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デンマーク、スウェーデン視察報告第2日目 レクチャー デンマークのエネルギー(K)

2014-07-11 | 企画・行事
エネルギー

 最後の締めくくりがエネルギーです。

オイルショックで自給自足の道へ 1973年以前は海外依存率92%

 デンマーク、エネルギー政策一番大きく変わったのが1973年のオイルショックです。それまでは外国から輸入するオイルの依存率は92%だった。それがこのオイルショックで、一地域からまとめてオイルを輸入したらデンマーク経済はこんなに打撃を受けるというのを、目の当たりに体験しています。いろんなところから、オイルだったものを石炭に変えて世界中から少しだけ輸入する、国内でエネルギーを作り出す、という考え方に変えて、7年の間に依存率がこんなに下がっています。
 国民意識も1973年のオイルショックのあった年から、バスタブのお風呂に入るのはやめましょう、これからデンマークはシャワーだけにしましょう、と言う考え方に変わっています。ですからデンマークの多くのホテルは新しく建てられた物でもシャワールームしかないというのが結構多いです。デンマーク人にとってバスタブ入浴は水の無駄遣いです。
 エネルギー税と言うのが導入されています。1977年から導入されて、年ごとに税率が上がってきている。その他にCO2税。まとめてグリーン税とか環境税と言う呼び方が使われています。93年にCO2税が導入されて、ごみ焼却した時にどれだけCO2が出るとか、いろんな計算法があって導入されたものです。

脱原発 原発情報をどんどん提供して反対世論が増えた
 この中で、オイルショックの直後に、環境にやさしい、お金のかからないエネルギーとして原発の視野に入れましょうという声が国の中から出てきます。特に国のトップの方では魅力的と実験施設まで作っています。ところがデンマークの国民と有識者の人たちが原子力はいいことばかりではない、危ないこともある、後の処理にお金と時間もかかる、だから、国民に原子力発電に関するすべての情報を100%開示して、国民に判断してもらう方がいい、という考え方で、どんどん情報を提供していきました。提供すればするほど、デンマークの国民は、いままではもしかしたら原発もいいかもしれないと思っていた人もどんどんノーと言う感じになってきた。原発no thank youという草の根運動が始まった。女性が作ったバッヂみたいなものです。

エネルギーの海外依存からの脱出

 デンマークは島国なので、周りの海域を持っています。そこで、ほかの国でもやっている北海油田を開発に力を入れています。1973年から北海油田の開発を始めて97年に自給自足になったというまでにかなり開発し、オイル、天然ガスたくさん採れるようになってきた。しかし、残念なですが去年初めて、それまでEUで唯一のエネルギー輸出国と言われるくらいプラスだったのですが、16年ぶりにマイナスになった。北海油田からとれるオイルの量が極端に少なかったようです。これまでのEU唯一のエネルギー輸出国と言うステータスが、ダメになりました。今年、来年と元に戻るかは今の所はわからない。

熱電併給プラント以外は法律で禁止
 再生可能エネルギーを進めてきて、現在24.5%の所まで、割合を高めています。いろんな発電所とか、ごみ焼却施設とか、それをすべて、CHP(Combined Heat and Power)と言われている、熱電供給プラント、熱と電気を一緒にできないとダメだという法律に変えてしまいました。熱源としてのオイルとか使う割合が減ってきています。そういう意味でも今デンマークはこんなに小さい国なのに世界中から注目されるようなグリーンなエネルギー政策を取っている国となっている。

