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さっちゃん 空を飛ぶ

認知症で要介護5の妻との楽しい日常を 日記に書き留めたいと思います

3ヶ月ぶりに催された失語症グループリハビリの集いは、さっちゃんの静かな “不穏” のため欠席となってしまいました

2020-06-20 23:54:04 | 言語リハビリ
本来ならば一昨日の木曜日に書くべき内容なのですが、木、金と二日とも疲労なのか不調なのか、夜中の時間に起きて書くことが出来ませんでした。
早めの10時ころに布団に入って、30分ほど体を横たえてから起きて書こうと思ったのですが、そのまま寝てしまいました。
二日とも目覚めたのは真夜中、起き出して書く元気はありませんでした。

金曜日の夜は疲労と言うよりは不調だと思います。
原因は明確です。
金曜日は歯医者さんで右奥下の親知らずを抜歯したせいです。
口腔外科のお世話にならずに、無事にわりとあっけなく抜歯が出来たのですが、麻酔が抜けるにつれ当然ながら痛みが襲ってきます。
我慢できないほどでもなかったのですが、無理に我慢することもありませんし、痛み止めの錠剤を飲みました。
昼食は食べる気分ではなく、その後痛み止めを飲んで、痛みが引いている状態で夕食の準備をしました。
夕食後しばらくすると、痛み止めの効果が薄れてきたのか、再びジンジンと痛み始めました。
今日は抜歯の影響はほとんどありませんね。
完調とまでは言えませんが、痛みもさほどなく大丈夫です。

さて木曜日の件ですが、この日は3ヶ月ぶりに開かれることになった失語症グループリハビリの日でした。
デイサービスや病院での言語リハビリの時と違って、朝の早い時間にバタバタと出発準備する必要はありません。
午後1時半からですから、我が家を正午前に出ればいいのです。
普通に起こして、普通にのんびりと朝食を食べて、薬も飲める時に飲んで、歯磨きもチャンスがあればすればいいのです。
着替えたり、髪を梳いて輪ゴムで結んだり、そんなこともさっちゃんの気分次第でどうにでもなります。

ところが、一昨日の木曜日はどういうわけかすべてに上手くいきません。
起きるには起きるのですが、どこか嫌々な感じが付き纏います。
仏頂面な顔つきのまま椅子に座ってるのに加えて、目の前に置かれた朝食をチラッと見ることすらしません。
さっちゃんは甘酒が好きなようで、最近は朝も甘酒に牛乳も加えたものを飲んでもらっています。
普段ならよく飲んでくれる甘酒牛乳すら口を付けようとしません。
おかずをフォークで口元に近づけたり、甘酒牛乳のコップを手に持たせて飲むように仕向けますが、無駄に終わるばかり。

機嫌が悪いというほどには見えませんし、そんなに怒ったり苛ついていたりもしていません。
どうして何もしてくれないのか分からないのです。
さっちゃん、静かに “不穏” なんです。

トイレに連れて行っても、中まで入ってくれません。
トイレの内側から僕が手を引こうとすると、振り払います。
出かける前に一度おしっこをしておいてくれると、実に安心なんですけどね。

朝食を食べなくても、薬を飲まなくても、歯磨きをしなくても(する方が珍しいですが)、おしっこをしなくても、髪を梳かなくても、家を出ることは出来ます。
でも、着替えをしてくれないと、これはちょっと難しいでしょうね。
それにこの “不穏” な雰囲気。
もし一緒に家を出ても、一緒に歩いてくれるでしょうか? 一緒に電車に乗ってくれるでしょうか?

僕は担当者の方に今の状況を説明し、この日の集いに欠席するとメールしました。
とても残念です。

このさっちゃんの “不穏” ですが、木曜日一日中続きました。
怒りや激しい反抗などがあるわけではなく、実に静かな “不穏”なんですが、“不穏” には変わりありません。
さっちゃんが僕が言うことを何にも聞いてくれないので、僕だってさっちゃんのことを冷たく無視しちゃいます。
とは言え、無視できないこと、ほったらかしには出来ないことも多々ありますよね。
トイレに行ったら介助は必須ですし、水分を摂ってもらったり、食事をしたり、食事中の介助もありますし、
スリッパ、タオルケット、枕カバー、今日の新聞、ティッシュの箱、さっちゃんが変な場所に置くたびに戻しておかねばなりません。
結局やることは普段とさほど変わりはないのですが、さっちゃんとは冷戦状態のようなものなので、ツンツンした感じでの対応になるのです。

