さっちゃん 空を飛ぶ

認知症で要介護5の妻との楽しい日常を 日記に書き留めたいと思います

昨日は3ヶ月ぶりの神経内科の診察。朝からいろいろあって僕は疲労困憊?

2021-07-08 23:58:22 | 病院
3ヶ月おき神経内科の先生に診てもらっています。
診て、と言っても最近の様子を僕から聞くことが主で、時々血液検査等をするくらいです。
薬もメマリーだけはこの先生から処方箋を出してもらっています。
何かの治療が出来る訳でもありませんけれど、定期的に見てくださって、さっちゃんの病状を把握してもらっているだけで安心感はありますね。

予約は11時半でしたから、GW以降1ヶ月に1度ほどになっている言語リハビリも同じ日の10時半から予約が入っていました。
ですから、家を9時20分までには出て、駅へ向かおうと予定していました。
僕はいつもと同じようにアラームをふたつ、6時と6時1分にセットしておいたんです。
前の晩は普段と同じ1時半ころ寝つきました。
アラームが鳴っていることには気付いていました。
6時のアラームは1度しか鳴りません。
6時1分のはセットを解除しない限り、止めても5分おきに鳴ります。
どちらも止めたような記憶はあるのですが、6時1分のアラームは何度も鳴っていたような朧げな記憶があります。

でも、目覚めたら7時20分でした。
僕は毎朝のルーティンをし、自分の朝食を作ります。
時間が押してしまったので、昨日の朝はコーヒーは淹れませんでした。
自分の朝食が終わり、棟のゴミ集積所にプラスチックごみを出して来ました。

そして、さっちゃんを起こしにかかったんです。
8時10分ころでした。
デイサービスに行く日のことやこの日の家を出なければならない時刻を考えると、余裕のある時刻でした。
布団の中で目を開けたさっちゃんは笑顔を浮かべていました。
機嫌が良さそうだ! と、僕は嬉しくなります。
予定通り順調に行きそうです。

ところが、起き上がって、ソファに座ってもらって、着替えさせようとすると、様子が一変!
ズボンを穿くことを拒否します。
つまり、僕を足で蹴飛ばすんです。
こうなってしまうと、取り付く島もありませんから、放っておくしかありません。
順調に行くと思っていた朝の進行が暗雲に包まれてしまいました。
時間を置いて、再度進めてみるしかありません。

その後、少しは落ち着いたかな? 気分が変わったかな? とさっちゃんの着替えを進めようとしましたが、駄目。
時間だけが経過していきます。
9時前になってようやく着替えをさせてくれました。
トイレに連れて行ったり、口を漱いでもらおうとしたり(これは拒否されました)、髪を梳いたりしました。
食事をして、急げば予定の電車にも乗れるかもしれません。
でも、こんな芳しくない気分で、無理に歩かせたりしたら、病院に着くころには最悪になりそうです。
しかも、昨日は雨が降ったり止んだりでしたから、傘をさして歩くようになったりしたら、時間がかかって間に合いそうにありません。

僕はあれこれ考えた末、10時半からの言語リハビリは行かないことにしました。
そして、さっちゃんを急かせることなく、さっちゃんペースで朝食等を進めて行きました。
さっちゃんもだんだん気分が平常に戻って来ます。
言語リハビリのT田先生にも電話を入れ、翌々週に変更してもらいました。

神経内科は11時半の予約ですから家を10時半までには出なくてはなりません。
ゆっくりペースで進めていると、すぐその時間が来てしまいました。
雨も予報より早めに止みましたから、駅までの歩きも傘を差さなくてよくなりました。
ところが、歩き始めると、日差しがあります。
薄雲ごしの陽光ですから、ギラギラしているわけではありませんが、雨上がりの日差しは蒸し暑苦しさ満点です。