原発建設は禁止されていない、しかし、1976年の厳しい基準で建設は不可能に近い状態

 誤解されているが、デンマークでは国の法律では原子力発電を禁じている、デンマーク人でもこう思っている人もいるが、本当の法律では禁じてはいない。ただし、建設をするのに不可能なぐらいプラント建設について安全性を厳しく求めています。それが、1976年、オイルショックからわずか3年後くらいに、その時に国民がみんな反発するから、もう今から原子力を導入しようと言っても国民の同意は得られないだろうと政府が自主的にこの法律を定めた。それによって建設は不可能に近い状態になっている。ただし、絶対ダメと言う法律ではない。
 その後、1985年、新しいエネルギー計画法が制定されているが、この中に原子力導入の可能性を公的なエネルギー計画の中からすべて省くという最終決定です。この2つを合わせるとデンマークは原子力を導入するのはほぼ不可能に近い状態です。でも法律では禁止してないのです。
 ちょっとした穴があります。デンマークは国内法よりもEUで決めた法律を最優先しなければならない、加盟国としては当然の義務があります。EUは原子力発電を認めて実際に導入している国が多い。そのためEUの法律に従ってデンマークの公的なところは一切ダメですが、民間企業がEUに許可を申請して、この条件を全部満たした上でEUがOKを出してしまったらデンマークの国は反対できない。原子力を導入できる可能性はゼロではない。この穴を埋めないとゼロではない。そういうことを見込んで、誰が作ったかわからないが、デンマークには原発があるという想像上の原子力発電所のホームページがある。想像上のホームページが作られている。そういう穴があるということをみんなに訴えるために作られたものだと言われている。

デンマークの誇り EUが決めているよりもさらに厳しい条件を自分の国に課している

 エネルギープラン、今の政府も2011年に選挙があって変わったが、その前の政権も、地球規模で環境を守らなければいけない、だから先進諸国としていろんな義務があると言ってきた。デンマークはずっと先を行っていると自負している国なので、EUが決めているよりもさらに厳しい条件を自分の国に課している。
2020年までに、再生可能エネルギーの割合をエネルギーの消費量全体の33%にしよう。風力発電の発電量を総発電量の40%にしよう。再生可能エネルギーを総発電量の60%にしよう。エネルギーの消費を節約して2009年の当時と比べて、2020年は-6%にしようと言う条件を自分の国に課したエネルギープランを作っている。これは2020年までに可能にしなければいけないデンマークの目標です。2030年までに発電所で使う化石燃料をゼロにする。2050年までにすべてのエネルギーを再生可能エネルギーで賄う。どこまで可能かはわからないが今のところはこのようになっている。


 デンマークも日本も同じ小さな島国。1973年のオイルショック、自国のエネルギーがないという条件の中で、同じように原発も選択肢に入れながらどういう結論を出したか、ここが日本とデンマークの分かれ道になった。
 温暖化問題に対しても、世界の中でも地球環境を守る先進国になろうという誇りはすごい。熱電併給以外は禁止という法律もすごい。現実に一歩一歩それを進めていること、それは国民の議論の中で積み上げられた上での選択もすごい。これが民主主義なのだと思う。

デンマーク、スウェーデン視察報告第2日目 レクチャー デンマークの教育(K)

2014-07-11 | 企画・行事
今回はデンマークの教育です。高福祉社会を支える人づくりはどのように進められているか。

PISAの結果から教育改革
 デンマークでは教育改革が行われているが、後日のインターネットで見た情報によるとこんな背景があったこと。
デンマークの生徒の学力は、PISAなどの国際比較調査で芳しくなかった。その後の努力で、いくらかの向上が見られたものの、平均程度の「きわめて平凡な」成績であった。
 そこで2013年3月には、教員にこれまでの週に25コマ(一コマ45分)ではなく、毎日5時間ずつの週25時間を授業に充てるようにさせようとした。
また、授業準備に費やす時間がこれだけとか、自ら就業時間を振り分けることができる、という教員の「就業時間規則」を、使用者である自治体連合側はこの権利を廃止し、管理職がフルタイム週37時間の割り振りを決めるようにできるようにする「平準化」を望んだ。
 教員組合側は、強硬にこれに抵抗していたが、2013年4月1日、自治体連合側は学校のロックアウトを強行した。教員組合ではなく自治体連合側がです。そんな闘いが、私たちの視察の1年前に起こっていた。(帰国後、教育改革の背景をインターネットで調べたものです。この背景がわからないとデンマークの取り組みがわかりにくいので掲載しました。文責K)