こんな状態がずうっと一日中続いたので、本当に疲れ切ってしまったんでしょう。
さっちゃんがこんなに長く同じような気分が続くことも珍しいことです。
普段なら時間が経過すれば普段の平穏なさっちゃんに戻るんですけどね。
平穏が長く続くんなら大歓迎なんですが、“不穏” が長く続くなんて最悪ですよね。
翌朝は普通のさっちゃんでした。
ホッとします。
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再開後2度目の言語リハビリは何も出来はしませんでしたが、進展はあったと思います

2020-06-17 23:53:41 | 言語リハビリ
今日は言語リハビリの日。
金曜日のデイサービスのときと同じくらいの時間には家を出たいのです。
でも、今朝は朝から静かに不穏な感じでした。

着替えはほぼ順調だったのですが、最後のズボンやら髪を結んだりするところで嫌がります。
昨晩幸運なことに外させてくれた入れ歯なんですが、今朝は口の中に戻すことを拒否。
入れ歯なしでは朝食は食べ辛いのですが、それでも食べたり飲んだりしてくれれば有難いです。
しかし、今朝はまったく口を付けません。
とくに水分は摂って欲しいので、甘酒+牛乳の入ったコップをさっちゃんの口元に近づけるのですが、飲もうとしません。

刻々と出発時刻は近づいてきます。
今日は病院へ行くのは無理だろうか? と思い始めてもいました。
それでも、出来るところから準備を進めて行きました。
ダイニングのテーブルに座ったままで、髪を梳いてあげ輪ゴムで結びました。
さっちゃんが椅子に座ったままで、靴下を穿かせ、ズボンを穿かせました。

あとは入れ歯です。
入れ歯を入れていないと、本当に歯抜け婆さんのような顔つきになってしまいますから、入れて欲しいんです。
朝食の準備が終わる直前に入れ歯を口中に戻すのを拒否されてから、時間もたっています。
椅子に座っているさっちゃんの元へ、入れ歯を持って来て、「あ~~んと口開けて」と言ってみます。
僅かに口を動かしてくれるのですが、開いてはいません。
「もっと大きく開けてくれなくちゃ」と唇を軽くつつくと、ほんの少し開けてくれました。
僕はそこを見逃さず、入れ歯を口に差し込もうとしました。
さっちゃんは手で入れ歯を掴んで出そうとします。
僕はさっちゃんの手が入れ歯を掴もうとするのを阻止し、さらに差し込もうとします。
ほんの数秒の攻防ですね。
スポンと入れ歯は収まる場所に収まりました。

そんなこんなで予定していた電車の1本後、20分ほど後の電車に乗って、予約時刻の10分ほど前に病院到着。
担当のT田先生の格好はと言えば、透明プラスチックのゴーグル、マスク、ビニール手袋、薄いビニールのピンク色のエプロン、なんですが見慣れた感がありますね。
T田先生とさっちゃんの間にはやっぱり透明な板(アクリル板?)があって、刑務所の面会室のよう。

僕はさっちゃんが今日も「帰る」と言い出して、先週のように収拾が付かなくなるんじゃないかと危ぶんでいました。
ところが予期に反して、さっちゃんは静かです。
小さな声で何やら喋り続けています。

先生はカレンダーを見せながら、今日の日を示し、さらにカレンダーを使って数字を声を出して読んでもらおうとします。
「いち、に、さん、し、・・・・」と言えばいいのでしょうが、さっちゃんの意識はカレンダーにはないみたいです。
やはり、小さな声で何やら喋り続けています。

先生はメトロノームを取り出して、リズムを付けて発声してもらおうとしたようですが、まったく効果なし。
さっちゃんはメトロノームには見向きもせず、小さな声で何やら喋り続けています。

今度は先生は、両手をグー、パーと閉じたり開いたりして、さっちゃんに真似することを促します。
僕がさっちゃんの両手に手を添えてグー、パーをさせようとしますけれど、さっちゃんの両手の指は動きません。

を唄うことにしました。
「富士の山」です。
「あたまを くもの うえにだし しほうのやまを みおろして ~~~~」
先生と僕が声を出して歌います。
すると、ちょっとですが、さっちゃんも小さな小さな声を出して一緒に歌いました。
音も流して皆で歌いましたが、さっちゃんはあまり声を出さなかったような・・・・

