さだやんのほろ酔い日記

落語家・立川 左談次

「眠堂醒話 地べたから物申す」  柴田錬三郎

2007年01月07日 13時38分07秒 | おすすめの本
今年初めての手にとった本である。
ガツンとした文章が迫って来る。
我々凡人にはこの毒に真正面から立ち向かえるか。
思わず、背筋が伸びる。
男だ。
ガチッとしたスジが一本見事に通っている。
ものの本質を鷲掴みしている。

「民衆は、たしかに、おそるべき敏感な本能をそなえた
怪物集団であるが、零は百足しても零である処置なき
愚昧な存在である」

これはほんの一例。
しかも、優しく甘い部類の言い切り。
もっと、臓腑をえぐられる様な言葉がぶち込まれている。

正月の酒ボケから目覚めさせてくれる一冊であった。