発車時刻の10分前に到着したのはいいのですが、さっちゃんは同じ場所に立ち続けると不穏になって来ます。
入線数分前にはじっとしておれなくなったさっちゃんと、僕はホームを歩きます。
電車が入線してくると、二人とも座ることが出来ました。
冷房が効いているので、さっちゃんに上着を着せます。
マスクもしてはいるのですが、さっちゃんはすぐに下げてしまいます。
僕が上げても、また下げます。
下げてすぐに何度も上げると、さっちゃんも次第にイライラして来ますから、適度に時間を開けてマスクも上げるようにするんです。

電車を降り、病院へ向かいますが、蒸し暑苦しさは続いています。
こんな悪条件の中、病院まで20分ほどの歩き続けて、よく病院のすぐ手前の上り坂で不穏になりがちなんです。
「帰る」などと言い出すこともあります。
でも、昨日はさっちゃんはしっかりと歩き通してくれました。

ただ、病院に入ってからが大変でした。
まずは僕と手を繋ぎたがりません。
自分で勝手に歩いて行こうとします。
予約受付の機械で立ち止まってくれませんから、僕はさっちゃんを追いかけなければなりません。
追い付いて、逃げる手を何とか掴んで病院2階を歩き回ります。
(受付は2階なんです)
何とか機械で受付を済まし、神経内科がある1階に降りました。
11時半を数分過ぎていたと思います。

これから延々とおよそ2時間待つのですけれど、じっとしていることが大嫌いなさっちゃんがじっと待てるわけがありません。
最初から2時間待ちなんてことは分かりませんから、さっちゃんの受付番号が表示板に載るのを常にチェックしなければなりません。
つまり、その表示板の前から離れられないのです。
でも、さっちゃんはそんなことにはお構いなし。

待っている2時間の間にいろんなことがありました。
普通に手を繋いでその階を歩き回ることも2度3度ありました。
これなら僕にとっては気分的に楽です。
ところが、ほとんどのケースでは手を繋ごうとしません。
こんな所でじっとさせられている原因が僕にあるかのように、僕を責め、怒りを向けるんです。
大きな声を出して、僕を罵倒します。
叩こうとします。
そして、走り去るように僕から遠ざかって行きます。

僕から逃げるようにして歩くのですが、待合室に並べられた長椅子と長椅子の間ばかりを歩こうとするんです。
そこには来院者も座っていますから、僕はそこを通らせないようにしたいのですが、無理に通らせないようにするともっと大変なことになります。
結果、さっちゃんの通りたいように通るんですが後を歩く僕が座っている方に「済みません」と謝るんです。

さらにさっちゃんは待合室で座っている人に語りかけるんです。
語りかけられた人もさっちゃんが何を言っているのか分かりませんから、途方に暮れますよね。
さっちゃんは結構しつこく長く喋りかけ続けますから、僕は「済みません」と謝りながら、さっちゃんの手を強く引くことになります。
そうすると、さっちゃんはますます怒る。

また、さっちゃんは待合室の長椅子に座っている人の近くに座りたがるんです。
今はどこも間隔を開けて座るようになってますよね。
さっちゃんはコロナのことも分かりませんし、長椅子に付けられているバッテンの意味も分かりません。
気にされない方もいますし、すごく気にされる方もいて、席を替えたりなされます。
さっちゃんが近くに座っていた方の体に触ろうとしたりもしますしね。
そんな時は僕がさっと阻止します。

そして、行った先々で僕に対して怒りの感情たっぷり込めて大きな声で喋るんです。
そんな僕とさっちゃんの様子が周りの人々にはどのように見えるんだろうか? そんなこと、いちいち気にはしておれません。

時にはさっちゃん一人を遠くに残しておきます。
僕は表示板から長く離れ続けるわけにはいきませんからね。
もちろん、さっちゃんは遠くですけれど、見える席に座っている条件は必須です。
それにしばらく一人にしておくと、少しは寂しく心細くなって、僕に頼る気分が戻ってくるかもしれませんからね。
あまり長い時間放っておけませんから、さっちゃんが素直になってくれるまでには至りませんでしたけれど、抵抗や怒りは僅かですが小さくなったと感じました。
この待っていた2時間の間中、表示板が見える近くと遠くの間をさっちゃんと揉めながら往復し続けていました。

