さっちゃん 空を飛ぶ

認知症で要介護5の妻との楽しい日常を 日記に書き留めたいと思います

さっちゃんは言語リハビリの最初の30分間延々と喋り続けました

2020-03-18 23:50:21 | 言語リハビリ
水曜日は言語リハビリの日です。
さっちゃんの朝の様子は普段とさほど変わりありませんでした。
飲むべき薬の3種類しか飲んでくれませんでした。
1種類は口を開けてくれず、飲んだうちの1種類は半分吐き出してしまいました。
多忙な朝に歯磨きまで要求するのはまず無理なんですが、口を漱ぐのまでも拒否されてしまいました。
この程度ですから、普段の朝とさほど変わりありませんね。

いつも乗っている1本早めの電車にも乗れそうでした。
駅には3分ほど前に到着できました。
でも、さっちゃんに念のために「おしっこする?」と聞いてみると、「うん」のような返事。
僕も今さらこの程度のことでは苛立ったりすることはありません。
気持ちをすぐに切り替えて、20分あとの電車に乗って病院へと向かいました。

言語リハビリが始まると、さっちゃんはSTの先生に向かって機嫌よく喋り始めるではありませんか。
先生が桜の開花の話題を振りましたから、桜だとか花見だとかいろんな綺麗なお花の話題を喋ってるんでしょうね。
5分10分経過して、先生はさっちゃんがまだお花の話題を喋ってるんだろうなと思われているようでした。
でも僕は、さっちゃんのいま喋ってる話題はお花からはとっくに離れているものと思ってましたよ。
何を喋っているのか、まったくの意味不明ですから誰にも分るわけはありませんけれどね。

さっちゃんがあまりにも楽しそうに喋り続けているものですから、先生も無碍には出来ないようですね。
それでも、さっちゃんの言葉が止まる瞬間を狙って先生の予定しているメニューに引き込もうとするのですが、その隙間がありません。
猫の写真とかをさっちゃんの目の前に置いたりしますが、「ねこ」とまでは言ってくれるさっちゃんは自分の喋るペースを緩めません。

とうとう30分間休みなく喋り続けたさっちゃんを止めたのは第九の合唱でした。
先生がなかば強引に映像を流し、そちらに関心を向けさせたのです。
僕もさっちゃんの後ろに立って、肩に置いた手でリズムを取ったりして、先生に協力しました。
さっちゃんはと言うと、第九の映像にはいつものような関心はほとんど示さなかったんですが、喋りの勢いは弱まりましたね。

その後、「春が来た」の唱歌を歌ったりして、通常メニューを少しこなすことが出来ました。
60分間の言語リハビリが終了。
まあ、僕が知っている範囲ではあれほどまでに楽しそうに喋り続ける相手は、他にはケアマネさんくらいでしょうか。
通常メニューがこなせなくても、意味があるように感じますね。

帰途、僕はひとつのミスを犯しました。
そのミスとは、さっちゃんに「おしっこする?」と聞かなかったこと。
最寄駅から家への途中で、まだ聞いてなかったことを思い出したんです。
その近くの公園の多機能トイレへ連れて行こうとも考えたのですが、結局聞きませんでした。
もう少しで家だし、さっちゃんにそんな素振りが微塵も見えなかったからです。
家に近づきながら、もしさっちゃんが急におしっこを訴えたら、どこでさせようかとか考えながら歩いていました。

でも、何事もなく帰宅。
玄関の鍵を開け、僕が先に家の中へ。
いつもなら続いてすぐに入って来るさっちゃんの姿が現れません。
どうしてるんだろう? と玄関の外に出てみると、さっちゃんがズボンとか下ろしてパンツだけになっています!
アララララ! 僕は急いでさっちゃんの腕を引っ張って、靴を脱がせて、トイレへ。
でも、時すでに遅し、漏らしちゃってました。
その後はすぐにシャワー、そして着替えます。

前述したように、これは僕のミスですね。
さっちゃんには申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

いつも通り、駅のそばのお店でお弁当ひとつとお惣菜1種類を買ったので、それをお昼にしました。
ただでさえ、僕よりも少なく分けているのに、半分ほど残してしまいます。

昼食後のこと。
僕が録画した朝ドラを観ていると、さっちゃんはそんなことにお構いなく僕に話しかけて来ます。
僕が無視してテレビを見続けていると、さっちゃんは怒ったように僕に話しかけて来ます。
僕が適当に返事しながらテレビを観ていると、またまたさっちゃんは僕に話しかけて来ます。
さっちゃんの話し声でテレビがよく聞こえないので音量を大きくしても、さっちゃんは僕に話しかけて来ます。

そのうち諦めたのか、さっちゃんは布団の中へ。
僕はPCチェック。
その後、疲れた僕はさっちゃんの隣りの布団の中へ。
毎回そうなんですが、病院帰りの日は本当に疲れますね。

目覚めると、予想外に時間が経過していました。
ちょうど6時になっていました。
買い物にも行きたかったんですが、行かないことにしました。
どういうわけだかお腹もぜんぜん空いていませんから、夕食を作る気分にもなれません。
「今晩は夕食抜きでもいいか」そんな考えさえ浮かんできました。

次、目覚めたのは7時半ころ。
まあ、何にも食べないというのも何でしょうから、ちょっとは食べることにします。
これから作る気力はまったくないので、冷凍したご飯、インスタント味噌汁、冷凍シュウマイ。
これだけでも、じゅうぶん豪華な感じがしますし、お腹も満たされました。

食べ終わると、さっちゃんはすぐに布団の中へ。
途中、起き出して来ませんでしたから、今晩は歯磨きできず、寝巻きへの着替えも出来ず、です。
おかげで僕は、ゆっくりした夜を過ごせていますけれどね。
コメント
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