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デンマーク、スウェーデン視察報告第2日目 風力発電事務所 風力発電に欠かせない条件(K)

2014-07-24 | 企画・行事
 引き続きクリスチャンさんの上のプレゼンテーションのレクチャーです

再生可能エネルギー導入・普及に欠かせない条件

ここまで進んだ一番大きな理由 グリーンエネルギーは100%買取の義務
 デンマークのここまで進んできた一番大きな理由は、再生可能エネルギー、風力も含めて、グリーンエネルギーと言うものを生産したら電力会社は必ず、否応なしに100%買い取らなければいけないというシステムになっている。カナダでアドバイザーとして仕事をしたときに、カナダはやり方が悪くて失敗したが、必ず買い取らなくてはいけないというシステムではなくて、お互いに電力ネットを持っている、製造している、その2つの間で値段を交渉しながら、1年か2年分だけ決定していく、そういうやり方だと長い目で見て続かなくなる。結局システム的にはダメになる。デンマークは必ず買い取らなくてはいけないという義務がある。私の経験からいけば、値段も決めて、絶対買い取らなければいけないというのはベストの方法です。

発送電分離を法律で義務付け 売電価格の計算もシンプル、がポイント



図及び下記の説明はWIKIPEDIAより
事業者の区分  黒:発電、青:送電、緑:配電(青の部分がTSOが行う事業)
In electrical power business, a TSO(transmission system operator) is an operator that transmits electrical power from generation plants over the electrical grid to regional or local electricity distribution operators.(電力事業において、送電システム事業者は、発電所から電力網を使って、地域や地方の配電事業者に送る事業をしています)

 デンマークは今は電力を製造するという発電機能を持つ会社と、電力網を使って一般の消費者・企業に届けるという別会社にしなければならないという法律になっている。買ってもらう値段の計算をこれがシンプルでなくてはいけない、シンプルな計算で契約が結べるというのが重要なポイントです。これは日本でも大切なポイントになるんじゃないかと思う。

風量発電の不安定は国内外の送電網で解決する
 (電力)製造部門と流通・配電する部門を分けなければいけないということに反対している人ははっきり言えば頭が悪い、怠け者だ。

 風力発電は風が吹くかどうかでかなり能力が変わってきます。安定して供給ができるという条件を満たさないと、今、紹介した(風力発電の)システムは難しい。デンマークは1980年代始めに発電所と電気を供給する会社と全く同じ、一つの会社だった。1999年には完全に別会社に分けるシステムになった。その段階で新しく供給する会社を私がスタートした。
 その時点で一般的に言われていたのは、風力発電を一般の電力網の中に組み込んで提供できるのはせいぜい最大で10%くらいと、風が吹かない時は生産ができないというような不確定要素があるので。
 それから今は10数年たっているわけですが、いま20%というのは当然だ、と言われて将来は提供する電力の50%くらいは簡単に風力発電で賄えるようになるとも言われています。

買い取り価格の保障 補助金で上乗せで
 今まで石炭を使った、オイルを使った発電所、建設するにあたって国はかなりの補助金を出しているという歴史的バックグラウンドがある。環境に優しいグリーンエネルギーには何も出さないのはおかしいだろうと言おう批判の声が起きてきた。
 建設コストは風車株とかで賄っているので、一番どういう形で援助ができるかと言うと、まず風力発電でできた電力の値段の上に税金を使って、高くするための上乗せをして、高い値段で買い取ってくれる、そうすると、投資する側にとっては魅力のある高いレベルで収入が入ってくるので。トータルで22,000フルタイムアワーというのは複雑な計算だが、一言でいえば、電力が供給できるようになって最初の7年間までは市場プライス、2011年の、2009年のプライス、いろいろ値段が出ています。この値段プラスエクストラの補助としての33.6€/MWhを上乗せしてくれる、ということです。つまり、より高い値段を保障してくれるという制度を導入した。

つづく