それに気を良くしたのか、先生は絵と名前のカードをさっちゃんに読んでもらおうとしました。
でも、さっちゃんはカードには見向きもしません。
やっぱり何かを喋り続けます。
でも、最初のころよりは声が大きくなってきていましたね。
内容は分かりませんが、印象としては悲しみ、残念、不満などの負の感情を切々と喋り続けているように感じます。

最後にハチドリのゲームをしました。
発声の高低と継続でハチドリが幾つかの花に到着し蜜を吸うというゲーム。
でも、さっちゃんは完全に無関心、取り付く島もありませんでした。

今日はこれで終了です。
1時間が経過していました。
先週は30分で終了せざるを得ませんでしたから、1時間もっただけでも嬉しいことです。
先生が出した課題、どれもこれもさっちゃんはスルーしてしまいましたけれど、先生のことを受け入れてはいたようです。
喋っていることも少しの部分は先生に向けて喋っているのかもしれません。
その証拠と感じられる出来事が別れの際にありました。
来週の予約などの手続きが終わると、さっちゃんと僕は部屋で片付けなどしている先生のところへ行って挨拶してから帰ることにしています。
今日のその時、さっちゃんはT田先生の両手にちょっとですが触れて、親愛の情を示したのです。
その時の喋りの口調もそんな感じがしていましたね。

今日も僕はとっても疲れました。
帰宅して、お昼を食べると、しばらくして僕は布団の中へ。
いつの間にかぐっすりと寝てしまい、目が覚めると5時過ぎ。
さらに小1時間は布団から出ることも出来ずに、横になっていました。
6時過ぎ、涼しい風の吹く中、いつもの多摩川土手を散歩。
帰ってから、お味噌汁を作って、おかずは駅前の総菜屋さんで買った肉団子でしたが、さっちゃんはまったく食べず。
すぐに寝てしまいました。

その後も、珍しく1回ほどしか起き出して来ませんでした。
散歩の40分は涼しい中でしたが、病院通いは暑い中トータルで1時間半は歩きました。
さっちゃんも疲れたんでしょうね。
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2ヶ月ぶりの言語リハビリは散々な状態でした。不穏! 不穏! 不穏!

2020-06-12 23:32:06 | 言語リハビリ
僕の体調が良くなかったものですから、水曜日の言語リハビリの報告が今になってしまいました。

2ヶ月ちょっとぶりに言語リハビリが再開されました。
この水曜日には言語リハビリの前にリハビリテーション科の医師の診断も入っていました。
この医師の先生とリハビリのST(言語聴覚士)の先生でさっちゃんのリハビリ方針を決めているのだと思います。
医師の先生からはさっちゃんの最近の様子の聞き取りが大部分です。
さっちゃんは何も理解できず、質問にも当然答えられませんから、先生の質問すべてに答えるのは僕ということになります。
さっちゃんに向けられた問いは腕が上がるかどうか? と、最後に自力で椅子から立ち上がれるかどうかの2点だけでした。
腕は僕が持ち上げてあげましたが、自分で上げる気はないわけですから、シャキッと真っすぐは上がりっこないですよね。
最後の自力で椅子から立ち上がることは、まだまださっちゃんには簡単に出来ます。

そこまでは良かったんですが、問題はその後の言語リハビリ。
久し振りですし、今日は上手くメニューをこなせられるわけがない、とは最初から予想していました。
でも、こんな展開になるとは・・・・

まず「こんにちは」と近づいて来たSTのT田先生に、さっちゃん何の反応も示しません。
顔がすぐ近くに寄って来ているのに、そちらを見もしませんし、そこに顔があることを認識している風にも見えません。
やっと顔を見ても無表情なまま、T田先生のことは忘れてしまっているようですね。
忘れていることは予想通りですが、僕自身も驚いたことがあります。
それは先生の姿、マスクは当然として、手袋、フェイスシールド、そしてビニール製でしょうか、透明なエプロンのようなものをまとっています。
さらにリハビリを行う部屋に入ると、先生とさっちゃんが向き合って座るテーブルの中央に透明な板がありました。
その板には下部に高さ10センチ、幅40センチほどの穴が開けてあって、そこを使用するカードや器具が通ることになるのです。
僕はよくテレビドラマで見る刑務所の面接室を思い出してしまいました。
さっちゃんの気持ちはどうだか分かりませんが、先生の姿やテーブルの道具立てに違和感を抱いたことは十分にありうると思いますね。

