きっと、いいことあるよね!

母(sake)と息子(keke)の日々の記録。
お出かけ写真と料理など。

井の中の蛙に気付く

2005-05-05 | 読んだ本
たまたま宇野千代さんと言う方の書いた本を図書館で借りた。(この方の書いた本を読むのは初めてなのだ)

95歳の宇野千代さんの本には「馬鹿な事をしても、しなければ宜しかったとは思わない、後悔するよりもたちまちその事を忘れていく。いや、忘れると言うよりも、その次にしたい事が次から次へとあって、そっちの方に進んで行くから前の事は去ってしまう。」と言う内容が書かれてある。

今まで「sakeさんは物忘れがひどいね~大丈夫かい?」と会社で言われまくっていた私には何よりもの励みになった。ほら、ごらん。
物忘れがあまりに酷くて、仕事上多大な迷惑を掛けているなら改善の余地があるだろうが、大した用事でもない用事なら一言声掛ければ済む事ではないか。大丈夫かいとは大きなお世話なこと。

そんな宇野さんも60の頃の(30年前の)自分の文章を読んで、あまりの傲慢さに恥ずかしくなったと書いてあった。10年も経てば人は変わる。「物忘れがひどいね」と私に言う人達もあと5年10年経ったら、同じように物忘れが酷くなって、嫌なことも忘れられるこの特殊能力を誇りに思うのだろう。そして10歳若いkekeさんくらいの若者に「物忘れ酷いですね」と今度は言われるのだ。

それと同時に、あと10年経ったら、私もこのブログを読むと恥ずかしくなるんだろうな。だって愚痴と怒りとイヤミばかりなんだもの(既に恐ろしくなってたりする、たまに)。だけど、それが今生きている自分の言葉なんだ。訳合って、こんな荒んだ心を今は持って生きてます。

そんな風に思ったのも、カメ子さんから「(YKさんは)朴訥で真面目な人ですね。ありがとうございました。」と言う内容のメールを頂いたのだ。(カメ子さんとYKさんのここまでに至る話は4/30、5/1、5/3に書いてあります)
紹介されてけなす訳にもいかず、社交辞令でこう言ってくれたのかもしれないと思いながらも、このカメ子さんの返事に私は感激してしまった。

今まで会社で「彼女もできない」とコバカにされていた姿ばかり見ていたので、いつしか私もYKさんを見下していたのだなぁ。まさにこれこそ「井の中の蛙」、見る人が見れば、彼は真面目でステキな人だったのか。。。

改めて、集団(会社、学校)と言う性格を思う。年中上司(或いは先生)から叱られている人を見ると、その集団に居る人は自然にその人をバカにするようになってしまうのだ。こう言うのも何だけど、今の会社はまさしく毎日その繰り返し、責任の擦り付け合い。これも上の立場にある人こそ「自分は偉くて誰々がこうするからこうなっちまった」と言う事ばかり毎日言っているから、そう言う会社集団になってしまったのだなぁ。

もちろん、うちの会社も明るくて良い所もたくさんあるのだけど、こう文字にしてみると何と説得力のある事よ。

YKさんの事は、私もこれからは接し方を考えようと思う。YKさんだけじゃなくて、他の社員の人に対しても、もっといい所をたくさん見つけて行こう。そうすると会社も毎日ももっと楽しくなるに違いない。明日から率先してみよう。

それから、私もよく母子家庭侮辱発言を真に受けて凹んだり怒ったりするけれど、考えてみれば私の身近な周りに居る人がたまたまこう言う発言をするだけで、もっと世間の人は母子家庭に暖かいのかもしれないような気がして来た。
60歳の宇野さんでさえ、30年後には恥ずかしくなるような事を書いてしまうのである。どうして40歳の私が30前後の彼らがマトモで完璧な言葉を発する事ができようか。

私は昨日のカメ子さんのお返事と、宇野さんの本をよんで、腫れ物が一つ取れたようにスッキリした気分になった。
とは言っても、また明日になったら、このブログは人の悪態でいっぱいになるのかもしれないが・・・それも40歳の今の自分の通過点なのだろう。
お付合いしてくださる皆さんには感謝、感謝です。