1時半ころ、さっちゃんの受付番号が表示板に載りました。
遠くの長椅子に座っていたさっちゃんをほんの少し強引に立ち上がらせて、診察室のすぐ外の待合場所に移動しました。
そこでもけっこう揉めて、僕はさっちゃんと隣り合って座らせてもらえなくなりました。

神経内科のN川先生がさっちゃんの認知症に関しては主治医になります。
意味性認知症ということで、難病指定の認定を得ようと努力してくださったのはこのN川先生でした。
ただ、可笑しなことに意味性認知症は65歳未満で発症していないと難病指定が受けられません。
さっちゃんが発症したのは軽度認知障害だったかもしれない時期を含めても、70歳以降ですから認定されませんでした。

3ヶ月ごとの診察と言っても大したことをする訳ではありません。
「敬礼してみて」とか手をフラフラフラと振って、「は~い、真似してみて」と同じ動作をさせようとします。
でも、さっちゃんは出来ません。
握力計を使わせようとしますが、持てませんし、持たせても強く握ろうとはしません。
さっちゃんに掴まれると酷く痛いんですけどね。
何にも出来ないことの確認をするだけの結果です。

ただ、昨日はN川先生から初めて僕に対しての言がありました。
「ご主人も本当によくやっておられますよね」と。
先生が僕の日頃のさっちゃんとの間の言動を知っているわけがありませんから、社交辞令のようなものだとは思います。
でも、そう言われて若干の嬉しさはありましたね。
と同時に、その言葉に相応しい自分でなければとの自戒もありましたけれど。

診察が終わり、会計へ向かいます。
会計窓口にこの日のファイルを渡すために並ぶのですが、最近はさっちゃんと一緒に並んでいます。
以前はさっちゃんに座ってもらっていて、僕ひとり並んだのですが、今はそれが出来ません。
さっちゃんがどこに行ってしまうか分からないからです。
列に並んでいても、列がなかなか進まずその場にじっと立っていると、さっちゃんはイライラして怒り始めます。
昨日も列が進んで2番目になった時に、さっちゃんが大きな声を上げ始めました。
その時はすぐに収まったのでラッキーでしたが、大声を上げ続けることもあるんです。

ファイルを渡し、会計手続きが奥の方で進み、掲示板にさっちゃんの受付番号が載るまでの時間がまた大変なんです。   
じっと座って待っていることに耐えられず、「もう帰る」と言い始めることがよくあったんです。
一度などは会計を機械で済まさずにそのまま帰らざるを得なかったこともありました。
病院の外までは出て、また戻って来たこともありました。
ただ、僕もだんだん知恵を付けて来て、じっと座って待っていることをしなくなったんです。
僕がおしっこしたくて、車椅子用トイレに一緒に入ったり、手を繋いで同じフロアをグルグルと歩いたりして、時間を潰すんです。
昨日もそうでした。
トイレに入り、歩き回り・・・・

思いの外、早く掲示板に表示され、会計を機械で済ますことが出来ました。
駅までの道も本当に蒸し暑苦しかったですけれど、さっちゃんは調子よく歩いてくれました。
ただ、信号待ちをしている時が大変なんです。
さっちゃんは同じ場所で待っていることが大嫌い。
信号待ちでも同じで、横断歩道を渡ろうとすることもありますし、歩道を別の方向へ歩いて行こうとしたりもします。
そのたびに僕が強く引き止めると、怒るんですよ。