と言う訳で、さっちゃんは最初から抵抗する感じ満々でした。
テーブルの椅子に座って、先生から僕がさっちゃんの近況をあれこれ聞かれている最中に「帰る」と言い始める始末。
最初は何度も制止して椅子にとどまらせることが出来ましたけれど、途中からは椅子から離れるのを制止するので精一杯。
この日は先生がさっちゃんとの会話(?)を録音していたのですが、そのレコーダーを掴んで壊しちゃいました。
(本当に壊したのか、どこか蓋が開いてしまっただけなのか、確認は出来ませんでしたが)

何度も何度も立ち上がろうとするさっちゃんを椅子に座らせ続けましたが、いつまでもそんなことは出来ません。
帰りたい気持ちが強まって、押しとどめようとする僕の頭を手の平でポンと叩いたりもします。
「しばらく歩いて来ると落ち着くかもしれません」と先生に話して、部屋を出て歩くことにしました。
部屋から出ても、さっちゃんは僕の手も振り払おうとしながら、大きな声で何やら叫びまくります。
他のリハビリをしている方々や待合室で待っている方々も驚いて視線を向けます。
リハビリの大きな部屋から出て、病院の廊下をさっちゃんに引きずられるように先生と僕が一緒に歩きます。
さっちゃんは帰ろうとしても帰り道は分かりません。
でも、病院内をどこでも歩き回っていいものでもありません。
結局、数十メートルほど先から再びリハビリの部屋に戻って来ました。
(実際はこんなことを2回繰り返しました)
先生は今は使用していない(窓がなく換気が出来ないため)防音措置が取られている部屋に「入ろうか?」とさっちゃんを誘ってくれるんですが、
さっちゃんはそんなことは一切聞かずに、待合室の椅子に座ってしまいました。

とりあえず、ここで今日のリハビリは終了。
30分の時間が経過していました。
来週の予約を入れたりと、必要な手続きをします。
二人のザックは先生が持って来てくださいました。
手続きは終了しましたが、さっちゃんはまだ手を触れると爆発しそうなピリピリムード。
椅子にじっと座り続けているさっちゃんを僕はしばらく少し離れた位置から眺めていました。
時間の経過でさっちゃんの気分が少しでも変化するのを期待したのです。

何分ほど待ったのでしょうか?
そろそろいいかな? と、さっちゃんに「帰ろうか?」と手を掴むと、まだ手を振り払おうとします。
でも、先ほどまでの強さは失なわれています。
さっちゃんは立ち上がって、僕と一緒に階下の会計へと向かいました。
会計の待合室の椅子に座ってもらうのですが、僕が窓口へ行っている間にどこかへ行ってしまうのではと心配していました。
でも、じっと座って待っていてくれました。

病院内でも、病院を出て駅へと歩く途中でも、さっちゃんは僕と手をつなぐのを拒否することが多かったですね。
でも、だんだんと拒否する感情も弱まって来たんでしょうか? 駅近くではずっと手をつないでくれました。
駅のホームでもまだ少し拒絶感が残っていましたが、電車の中くらいからは普段のさっちゃんに戻っていたように思います。

この水曜日はさっちゃんにとって良くない意味の刺激が多く重なり過ぎたのでしょう。
2ヶ月以上電車にも乗っていませんでしたし、大きな病院へも行っていませんでした。
暑い中、駅まで歩き、suicaをタッチして改札口を通過し、知らない人のたくさんいるホームに降りる。
そんな何でもない普通のことでも、恐らくさっちゃんにとっては心を疲労させるマイナスの刺激だったんでしょうね。
病院という場所は普通の人間にとっても好きな場所ではありませんしね。
ただの付き添いですが、僕自身も病院へ行くとすごく疲れます。
病院の中でさっちゃんがどれほど嫌な気分になったかは想像が出来ませんね。

もちろん以前の慣れが失われていたからでもあるでしょうが、今回の結果は致し方なかったと思います。
それにしても、見事なまでに不穏! 不穏! 不穏! でしたね。
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朝はちょっと諦め、病院ではちょっと呆れて、夕方はぽっぽっと心が温かくなりました

2020-03-25 23:21:10 | 言語リハビリ
今日水曜日は言語リハビリの日。
僕はいつも通りに起床して、朝食を作ります。
朝食を作ってる最中にさっちゃんに起きられても、さっちゃんの予期できない行動に対応しなければなりませんから、
もし何の用事(ほとんどはトイレ)もなしに起きてきても、布団の中に戻ってもらうことにしています。

