趣味の日記

観劇・歴史・小説・漫画などなど、思いつくままの語り日記

ゆうひさんバウ

2007-12-24 23:39:28 | Weblog
観てきました!
チケットを譲って下さった方に感謝!そしてそのチケットを見つけて下さった友人にも感謝!です!!

先日ドラマシティでオギーを観てきたばかりなので、余計に思うのかもしれませんが、美しく散りばめられた台詞の洪水と虚構というイメージの世界を幻想的に構築することに長けたオギーと、理屈を積み重ねて緻密に練りこみ、そこにベタな宝塚的ロマンスを描こうとする景子先生の、作風の違いというか、方向性の違いというものが、今さらのように改めてくっきり感じたというか(苦笑)。
私の肌に合うというか、台詞のひとつひとつが染み入るように感じられてくるのは、(今回のあの作品であろうと/爆)やっぱりオギーなんだなぁと思うとともに、景子先生のあの‘宝塚’少女趣味にこだわる執念(笑)が、大劇場において、もっと有効に発揮されないものかと惜しくも思われますね。
景子先生のあの緻密な執念深さが、小劇場での佳作を生み出す一方で、大劇場でのスケール不足につながるんじゃないかと思えてしまうんですよね。
いくら理屈をこねたって、大劇場では上演時間も短く、空間に吸い取られてしまって濃密にはなりにくい(「堕天使の涙」とか)。
そこのコントロールができれば、景子先生はやはり有望な宝塚作家なんだと思います。

今回の作品は、大人の恋愛とハリウッドの栄光と挫折をテーマに描く、ということだったので、まずはゆうひさんの完成された男役像と、月組陣の演技力ありき、と感じました。
景子先生のヒット作「ロミオ&ジュリエット」とか「舞姫」のような、ロマンチックメロドラマとはまた違う、大人のドラマとしての面白さを感じられたのは、やはり今のゆうひさんだからこそ。
ゆうひさんは、ひたすらカッコよく、大人の男役としての大きさと包容力、存在感、そして演技力を、余すところなく全てにおいて完璧に魅せて下さいました。
あのゆうひさんが、とうとう背中で泣けるようになったのか!!と、トドさんの「凱旋門」ラヴィック以来の感動も味わわせてもらいましたし。
恋人を失い、机に突っ伏して男泣きに泣くゆうひさんの背中、ちょうど上手端の席にいた私からは、背中の角度が完璧だったんですよね~(爆)。
堂々と真ん中に立ち、主演としての華も存在感も、文句なしに大きくなったゆうひさん。
ほんの2、3年前までの、ショー・シーンなどで真ん中にいても、どこか一歩脇に立ってるような印象を抱かせる遠慮深さは、どこへやら。男役としての円熟期に到達したなぁと、ある意味感慨深く、そしてある意味、これからのことにも思いを馳せずにはいられなくなります。

ゆうひさんとあいあいちゃんのドラマを中心に据えてありましたけど、今回は周囲の群像劇もわりと緻密に書き込んであり、さらに月組生の演技力で、きちんと見せられたのも良かったと思います。
麻月れんか君が、こんな大きい役をやれるようになったのか!とか、ナッツの抜群の間の取り方とか、ちわこちゃんの素晴らしいイイ女っぷりとか、良基さんのさり気なくて細かいお芝居とか、えり緒君のツボを押さえた巧者ぶりとか、ゆりのちゃんのパンチ力とか、リュウ様の見事な居方とか。
はるひさんも、頑張ってましたし。
あえて言えば、桐生さんだけが、ちょっと浮いてるんですけど・・・(爆)。
五峰姐さんの存在は、景子先生にとっては、オギーにとってのシビさんのように、不可欠な存在になりつつあるなぁと(「イカロス」「フィツジェラルド」「堕天使」など)。
一箇所だけ、景子先生に文句つけるとすれば、最後の最後で、しかも桐生さんの台詞で、そんなベタなこと言わせるなよぉ~(汗)とずり落ちそうにはなったんですが(大爆)。
オギーやハリーのようにとは言わないけど、台詞のセンスを、もっと磨いて下さい、景子先生!

なんだかんだいって、一年の締めくくりに、「M!」、オギー、花組芝居、ゆうひさん、と、立て続けにそれぞれまったく方向の違った濃いものを観られて、良かったと思います。
コメント
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