんだ…」
「さっきの攻撃用衛星をここに撃ち込むように指示されたのは俺だ。まさか…」
「まさか、ミュウの力を確認する為とは…か?」
「あ、ああ。今は彼らはキースの官邸、ビルレストに向かった」
「…やっぱり、戻る気はないんだな」
「ジョミーはこ2週間くらい、ここで軟禁状態にあったようだな」
「知ってる…」

「お前達、ジョミーと何かあったのか?」

「セルジュ。何故、ジョミーがここに来たのか?キースは何故ジョミーに警護させるようにしたのか知りたくないか?」
「知りたいと思う」

「僕も知りたい。それと人間に興味が持てそうだ。セルジュ。お前のオーラは覚えた。また来る」
 トォニィはそう言うとテレポートした。

「またって…俺、ここ勤務じゃないんだけど…」
 
 そういう問題じゃないな。と思いながらセルジュは報告をする為、キースのいるビルレストへ向かった。









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