朝食がほぼ出来上がるころ、僕はさっちゃんを起こしに行きました。
普段なら布団を外し、毛布を外し、タオルケットを外すと、さっちゃんはすぐに起きて来ます。
でも、今朝は違いました。
起き上がらないどころか、まだ寝ようとします。
毛布をかぶります。
僕はその毛布を剥がしますが、さっちゃんは眠たそう、起きる気配はありません。
僕はさっちゃんを起こすことを諦めました。

テーブルの上に二人の朝食を並べました。
もう一度だけ、さっちゃんを起こそうとします。
やはり無理ですね。
僕だけで朝食を食べ、さっちゃんの分にはラップをかけて冷蔵庫に仕舞いました。

今日はプラスチックごみと資源ごみの日、プラスチックとガラス瓶を出しに行きました。
言語リハビリ担当のT田先生に今日は行けない旨を電話連絡しておかなければなりません。
そんなことを考えながら、ごみを出して、部屋に戻ってくると、しばらくしてさっちゃんが起きて来ました。
「どこに行くの?」
とか聞きます。
何となくどこかへ出かけるんだということは伝わっていたようですね。
「T田先生の所へ行くんだよ。朝ご飯食べな」と、冷蔵庫のおかずとパンを出しました。
でも、さっちゃんは食べそうにありません。
小さなヨーグルトパックの蓋を剥がし、スプーンを入れて、さっちゃんの目の前に置きました。
これは食べてくれました。

一時は今日のリハビリは諦めてしまいましたけれど、何とか出発することが出来ました。
いつも乗っている電車の20分後の次の電車に乗ることが出来ました。
これだと予約時間の10分前に病院到着し、いろんなことをする余裕はありません。

今日もさっちゃんはよく喋り続けていました。
楽しそうないい表情で、先生が割り込む隙がないような喋りを続けました。
でも、先生も慣れてきて、こんなさっちゃんへの対抗措置を考えて来たようですね。
まあ、対抗措置と言ってもさっちゃんの喋りにかまわず強引に割り込むだけなんですけどね。
もちろん、いくら強引と言っても、さっちゃんの喋りが一段落した瞬間、それを何となく察知して先生が語りかけるわけですけどね。

そんな感じで、まずは絵と名札のリハビリ訓練を続けました。
この訓練の合間にもさっちゃんはずうっと喋り続けています。
そのさっちゃんの喋ってる内容が、デスクの上にある「絵」と関係あることを喋ってるのかはまったく不明。
先生は好意的に受け取っておられるように感じましたけれど、僕は違います。
おそらくさっちゃんはその絵とは全然違うこと、しかも話の内容もどんどん別の話しに変わって行ってるんだと思いますね。
ところが、さっちゃんの意識は時々テーブル上の絵にも向かうようで、
喋りの中でごくごくたまになんですが、その絵の「カメラ」とか「くつ」とかに受け止められる単語が混ざることがあるんです。
先生は嬉しそうに「そう、カメラだね」などと対応します。
さっちゃんが終始楽しそうな表情なので、これはこれでいいのかな、と思いますね。

先生にはさっちゃんが自分から「バラが咲いた」を口ずさんだことを以前報告したんですが、
先生はその歌を一緒に歌おうとさっちゃんに言ってくれました。
最初はアカペラで、さっちゃんは「ラララ~~」と小声を出す程度。
メロディーもちょっと外れているような感じでしたね。
「バラが咲いた バラが咲いた 真っ赤なバラが 淋しかった僕の庭にバラが咲いた バラよバラ ~~~~」
歌詞も後半や2番からはよく知りませんし、メロディーもちょっと複雑になりますよね。
次に二人の女性が唄っている映像を流しました。
これには歌詞の文字も入っていたのですが、曲のスピードが速い!
最後にマイク真木自身が唄っている映像、ゆっくり歌っているのはいいのですが、
「バラが死んだ」だったか「バラが枯れた」だったか、そんな2番だったか3番だったかには驚きました。
(調べてみると、2番で「バラが散った」なんですね)

最後にいつもやってるPCの「ハチドリが声の高低と継続時間で花の蜜を吸う」というゲーム。
さっちゃんはもう声を出すことには疲れたのか、声をまったく発せず。
以上で、今日の言語リハビリは終了しました。
まあ、最後の方はさっちゃんちょっとお疲れ気味な感じでしたけれど、だいたい終始楽しそうだったので良かったと思います。

家への帰路は、いろいろ咲いている花を見ながら帰りました。
最寄り駅では朝食用のパンを買い、いつものようにお弁当ひとつとお惣菜100gを買って、お昼ご飯を食べました。
さっちゃんには食べなかった朝食も出しました。
パンは食べましたが、朝のおかずは半分くらい、残ったのは僕がペロリ。

