さだやんのほろ酔い日記

落語家・立川 左談次

居酒屋

2006年09月02日 15時31分33秒 | ほろ酔い日記
気の置けない仲間達と居酒屋。
「とりあえず、ビール」
こう言ったら、隣のオジサンに怒られた。

「何だ、今の言い草、とりあえずとは何だ。主張が無い
第一、とりあえずとはビール様に失礼だ。
君はビールの気持ちになって、考えた事があるか、
そんな事言われたら悲しくて泣くぞ」

そうだったのかビールの気持ち。いやビール様。
僕等の思慮が浅かった。
悲しんでいたのねビール様。
ごめんねビール様。ごめんねオジサン。
知らないうちに人様の気持ちを傷つけていたのね。

しかし、見ず知らずの他人に突然こんな事言うか。
しかも、涙目で熱く語るか。
ムキになるか。
大丈夫かこの人。
とりあえずはビールだろ。ビールの枕詞はとりあえず。
とりあえず「アブサン」とは言わないもの。

そんな気持ちをおくびにも出さず。
・・・・・・・面白そうだったから。

「でも、たかがビールじゃない」と私。
案の定、オジサンは食いついた。
「たかがとは何だ!そもそも・・・・」と始まり、
ビールの曰く因縁、故事来歴、居酒屋の注文の仕方を小一時間。

良い講釈を聞かせて貰った。
的確な合いの手を入れるのはお手の物。
最後はすっかり打ち解けて大盛り上がり。
ご機嫌なオジサンにご馳走して頂いた。

寂しかったのねオジサン。
福祉の原点を垣間見た。


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