きっと、いいことあるよね!

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「この世界の片隅に」(上・中・下)/こうの史代さん

2019-05-23 | 読んだ本

「この世界の片隅に」(上・中・下)/こうの史代さん

偶然みつけ「これ、アニメ映画ですごいヒットした原作?」と思って手に取った。ペラペラ見ながら(戦時中の日常生活の漫画なのかな~)地味っぽい感じだなぁ~と思いながら持って帰った。

寝床で何気に触りだけでも読んでみようかな~と思ってから、加速してついつい昨夜全部読んでしまった!!なんだろう? 本当に戦時中の日常生活のありふれた生活が、そこに「いきいき」と動いているのである。そしてそれが何故か切なさも不安定さも、現代の今の暮らしにつながっていくという不思議な世界観(?)のようなものがあって、夢中になってしまった。

「子供がみるアニメ映画で何だか大ヒットしたらしいヤツ」という認識だった私は、かなり激!カルチャーショックだった。 日本人って、こんなに大人びていたのか?! いや、日本のアニメって何?!いったいこれは何なんだ~~~と思いたくなる。

たちまちこの世界に引き込まれた私は、これを原作にした映画のこともwikiで調べてみた。なんと、あちこちの国で上映されて素晴らしい評価をされているということだった。ということは、アメリカや韓国でもこの映画はヒットしたのだろうか・・・。

「これは戦争を体験したおばあさんが描いたのかなぁ」と思うほど細かくリアルでありながら、ありきたりの押し付けメッセージが無い。無いから余計胸がキュンとなる。人はどんな環境におかれても、その場所で明るく生きていくことができるのだ。 傷つくことはあっても、それを誰かのせいにすることもなく、それを胸に秘めながら笑って生きていく・・・。まさにこの国で生まれたこの国でなければ描けない原作であろう。(と私は思いたい!)

一度駆け足でタタタと読んでしまったが、もう2~3度読み返すと、「ここがこうつながるのねぇ~」的な鍵の扉がまた幾つも見えてきそうである。これを原作とした映画がヒットする訳である。カァ~~~!(←納得した時のうめき)

映画もこの原作をかなり忠実に表現されたとか。。。。それでも時間配分でカットせざるを得なかった場面があり、この映画のロングバージョンが今年の終わりごろ公開される予定なのだとか。(それは絶対みたいな)

私はあまり戦争モノが好きでないので、この後また読み返すかどうかは分からない。。他にも読みたいものがあるし。。。 でもこれを読んで「やっぱり戦争はあかんわ」と思った。私の祖母も逆算すると終戦時に38歳だった。夫を亡くし、両親を亡くし、戦争の話なんて聞きたくないという感じだったように思う。
それでも祖母はこの国がどう戦争になっていったのか時代背景は分かっていたのではなかろうか。元気なうちに話をもっと聞いてみたかった。その時代を知らない私がいくら想像したところで、結局はもう何を信じるかでしかないのだから。

武力戦争はあかんけれど、情報戦争はかいくぐっていかねばならない。 それにしても、これだけ世界中でこういう映画がヒットするなら、もっと世界は平和になっても良さそうに思うのだが、どうしてならないのだろう。

世界中の人が、すずさんのように、ここに出てくる人たちの様に、私欲に走らずどんな環境にも人を怨んだり憎んだり羨んだりせず、きれいな心を持ちながら、明るくけなげに生きていくことを考えたら、世界は今すぐにでもいっせーのせ!で平和になるのではなかろうか。

あちこちのわがままな国の政治家や経営者はこの映画を見て、この世界を変えるべく考えてほしい!