不思議なことにいつもは疲れきってしまう病院帰りの日なのに、あまり疲労感がありませんでした。
さっちゃんとスーパーに買い物に行き、夕食を作るまでのひととき、僕は布団で少しだけ体を休めようと思いました。
直後にさっちゃんも嬉しそうに布団の中へ入って来ました。
さっちゃんが僕の背中側から僕を抱くような感じで添い寝してくれます。
僕はさっちゃんの右手を僕の胸の前でそっと掴みます。
その間、さっちゃんは歌ともつかず、喋りともつかない、そんな不思議な言葉を僕の背中で発し続けるのです。
僕の気持ち、感じ方ではそれはですね。
楽しそうで、おちゃめで、笑いも誘うような、そんな歌。
ついつい、僕も笑いが込み上げて来ます。
不思議な感覚でした。
言葉の意味はいつものようにまったく分かりません。
いわゆる言葉にはなっていないからです。
でも、気持ちと言うか、雰囲気は伝わって来るんですね。
さっちゃんのそんな歌とも言えないような音声の羅列が二人のこの瞬間の空間を幸福感で満たしてくれていました。
笑いに溢れていました。
こんな経験は初めてのこと、今日が最後なのかもしれません。
それほど不思議で嬉しい体験でした。
さっちゃん、有難う!
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さっちゃんは言語リハビリの最初の30分間延々と喋り続けました

2020-03-18 23:50:21 | 言語リハビリ
水曜日は言語リハビリの日です。
さっちゃんの朝の様子は普段とさほど変わりありませんでした。
飲むべき薬の3種類しか飲んでくれませんでした。
1種類は口を開けてくれず、飲んだうちの1種類は半分吐き出してしまいました。
多忙な朝に歯磨きまで要求するのはまず無理なんですが、口を漱ぐのまでも拒否されてしまいました。
この程度ですから、普段の朝とさほど変わりありませんね。

いつも乗っている1本早めの電車にも乗れそうでした。
駅には3分ほど前に到着できました。
でも、さっちゃんに念のために「おしっこする?」と聞いてみると、「うん」のような返事。
僕も今さらこの程度のことでは苛立ったりすることはありません。
気持ちをすぐに切り替えて、20分あとの電車に乗って病院へと向かいました。

言語リハビリが始まると、さっちゃんはSTの先生に向かって機嫌よく喋り始めるではありませんか。
先生が桜の開花の話題を振りましたから、桜だとか花見だとかいろんな綺麗なお花の話題を喋ってるんでしょうね。
5分10分経過して、先生はさっちゃんがまだお花の話題を喋ってるんだろうなと思われているようでした。
でも僕は、さっちゃんのいま喋ってる話題はお花からはとっくに離れているものと思ってましたよ。
何を喋っているのか、まったくの意味不明ですから誰にも分るわけはありませんけれどね。

さっちゃんがあまりにも楽しそうに喋り続けているものですから、先生も無碍には出来ないようですね。
それでも、さっちゃんの言葉が止まる瞬間を狙って先生の予定しているメニューに引き込もうとするのですが、その隙間がありません。
猫の写真とかをさっちゃんの目の前に置いたりしますが、「ねこ」とまでは言ってくれるさっちゃんは自分の喋るペースを緩めません。

とうとう30分間休みなく喋り続けたさっちゃんを止めたのは第九の合唱でした。
先生がなかば強引に映像を流し、そちらに関心を向けさせたのです。
僕もさっちゃんの後ろに立って、肩に置いた手でリズムを取ったりして、先生に協力しました。
さっちゃんはと言うと、第九の映像にはいつものような関心はほとんど示さなかったんですが、喋りの勢いは弱まりましたね。

その後、「春が来た」の唱歌を歌ったりして、通常メニューを少しこなすことが出来ました。
60分間の言語リハビリが終了。
まあ、僕が知っている範囲ではあれほどまでに楽しそうに喋り続ける相手は、他にはケアマネさんくらいでしょうか。
通常メニューがこなせなくても、意味があるように感じますね。

帰途、僕はひとつのミスを犯しました。
そのミスとは、さっちゃんに「おしっこする?」と聞かなかったこと。
最寄駅から家への途中で、まだ聞いてなかったことを思い出したんです。
その近くの公園の多機能トイレへ連れて行こうとも考えたのですが、結局聞きませんでした。
もう少しで家だし、さっちゃんにそんな素振りが微塵も見えなかったからです。
家に近づきながら、もしさっちゃんが急におしっこを訴えたら、どこでさせようかとか考えながら歩いていました。

