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元気な商店街をつくる 二子玉川商店街のアート&マート、めざせ!ゾーン30(K)

2012-11-22 | 事務局のつぶやき・研究所では
11月20日 第8回防災・エコ・福祉のまちづくり研究会を開きました。
報告は、「持続可能な社会」をいかにつくるか ~「防災・エコ・福祉のまちづくり研究会」から見えてきたこと~(佐藤健一さん)と、「元気な商店街をつくる」(橘たかさん)でした。

今回は、橘さんの報告を掲載します。

元気な商店街をつくる
(合同会社代表・二子玉川商店街振興組合理事・元上尾市職員 橘たかさん)
 世田谷の二子玉川商店街のまちづくりに関わりました。
 商店街には昔からの伝統的な商店があったり、最近の小じゃれたお店もありましたが、店を閉店して住宅に変わった店も出て、市民を呼び込むことは急務だった。しかし、商店街の人と話し合ってみると、市民にまだ商店街そのものが知られていないようだ、ということがわかり、市民を呼び込むにはどうするかが話し合いのテーマになりました。
 私は上尾市の都市計画化にいたとき、住民参加のまちづくりを担当していました。公募の住民参加でしたが、そこで気がついたことは市民参加と言って公募するとくる人がいつも同じ、限られているということがわかりました。つまり、多くの人にとってまちづくりは遠くのこと、と思われていると言うことでした。多くの市民にどうやったらもっと近づくことができるのか気になっていました。
 そのころ、テレビでメキシコでは道路で子どもが演劇をやっていました。自分のうちの中の問題を演じて、見ている人が助言すると言うもので、身近な問題なので通りがかりの大勢の人が見物していました。道路を使うと大勢に人と気持ちが通い合える、ということに気が付きました。
 静岡県の牧の原市で20m予測の津波防災の計画作りに関ったことがあります。津波で家が水につかったとき自分たちがどうするか、具体的なテーマに、不安に思った市民が地区で地域の住民が参加するワークショップを担当しました。会場づくりも自分たちで考え、ハロウィンの飾り付けをし、お菓子もいっぱい持ち込んで、楽しい雰囲気の中で、自由に意見がいえるようにしていました。そうして住民主体の計画ができました。
 そこで、商店街の人たちが中心になって企画する、道路もどんな空間も活用する、そんな気持ちで商店街のにぎわいを取り戻す企画を考え合いました。そしてできたのが、「二子玉川アート&マート」。4月29日の祝日に「週末の商店街にアートが飛び出した!見て、触って、楽しんで。街は青空ミュージアム」でした。道路いっぱいに落書きをしたり、それをまた子どもたちがデッキブラシでみんなで消したり、店の前が学生たちのギャラリーになったり、似顔絵書きになったり、もちろん、店も店頭セールや展示会場になったり、道路は親子連れ、市民の歩行者天国になりました。


 その時とったアンケート。商店街を突っ切る交互通行の道路は、商店街なのに速度制限がない、60kmまでOK。商店街の中には小学校もある。二子玉川は東名高速、第三京浜と環八に囲まれ、抜け道道路にもなっていて、車の通行量も多い。そんな車が60kmで走る。子どもにもお年寄りにも危険という声が寄せられました。その声に商店街で取り組みました。「めざせ!ゾーン30」、商店街を制限速度30㎞の安全なゾーンにしよう。祭りの時に、うちわ型の「ふたこたまご通信Vol.1」を発行。ふたごたまごちゃんというユルきゃらも作って、夏にはたまご型の通信Vol.2も出し、そして、秋には冊子型のVol.3を出しました。


 二子玉川をもっと安全にしたい!玉川町会ともいっしょになって今、商店街が活動しています。」
そんな活動の企画・準備に携わってきた合同会社代表の橘たかさん(元上尾市職員)の元気な報告でした。

 防災、環境のまちづくり実現の鍵は住民の力。「何でもあり」の活動は、防災・環境の大切さを知り、活動する市民づくりへの大きなヒントになりました。