骨董市で買った 鑿を強く叩いたら、柄が折れてしまった。 柄の材が腐っていたらしい。 仕方なく柄を付け替えて見ることにした。 材料は手元に有った多摩産のクヌギの木を使う。 これは間伐材を拾っておいた物だ。 思わぬ所で役に立った。 本来は白樫を使うが、柄付けの試行なので 材は何でも良かった。 20ミリ角棒を作り それを丸棒に削る。 適当な長さに切り 端に6φの穴あけを行う。 次に口金部分を円錐に削りだす。 口金を取り付けたら 端に開けた穴を少しつつ四角にしながら鑿の尻が入るように削る。 最後は鑿を叩き込む。この手順で 約半日掛かった。 完成品がこの写真。 柄と鑿が一体に直線にならないといけないが そこが一番難しい。 しかし一応手作りでも出来ることが判った。
道具鍛冶の名人と言われた 千代鶴 是秀氏の遺作を 本にまとめ、かつ人物を紹介した極マニアックな本だ。 確かに写真で見ても すご味のある道具だ。 使う道具と言う言うよりも 作品として 神棚に奉る物かも知れない。 確か江戸熊の鑿は竹中道具館で見たはずだ。 道具が最も発達したのは 昭和前期と言われている。 そう言えば私も千代鶴と銘のある 鉋を持っている。 多分偽物だろうが。
これも道具の説明と仕立て方等が細かく書いてある。 秋岡氏の集めた道具の紹介見たいな本だった。 しかしこうした道具類 特に刃物に興味を持つ人は多いと聞く。 そこには何か 独特の魅力が有るのだろう。 そこからその道具を使う木工に進んだという事だろうか。
シェーカー家具の製作で知られた藤門 弘氏の本だ。 本には道具の使い方や説明も載っており参考になる。 どれか一つ作ろうと思うが、結局実現せず 本は読むだけで終わった。著者は現在はシェーカー家具の製作は行ってないと聞いているが、祥細は不明。 しかしシェーカー家具のデザインは私は余り好きでは無い。 この本の中に一つだけ ミッションチェアの製作記事が載っている。 これなら作っても良いかなと思う。
物を創作する原点は、本来人間が持っている創作意欲を満たそうとする欲求と著者は言う。技術が問題では無く、物を創作する過程に意味が有るとも著者は言う。 成るほどごく初歩的な道具で作れる小物類が多い様だ。 暮らしに密着する道具を自分で作り使う。 これが創作の原点だとも言える。 この本に載る小物はどれも作れそうなイメージの物だ。 こう言う小物類を作る事は一時流行した。 その先駆けと成る本ではないかと思う。 私もこれを見てスプーンや箸を作ったりバターナイフを作ったりした。 楽しく集中できた。 物を作る事は、一種のストレス解消に役立ったと思う。