でも、何事もなく帰宅。
玄関の鍵を開け、僕が先に家の中へ。
いつもなら続いてすぐに入って来るさっちゃんの姿が現れません。
どうしてるんだろう? と玄関の外に出てみると、さっちゃんがズボンとか下ろしてパンツだけになっています!
アララララ! 僕は急いでさっちゃんの腕を引っ張って、靴を脱がせて、トイレへ。
でも、時すでに遅し、漏らしちゃってました。
その後はすぐにシャワー、そして着替えます。

前述したように、これは僕のミスですね。
さっちゃんには申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

いつも通り、駅のそばのお店でお弁当ひとつとお惣菜1種類を買ったので、それをお昼にしました。
ただでさえ、僕よりも少なく分けているのに、半分ほど残してしまいます。

昼食後のこと。
僕が録画した朝ドラを観ていると、さっちゃんはそんなことにお構いなく僕に話しかけて来ます。
僕が無視してテレビを見続けていると、さっちゃんは怒ったように僕に話しかけて来ます。
僕が適当に返事しながらテレビを観ていると、またまたさっちゃんは僕に話しかけて来ます。
さっちゃんの話し声でテレビがよく聞こえないので音量を大きくしても、さっちゃんは僕に話しかけて来ます。

そのうち諦めたのか、さっちゃんは布団の中へ。
僕はPCチェック。
その後、疲れた僕はさっちゃんの隣りの布団の中へ。
毎回そうなんですが、病院帰りの日は本当に疲れますね。

目覚めると、予想外に時間が経過していました。
ちょうど6時になっていました。
買い物にも行きたかったんですが、行かないことにしました。
どういうわけだかお腹もぜんぜん空いていませんから、夕食を作る気分にもなれません。
「今晩は夕食抜きでもいいか」そんな考えさえ浮かんできました。

次、目覚めたのは7時半ころ。
まあ、何にも食べないというのも何でしょうから、ちょっとは食べることにします。
これから作る気力はまったくないので、冷凍したご飯、インスタント味噌汁、冷凍シュウマイ。
これだけでも、じゅうぶん豪華な感じがしますし、お腹も満たされました。

食べ終わると、さっちゃんはすぐに布団の中へ。
途中、起き出して来ませんでしたから、今晩は歯磨きできず、寝巻きへの着替えも出来ず、です。
おかげで僕は、ゆっくりした夜を過ごせていますけれどね。
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ここのところ順調に言語リハビリのメニューがこなせています

2020-02-26 23:37:22 | 言語リハビリ
11月下旬あたりから続いていた言語リハビリの不調。
一時期は「この場に来ることだけに意義がある」程度にしか思えなくなったこともありました。
でも、2月に入ってからは次第に順調にリハビリの時間を過ごせるようになってきました。

そして今日、昨年の11月まで行っていた通常のメニューが復活し、さっちゃんはそれを行うことが出来ました。
どんなメニューだったかと言うと、絵のカードと名札を使ったメニュー。
例えば、「山」の絵と名札、そして「風船」の絵と名札を使います。
2枚の絵を並べ、それぞれ「やま」、「ふうせん」と声を出してもらいます。
それぞれの絵の下に「やま」「ふうせん」とひらがなで書いた名札を読んでもらってから置きます。
絵と名札を両方見せて読んでもらうんですが、最終的には絵だけ見せて読んでもらうんです。
でも、さっちゃんは絵だけ見せても「やま」とかと言うまでは出来ません。
絵とその読み(名前)がなかなか結び付かないようなんですね。

そんなメニュー、2枚ずつの絵(と名札)を数組使ったものなんですが、3ヶ月ぶりに行うことが出来ました。
1月には少し違ったパターンの絵と名札のメニューもしましたけれど、今日は完全に以前のメニューでした。
嬉しかったですね!