教員の管理を強める教育改革

 学校の教師の発言力が強すぎるので、それが教育者の質に反映されてない。そこで校長の権利をもっと大きくする。そして、学校の先生は勉強不足だと時々チェックする。これが教育制度の改革というふうになってます。
しかし、デンマークは、今社会が何を必要としているか、企業が何を必要としているか、その必要な資格を取っていただくために税金を使って授業料をタダにして若い世代を育てていくんだという資格取得目的の教育制度、これがデンマークの考え方です。将来を担う優秀な人材を育てるのは親だけじゃできない社会全体の役割ていう考え方、これ基本にあります。

経済的に行ける人だけが行けばいい、という考えも
 自分にとって有利かどうかという考え方がでてきたということはお金持ちの家庭では自分の子どもさえいい大学に入れればいい、下の方はどうでもいいという考え方も生まれていると言われています。今社民党が政権を取っているのですが、今度また自由党の方に政権が戻ったら大学教育は無料じゃなくなるかもしれない。そういう可能性ももっています。行ける人だけが行ける、能力だけじゃなく経済的にも、行ける人が行けばいいみたいな考え方です。

デンマークの義務教育

 3年前から10年間に変わっています。
 デンマークは幼稚園というのがなくて、全部ほぼ100パーセント公的に提供しているサービスは保育園です。幼稚園がないので幼児教育を例えば45分ずつの授業など基本的な学校生活態度を学んでこないまま保育園から学校に直接上がりました。そのためうまくいかない子どもが多いということで3、4年ぐらい前に幼稚園クラスというのをつくったんです。結構うまくいってます。3年前から義務教育に代わりました。正式にはほとんどが0年生クラスといっています。

1年生のクラスは9年生までクラス替えなし、担任も一人でずうっと持ち上がり
 担任は一人でずうっと持ち上がり、クラス替えなしというのが基本です。0年生は保育の資格をもつ人の教師が担任しているので別なんですが、1年生のクラスは基本的に9年生までクラス替えなしというふうに言われています。楽しくいけば、親子、兄弟のような関係を築くことができる教育制度、うまくいかなければ担任の先生もクラスメートもそれから問題を抱える生徒も大変な生活が待っています。

簡単にクラス替え 簡単に転校も
 クラス替えをするのは簡単にします。転校も簡単にします。というのは何か問題を抱えていてその問題を解決するのにベストの方法は何かというのを一緒に捜してくれる役割を持つのがスクールカウンセラーと言われている人で、必ず学校に最低1名から2名、児童数が多い、大きい学校だったら2名以上スクールカウンセラーがいます。その方たちと一緒に親も協力をし、担任の先生も協力をして生徒のためのベストの方法というのを見つけるので、このクラスではうまくいかないけれど、隣りのクラスならうまくいきそうというのならすぐ隣りのクラスにクラス替えします。
 担任の先生から見たらもしかして日本だったらそういう問題を抱えるようなクラスの担任をしていたら先生自身にマイナス、汚点がつくというふうに考え方があるかもしれないのですが、デンマークの場合は先生自身も一生懸命協力をして新しいクラスに変えたり、別の学校に転校させたりという協力をしてくれるので特に先生に対して何かマイナスの評価につながるということはないです。

9年生で全国一斉に卒業試験
 0年生から7年生までは成績通知書を出さないというのがデンマークのやり方です。
 9年生で卒業試験、国家試験と同じ方式の卒業試験を行います。同じ方式というのは、試験で使われる問題はすべて、筆記試験に関してですが、国の教育省が用意している問題を全国一斉に同じ日同じ時間帯に同じ科目の試験を受けるというやり方です。採点をしてくれる試験官、自分のその教科ごとに担当の先生が変わるんですが、その教科を教えてくれた先生が別のところで採点をする。
 その同じ答案用紙、コピーを用意しておくのですが、答案用紙のコピーをまた別の正式な機関が任命した試験官というのがあってその試験官が採点する。担任と試験官が採点した結果を持ち寄って、大きく差があると二人で話し合って、じゃあこの子には何点あげようかという結果を出すという制度になっています。第三者的な意見が入っているので国家試験と同じ、全国どこにいても通用すると言われています。
 9年生で卒業試験を受けるにあたって、やっぱりある程度慣れてないと試験に失敗したり上がったりします。そこで8年生ぐらいから模擬テストが行われます。その模擬テストの結果が成績として使えるようになるので8年生ぐらいから成績通知表が出るようになる。0年生から7年生までは学校での生活態度がどうかという通知表だけで、これは両親に渡されます。
 学校の、すべての学校がやっているわけではないんですが、生徒自身が自分の生活態度をどう評価するかという段階で成績表を記入する欄を設けている学校もあります。生徒が自分の評価をするのと先生が評価を下したのが極端に違う場合、考え方がどっかずれている、じゃあ解決法を何か探さなきゃいけないという形になります。

