趣味の日記

観劇・歴史・小説・漫画などなど、思いつくままの語り日記

スカーレット・ピンパーネル

2008-06-28 23:57:23 | Weblog
星組公演、観てきました。
新人公演までに本公演を観とかなくちゃ!ということで(来週はサエコさんのために東京行きだし)、今日ふらりと観に行ったんですが、これが意外と面白かった。
まぁブロードウェイミュージカルで根本がしっかりしてるのと、小池先生のきっちりしたそつのない潤色と、トウコちゃんあすかちゃん二人の上手さのおかげで、夏休みファミリー向け冒険活劇になってました。
子供が観てもわかりやすく楽しいんじゃないかな。それでいて大人っぽい恋愛も描かれてるから、一般受けしやすそう。
平日のチケットはまだまだ余裕たっぷり状態ですけど、これからクチコミで減っていくかもしれません。

10年前、マリコさんのバウ「イコンの誘惑」で、ノルさんがユリちゃんを想って歌った曲が、ものすごくロマンチックでノルさんの代表曲にもなりましたが、その曲がこの「スカーレット・ピンパーネル」のショーヴランが歌う曲だと知り、ブロードウェイ版のCDを買って持ってたりするんですが、まさかそれを宝塚で上演する日が来ようとは。
「イコン」も小池先生作品だったことを思えば、小池先生にとっても、10年越しの上演が叶ったということなのかな。
パンフを読むと、ブロードウェイ版の少人数公演を、宝塚の大劇場用にかなりアレンジしたみたいですね。ストーリーもだいぶいじってあるみたいだし。
ブロードウェイ初演時、評判はいまいちだったと聞いた覚えがありますが、徐々に改定を重ねて、現在のバージョンになったとか。
でもまあ確かに、根本的にはアメリカ受けする作品ではないでしょうね。貴族が革命派をやっつける話ですから(苦笑)。
ただ、日本人がなじみやすい、少女マンガ的冒険活劇ではあると思います。ブロードウェイ版とは別に、宝塚でも昔、独自に原作からミュージカル化してますし(それをタモさんが地方公演で再演したはず)。
私も原作は読んで知ってますが、今回の「スカーレット・ピンパーネル」は、話の流れは原作を踏襲しつつ、原作でオジサンだったショーヴランをヒロインの元・恋人にして、主役パーシーとの対立の図式をさらに際立たせ、その上で宝塚版として、フランス王太子ルイ・シャルルの救出というエピソードを足してあります。

パーシーのトウコちゃんは、変幻自在、歌ってお芝居して変装して、やっぱり芸達者。
コスチュームを着こなすにはやはりちょっと小柄で華奢なんですけど、前回の「エル・アルコン」の中世衣装と比べれば、時代も新しく、すっきりとしたお衣装で、今回の方がずっと似合ってます。
私の個人的なパーシーのイメージとは違いますけど(笑)、飄々として頭の回転が速く、遊び心を楽しみながらも勇敢に悪に立ち向かうという、宝塚的ヒーローの条件は十分に満たしてます。
一箇所だけ気になるといえば、一人で心情を歌い上げる時のオーバーアクションな動きかな。小柄なトウコちゃんが存在を大きく見せようとしてるのかもしれないけど、私の好みとしては、そこをもっとぐっと抑えて、切々と大人っぽくキメて欲しい気がする・・・。
あすかちゃんのマルグリットは、申し分なく大人の美女。愛し合って結婚したパーシーと、昔の恋人であるショーヴランとの間で、誰を信じるべきかと思い悩む部分も綺麗だし、歌もお見事。気が強いけど可愛げもあり、ほんとトウコちゃんの良い奥さんです。
ショーヴランのれおん君。悪役は初めてということですが、かなりの苦戦中(爆)。革命派としての野心家な部分、革命の中に理想を求めようとする情熱、それでいて、血で血を洗う現実と理想との間にどこか隙間を感じている孤独、だからこそかつて共に戦う同志であり恋人だったマルグリットへの、忘れられない想い・・・そういったものをお芝居で表現するには、れおん君はまだまだ未完過ぎる・・・(汗)。
トウコちゃんのパーシーとの差があまりに歴然で、パーシーにいいように振り回されてるだけにしか見えないのが残念。
パーシーのふざけた(笑)言動の中に、何かおや?と一瞬眉をひそめるようなそぶりくらいあってもいいと思うんだけど。変装して潜入してるパーシーの口調に、どこかで聞いたような?とほんの一瞬視線を止めるだけで、そういった雰囲気は出るはず。台詞で表現しない部分での、そういった細かなお芝居で、ショーヴランの切れ者ぶりとか、手強さがもっと出てくるだろうに。
・・・実は私、この作品は雪組で観たかったんですね(大爆)。ミズさんのパーシーととなみちゃんのマルグリット、そして何よりもユミコさんのショーヴラン!ミズさんとユミコさんなら、対等な大人の男の対決になり得ただろうし、ユミコさんにはぜひともあの曲を歌って欲しかったんだけど・・・。

小池先生は、星組メンバーの使い方も上手く割り振ってありました。
パーシーの友人たちで「スカーレット・ピンパーネル」の仲間が、しーちゃん、すずみん、彩海君、夢乃さん、しゅん君、ゆずる君、壱城あずさ君。
特にゆずる君と壱城君は、先日の「アンナ・カレーニナ」で大躍進した二人。本公演で初の抜擢、嬉しいですね~!
同じく「アンナ・カレーニナ」で躍進した、るりか君や真風君なども、アンサンブルでソロをもらってたり、目立つ位置にはいますね。
パーシーの片腕としてよく動いてるのがしーちゃんで、すずみんがさらにその補佐的位置。でも恋愛エピソードはすずみんの方にありますね(笑)。
しゅん君が、首周りがちょっとすっきりと痩せた感じで、丸いけど(笑)小顔でスタイル抜群なのが、遠くからでもよくわかるし目立つ。・・・昔の誰かさんにますます似てきた(?)のか、どこにいてもつい目で追ってしまう(大爆)。新公ではショーヴランなので、今からものすごく楽しみですね♪
和さんが、マルグリットの弟(原作では兄なんだけど)で、ちょっと毛色の違う役。
和さんの恋人役がねねちゃん。健気で可愛い女の子・・・のはずなんだけど、相変わらずドレスの裾から小悪魔の尻尾が見え隠れしてますよ~(爆)。
パーシーのお仲間君たちには、それぞれセットになる恋人役の娘役さんたちがいます。組み合わせはすずみんとコトコトちゃんしか把握できなかったけど(苦笑)、メンバーとしては華美ちゃん、音花ちゃん、まりいちゃん、せあらちゃん、夕妃ちゃん、まりやちゃん。・・・それにしても、星組って娘役というより女役なメンバーばっかりに思うのは、私だけ?(大爆)

フィナーレが「エリザベート」とまったく同じ構成(二番手スターのソロ→ラインダンス→トップと娘役のダンス→男役ダンス→トップコンビデュエット→パレード)なのは、小池先生、手抜きだ~と思いましたけど(笑)、VISAが付いてるおかげで、舞台セットもお衣装も豪華だし、ワイルドホーンさんの楽曲はさすがものすごく綺麗だったし、星組らしく体育会系アンサンブル(笑)もよく揃ってたし、ところどころジョークもちりばめた正統派冒険活劇で、楽しく観られました。
これならもう一回か二回、観てもいいかな?と思いましたね。
で、帰りに来週の東京行きの切符を買いにチケットショップへ行った時、前楽の観やすい席が定価で出ていて、思わず買ってしまいました・・・(爆)。

コメント
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