さすがに駅が近づくとさっちゃんの疲労が目に見えて来ました。
が曲がって来るんです。
いつもは必ず階段を使うんですが、昨日はエレベーターを使いました。

電車に乗って、座席が空いていましたからさっちゃんを座らせました。
さっちゃんは自分で自分が座るべき席に自分のお尻を収めることが出来ません。
僕がさっちゃんのお尻を持って収めてあげなければなりません。
そんな様子を見ていた隣りの席の女子高生が僕に「席に座りませんか?」と言ってくれました。
嬉しかったですが、「大丈夫ですよ」とお断りしました。
次の駅で向かいの座席が二つ空きましたから、僕とさっちゃんはそちらへ移動。
すると、さっちゃんは隣りの別の女子高生の手(に握られているスマホかも)を触ろうとします。
僕は直前で阻止。

僕たちが降りる駅に着きました。
さっちゃんを座席から立ってもらおうとしますが、立とうとしません。
強く引っ張ると、さっちゃんも縦の金属ポールを強く握りしめます。
ドアからは乗客が乗り込んで来ています。
僕はさっちゃんがポールを握っている指を力ずくで引っぺがし、両腕を引っ張るようにして電車から降ろしました。
こんな時の力ずくは仕方ありませんよね。

この日は駅の改札のすぐ外にあるパン屋さんでイギリスパンを買いました。
本当はもう1斤、切ってもらって買いたかったんですが、さっちゃんが何をしでかすか分かりませんから、あるものだけを買ったのです。
一緒に店内を歩きながらでも、さっちゃんは手で置かれているパンを触ろうとするんです。
以前は、店の外で待っててもらえたのですが、今では難しいですね。
「待ってて」の意味が分からないのでしょう、そう言っても一緒に付いて来るんです。

いよいよ最後の家までの帰りです。
さっちゃんの足で30分かかります。
蒸し暑苦しさも最高潮!
よほどタクシーで帰ろうかと思いましたが、頑張って歩くことにしました。
家ま残り3分の1くらいの場所で、さっちゃんに飲むヨーグルトを飲んでもらおうとしました。
これまでも、少量ですが時々飲んでもらっていたんです。
さっちゃんは湯呑とかコップとかなら、どう飲めばいいのか割とすぐに分かるんですが、
ペットボトルとか、この飲むヨーグルトのように飲み口が3cmほどある容器苦手です。
まずは口を大きく開けてその飲み口全体を咥えようとします。
それが無理だとか飲み辛いだとかが分かったら、何となく記憶が蘇るんじゃないでしょうか?
ちゃんと口を添えて飲むことが出来ます。
この飲むヨーグルトもそうでした。
僕が手を添えて飲んでもらいました。
・・・・飲んだものと思っていました。
ところが、2口目を飲んだはずなのに、さっちゃんは大量のヨーグルトを路上に吐き戻したんです。
幸運なことに、さっちゃんは疲れて腰が曲がっていましたから自分の服にはかからずに全部路上に流れ落ちました。

そんなこともあって、3時過ぎに帰宅したさっちゃんは疲れているかと思いきや、意外と元気です。
逆に僕の方が疲労困憊していて、すぐに布団で横になりました。
もちろん、その前にはさっちゃんを部屋着に着替えてもらい、手をウェットティッシュで拭きました。
さっちゃんの腰の辺りにティッシュを当てると、何回当ててもティッシュが濡れてしまいます。
リハパンを穿いている内部が想像できないくらい蒸れているんでしょうね。

布団に横たわっている僕を邪魔するようにさっちゃんがちょっかいばかり出します。
こんな時は一緒に寝て欲しいのですが、物事はそう上手くは運びません。
でも、6時ころにはさっちゃんも布団の中に来たと思います。
散歩にも行かず(もう十分すぎるほど歩きましたから)、ただ寝ていました。
目覚めると、10時でした。
さっちゃんは僕の横ですやすやと寝息を立てています。
今日木曜日の日和田中止のメールを慌てて送りました。
パン屋さんで買ったコロッケ3つのうち2つと、前日に酒屋さんでもらったトウモロコシをレンチンして1本食べました。
その後、PCチェックしたり、食器を洗ったりして、やっぱり寝付いたのは1時半ころ。

本当にさっちゃんと一緒に病院へ行くと疲れます。
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