卒業試験の結果は上の学校への入学の判定に
 この卒業試験の結果が上の学校に上がるための入学試験を兼ねます。卒業試験で頑張った人は上の学校にすんなり上がれる。上の学校は高校か専門学校ですが、これ一生懸命頑張ってある一定以上の成績を出した子は全員入学というシステムになっています。基本的にデンマークは入学試験というのがないシステムです。これ大学まで含めて入学試験はないシステムになっています。

高校教育 何の資格も取れない

 高校の3年間というのは、高校では何の資格も取れません。ですから高校教育というのは大学に進学するための準備教育と言われています。ただ大学に進学したい人の場合は普通高校を卒業しただけでは特別資格は取れてないということなので資格がない状態で高校卒業という結果だけで就職をすることになります。資格があれば、専門学校などに行って資格を取れば、その資格で仕事ができるのでもしかしたらちょっと大変かもしれません。

3年間の総合平均点が大学入学の合否判定に
 1年生、2年生、3年生は、学年末に単位、国家試験と同じようなやり方で単位を取ります。3年生では総合平均点を出します。この総合平均点が自分が希望している大学のこの学部が要求する総合平均点を満たしていればすんなり大学に入れます。でも総合平均点が自分が入学したいと希望している学部の要求している平均点に満たない場合は外されてしまうということになります。

大学入学申し込みは一度に数校できる
 デンマークの大学の入学申請は今デジタルで、コンピューターで出来るようになった。昔は申請用紙1枚に希望する大学4校まで第1志望、第2志望4校まで書くことができたんです。(2010年に書かれたブログを見ると、6つの大学へ入学申し込みをした、という記事があった。)それは同じ大学じゃなくてユトランド半島の大学、コペンハーゲンの大学、大学は国立大学しかありませんので1か所で総まとめにして申請を受け付けてくれます。そこに書類を出せは「あなたの成績だったら第1志望OK」とか「第4も無理」という人も。1年のうち毎年何人かは留年を余儀なくされて大学に入れない人が出ています。高校時代にどれだけ頑張っていい成績を取ってきたかで大学が選べる。一発勝負ができない国です。
 大学に無事入学しても最初の1年間は実験みたいなものです。大学が要求している点数以上で最初の一年を合格しなければ大学追い出しということになります。学部によっては1年生で入学してから卒業できるまで何年間もかかり30%しか卒業できないというような難しい学部もあります。

専門学校

資格取得の専門学校
 専門学校は、高校と並ぶ義務教育を終えた後に入学する学校で、デンマークは高校が50%くらい、専門学校は50%くらいと言われています。最近は大学を目指すという人が増えてきたので、専門学校の入学が少ない。
 専門学校で職人とかの資格を取ると、今、企業で必要としていると言われているので、専門学校の入学者の数を増やしたい、だから、専門学校のステータスを上げようということで改革も進んでいる。これは資格取得目的の教育機関で、高校とは違います。資格を取るのには全単位が必要で、一つでも単位が足りないと卒業させてくれない。卒業したということは公認の国家試験に合格しているという形になるので、卒業した翌日から専門職として働くことができます。

