趣味の日記

観劇・歴史・小説・漫画などなど、思いつくままの語り日記

少しずつ

2006-10-04 23:58:31 | Weblog
サエコさんの厨子王、思いつくままに感想など。
開幕していきなり中央から現われたのが厨子王君で、まずそれに驚きました(笑)。もう出てくるの!?
でも、童水干の少年姿、しかも文使いの時みたいなウサギちゃんではなく、ちゃんとポニーテール♪言っては何ですが、そのおトシでその姿が似合い過ぎってところが、驚異的(爆)。
でも、少年役で一人でいると、そう大きくも見えないのに、母親の佐久間良子さんとか安寿の常盤貴子さんとかと並ぶと、やっぱり大きいんですね~!だから、成人して烏帽子姿になると、ほんとすらりとして立派な青年公家。里見浩太朗さんと並んでも、烏帽子の高さ分背が高いし、あの大舞台の主役として、綺麗にハマってました。
常盤さんがほんと小っちゃくて、すぽっとサエコさんの腕の中に収まっているのを見て、思わずエミクラちゃんを思い出しましたね。

お芝居が丁寧なのは、サエコさんですから当然ですけど、その上でやっぱりサエコさんらしいな~と思わせて下さるのは、あのスリル感(大爆)。
盛り上がってきて、クライマックス近いぞ~という時に、やって下さいました。母上から父の形見だと授けられた短刀、狩衣の懐から中の帯に差し込まなきゃならないのに、入らない!(苦笑)後ろ向きに入れようとしてるんですけど、引っ掛かっちゃったらしく、かなり長い間奮闘しておられました・・・。その間は、林与一さんの山岡太夫が台詞をしゃべっていらしたのですけど、台詞が終わったら今度はすぐ立ち回りに突入。短刀は、厨子王君の懐から少しはみ出ている・・・(汗)。動き回っている間、落とさないかとハラハラしました(爆)。しかも、山岡太夫を倒したあとは、そのまま山椒太夫との立ち回りにも突入。短刀をしまう間がない!・・・NHKの映像で、アングルとかで上手くごまかしてくれるといいのですけど(苦笑)。
もうひとつ、すごく激しい大立ち回りをこなされ、父である山椒太夫との間の葛藤もあり、汗と涙で、目もとのお化粧が赤く流れ落ちてきちゃったんですね~(汗)。でも、ずっと出ずっぱりで一瞬でも引っ込む間がなく・・・血の涙、と思えばそれもあり?とはいえ、TVカメラのことを思うと、やっぱり観てるこちらとしては動揺してしまいます(苦笑)。1度きりのイベント、撮り直しができないのは、コワイですね~。

でも、その1回だけの作品に、体当たりで思いっきりぶつかったサエコさんの度胸と精神力には、本当に感服します。だからこそ、あんなにたくさんの拍手をいただけたのでしょうし、共演者の方々にもすごく可愛がっていただいたみたいで、サエコさんにとって大きなプラスになったと思います。
それにしても、よくぞこんな大仕事を引き当てたな~と、サエコさんの運の強さも、改めて思いましたね(笑)。

もともと、私は原作の「山椒太夫」は読んだことがなく、映画版も見てませんので、あんまりお話は知らないんですね(苦笑)。
まあ、鏡の大王だの魔王だの錬金術だの、というのは今回の創作だというのはわかりますけど、山椒太夫が最後どうなっちゃうとかは知らないんです(汗)。
今回の「黄金の刻」では、錬金術で安寿が甦ったり、それも父から子への試練だ~と言われても、????って思っちゃって、今ひとつ山椒太夫が何をしたかったのかわからない脚本ではありましたね。
厨子王君が実際の主役として動いてる中で、山椒太夫に重心を置こうとするのはそもそも無理があったのでしょうけど、それならもっと単純に割り切って、悪に取り付かれた父を息子が救う、でまとめても良かったんじゃないかと思いました。山椒太夫の思想的な面(悪の中から善を生み出す錬金術)を主張させようとするから、不思議な展開で強引な結末へ持っていかざるを得なくなったのかと思ってしまいます。
とりあえず、ファンタジーとして考えた時に、これはこういうものだとして、深く突っ込まずに大まかに内容をとらえるようにして見れば、自分の中で都合よく解釈できないことはないかな~と。
演じている側は、おそらくは脚本の通りに無心に演じているので、却ってそれが脚本の矛盾を上手くカバーできていると思います。
里見さんも佐久間さんもそこはベテランでおられますし、脚本に忠実にというのはサエコさんの昔からの芝居スタイルですから。場面場面として観た時の、父子母子のやり取りは、やはり感動的でした。

・・・つらつら書いてたら、とっ散らかった感想になってますね(汗)。まとまりがなくてすみません(苦笑)。
とにかく、サエコさんの男役でしかも日本物の主演作を、もう一本観られるという奇跡に近い僥倖を得られことは、本当に嬉しかったです。しかも映像にまで残るとは。
サエコさんの厨子王は、ファンとして誇りに思える役ですね。観れば観るほど、サエコさんって稀有な役者さんだな~という思いを新たにします。

厨子王を観て、ますますサエコさんの楠木正行が観たかったという思いにかられます(苦笑)。しかもあの少年姿!父の正成との桜井の別れ(正行11歳)、誰か子役(?)に任せようと思ってましたが、本人でも全然OKだなぁ(笑)。

コメント
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