注意※関係者各位さまへ。ほぼリアルに近いです…。
もし、何かに気がついても放置プレイでお願いいたします。
くれぐれも通報などなさいませぬよう…。
でも、これでわかったら、貴方はまさに二親等クラスの当事者ですね。
私は貴方の古傷をえぐる気はないのですが、もう時効ですよね?
「オンラインな彼女と僕」 真城 灯火
事のはじまり
出会い系と言うと変なイメージが付いてしまうけれど、僕らはとても真面目に趣味を語る場所で出会った。
彼女の名前は、まさみ。
聞くと同じ歳だった。
もちろん趣味も話も合う。
二人はアニメが好きだった。
住んでいた場所もわりと近くだったので、僕の住む街で行われる「同人誌即売会」(コミックマーケット・通称コミケ)と言うものに二人で行くようになった。
コミケは春休みやGW、夏休み、冬休みに大きなイベントがあって、それ以外でも探すとちょこちょこと小さな物も行われていた。
東京、お台場で行われるのが日本最大で大変な人手なのは知っている人も多いだろう。
知り合って半年くらいたった頃に、二人は小さな会場で店を出すようになっていた。
それからは大きなイベントにも参加するようになった。
もちろん売り上げだけが目的じゃなく作って店を出すと、そこに来てくれる同じ趣味の人との交流が楽しかった。
まさみは器用に色々なグッズを売って楽しんでいたし、僕もグッズや漫画本を作っていたが、コスプレが楽しくなっていった。
フルコス(完璧に近いまでのコスプレをする事)は出来ないけれど、服や部分だけのプチコスをして楽しんでいた。
そんなのが二年近く続いた時に、まさみが仕事を辞めて引越する事にしたと言った。
ここが二人の最初の分岐になるのだけれど、そんな事には全く気付かずに「そこに行ったら、もっと大きなイベントに行けるようになるね」と僕達は想像を楽しんでいた。
そして、丁度、二人の住む都市と都市の間にある市で小さなイベントが年四~五回行われているのを知り、そこで毎回、店を出して会うのが困難になっても僕達はそうして会っていた。
一年が過ぎた頃、二人が好きだった作品が終了してしまった事と、向こうでなかなか良い仕事がみつからない事で彼女は急速に趣味の世界から遠ざかって行った。
相方が休止、引退した訳で、当然、僕も活動を縮小していった。
けれど、彼女は別の世界に行っていたのだった。
急速に冷めた訳はそれだったのだ。
少し戻るけれど、半年くらい前に彼女はパソコンを買った。
別にそういう関係の仕事をしていた訳ではないが、就職の為の必須として購入した。という事だった。
だが、実際は、派遣で働いている先の女の先輩から「オンラインゲーム」に誘われていて、時々ネカフェへ行って遊んでいたけれど、それでは物足らなくなり、パソ購入に至ったのだった。
それを聞いて僕もそれまでは家族パソだったが、自分用を購入した。
さあ、不可解な「オンライン」の始まりだ。
つづく