実習が単位になるという場合には学生給が企業からもらえる
 3年とか4年とかかかる教育期間のうち、半分以上が実習という資格を目指している、福祉関係の資格が多いですけど、そういう場合は学生給という給料が支払われる。授業は全部タダです。タダの上に奨学金ではなく、給料が支払われる。
 18歳以上だと学生給がもらえる人の場合は、教育支援金の対象にはならないが、学生給がもらえないと言う資格を目指している人の場合、18歳以上だと教育支援金、親元に住んでいれば2000いくらとか、親元離れたら5000いくらと、それがもらえるので、+アルバイトの収入で親の援助なしにやって行ける制度になっている。(社会保障システムの所で見たように、18~19歳で親元からだと月1,274Kr、約28,000円、親元を離れたら3,690Kr約81,000円が支給される。20歳以上で親元からだと2,860Kr、63000円、親元を離れると5,753Kr、約156,000円が支給される。)
 この専門学校を出た後、さらに上の高等教育、あるいは大学に入学できるという可能性も用意されている。デンマークの教育のほとんどはモデュール制度と言う風になっていて、一つのモジュール、資格を取ると、今度は上に上がって次のモジュール、単位を全部取るとモジュールを上にのせて、ここまでだったら看護師に、ここまでだったら保健師になれる、という関連付けられた教育制度になっている。

夜間の教育、働いている人の成人教育の授業料は一部本人負担
 昼働きながら、夜一つずつ単位を取っていくという、夜間だけ勉強していく成人教育も用意されている。教育は基本的にはタダとだが、昼間働いている人が夜、資格を取る場合、デンマークは収入がある人は一部自己負担する。負担する金額は半年間で1000kr(約22,000円)とか、結構安い。給料をもらっている人だったら十分払える授業料になっています。

大学

大学は3年制と5年制 その間は教育支援金が出る 全部の単位が取れないと卒業できない
 さらに、その上となると大学、及びそれに匹敵するような日本で言えば単科大学とか、いろんな高等の専門教育があります。基本的に3年間で全部の単位が、最短で一つも不合格点を取らないで全部最初の試験で合格したら、最短3年で取れると言う資格。日本で言えば学位はその後に2年。医学部だと長くて3年、さらに上乗せをして修士という単位が取れる。デンマークでは3年で卒業できる大学と5年から6年かかる大学があるが、短期大学とか4年制大学と言う呼び名はなく、すべて大学と呼ばれていえる。
 3年で最短で全部の資格が取れるというのをめざしている学生に対しては、この3年分の、36か月+ちょっと試験に失敗したら教育期間が伸びるので、体調が悪いとか、家族に問題があったりして、試験に勉強に集中できなかった、そういう人のために12か月分、エクストラの教育支援金が用意されています。36+12で48か月分がもらえる。
 さらに2年、全部で5年かかるとか6年かかるとかいう場合は、エクストラでもらえる額が減らされる。最高で70か月分しかもらえない。
卒業できるということは、医者として、法律専門家として働けるという公認資格を取っているということになります。全部の単位が合格でないと、卒業できません。学部によっては10年以上たっても卒業できない学生はやる気がないか、能力がないとして大学が追い出しを決めている学部もあります。

大学の就活は卒業後1ヵ月が勝負 しかし見つからないときは失業給付
こんなに頑張って資格を取ったのに仕事を提供できないのは社会の責任、という考え

 卒業すると同時に、どれだけの単位に合格をして、どれだけの資格を取ったかと言う、証明書が大学側から発行されます。その証明書を使って就活が始まるので、デンマークは卒業してから就活が始まる。大学を卒業して最初の一カ月は自力で仕事を探しです。2カ月以上たっても仕事が見つからない時は、大学を卒業したての社会人に対する失業給付金制度が用意されています。一度も働いたことのない学生であっても、こんなに頑張って資格を取ったのに仕事を提供できないのは社会の責任、ということで2か月目から生活するのに困らない程度の失業給付金を、大学あるいは専門学校を卒業したての社会人1年生にもちゃんと支払われます。職種別の労働組合に加盟する人が多いが、最近の若い人はこれだけの高いレベルの資格を取っているので失業するとは思わないと入らない人が、結局、失業してしまって生活保護を受ける若い人も結構います。
 成人教育は夜間、一つずつ単位を取りながら正式な大学の何々学部を卒業したのと同じですぅ。長い人は10年以上かかって資格を取るということも可能になります。やはり昼間働いて資格を目指している人は一部授業料の自己負担があります。