水曜日のお昼ご飯はいつも最寄り駅のそばの総菜屋さんでお弁当ひとつとおかずを1種類100gだけ買ってふたりで食べます。
食後しばらくすると、僕は布団で横になりたくなりました。
病院帰りの日は何故だかとても疲れるとは以前にも書きましたが、
それに加えて月曜日はさっちゃんとハイキング、火曜日は一人で岩トレですからね。
さっちゃんもすぐに僕の隣りにもぐり込んで来ますが、目覚めたのは5時過ぎでした。
どうしても買っておかなければならない食料品もありましたから、暗い中スーパーまで買い物へ。
買い物後から夕食を作るのも遅くなりますから、お寿司とおかずを買って、それで夕食としました。

言語リハビリでも嬉しいことがありましたし、家での生活も今日は一日穏やかに過ごせましたから、
今このブログを書いていても心中にストレスがありませんね。
明日は何の予定もありません。
目覚ましをかけずに、自然な目覚めにまかせられる朝なんです。
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前回、2ヶ月ぶりに出来た言語リハビリでしたが、今日はまったく出来ませんでした

2020-01-22 23:36:23 | 言語リハビリ
水曜日は言語リハビリの日。
先週、すごく順調に良いリハビリが行えたので、今日も期待していたのですが、物事はそんなにうまくは運びませんね。
家を出るころのさっちゃんの様子は普通だったでしょうか?
どちらかと言うと、今日の曇天に影響されたか、気分的には快晴という訳にはいかなかったようです。
病院が近づくにつれ、何となくさっちゃんの気分も沈んでいくような感じがし始めていました。
待合室でも何となく不機嫌な様子が少しずつはっきりしてきて、僕に対する文句の言葉も増え、かつ声も大きくなって来ました。
待っている間に血圧を毎回計るのですが、血圧計に腕を入れることを拒否。

STの先生が来てリハビリが始まりましたけれど、さっちゃんが喋り続けます。
先生の方を向いて椅子に座って欲しいのですが、横を向いて座ったまま。
先生がお願いしてもダメですし、僕がさっちゃんの足や肩を持って横を向かそうとすると、怒ってしまいます。
だいぶん経って、先生の方を向いて座り直してくれましたけれど、さっちゃんは何やら暗い雰囲気で喋り続けています。
気分を変えようと、先生は「歌を唄いましょう」と、「富士の山」を流して歌いました。
でも、さっちゃんは何の反応もしません。

さっちゃんは喋りながら僕への文句を言ってるようです。
時々、僕を指差したり、僕に「こいつが・・・・」と言ったりしながら喋り続けます。
そのうち、デスクに突っ伏したり、涙までは流していませんでしたけれど、喋りの内容が泣きごとになったりしました。

喋りの言葉の中に、はっきりと「私は帰る」と分かる言葉が何度も入って来ます。
とうとう椅子から立ち上がってドアを開けて外に出てしまいました。
無理やり押しとどめても、反発を喰らうだけですから、僕も先生も後を追うだけ。
さっちゃんは出口が分からずに、トレーニングルームの端っこまで行って立ち止まり、そこで先生と話しています。
僕が首を突っ込むと、さっちゃんの反発を煽りそうですから、僕は少し離れたところで見ていました。
先生が言語リハビリの部屋(完全防音になってるんです)にさっちゃんを連れ戻すと、
今は僕が同席しない方がいいだろうと一致した思いから、僕は外で待つことになりました。

何分くらい経ったのでしょうか? 先生が出て来られて、
「落ち着いたようなんですが、帰りたいという気持ちは変わらないみたいなので、今日はここまでにしましょう」と。
今日の言語リハビリは30分ほどで終了しました。

その後も、病院内で脱いでいたジャンパーを着てくれなかったり、飲み物を飲んでくれなかったり、手をつながせてくれなかったり・・・・
ジャンパーも着せてあげ、手も病院の外に出ると、つながせてくれましたけれど、さっちゃんはぶすっとしたまま。

地元の駅に戻って来ても、ぶすっと無口なのは変わりませんでしたけれど、下りのエスカレーターで突然尿意を訴え始めました。
すぐ近くの多機能トイレに駆け込みましたが、入った途端に「あ、出た」。
僕は急いで脱がせて座らせましたが、パンツはすでに濡れていました。
トレペでパンツを上下から挟んで二度三度おしっこを吸い取ります。
ズボン下はもちろん、ズボンも少し湿ってしまっていました。

水曜日のお昼はいつも駅前の総菜屋さんで弁当1個と惣菜少しだけ買って、二人で分けて食べます。
総菜屋さんから帰るころからはいつものさっちゃんにだんだん戻って来ているようでした。
家へ戻ると、昨日同様すぐにシャワー、パンツ、ズボン下、ズボンは洗濯カゴの中へ。
そして、昼食。

昼食後はさっちゃん眠たそうでした。
布団の中に入れたのですが、すぐに出て来てしまいます。
いつも同様なんですが、僕に一緒に布団の中に入るよう求めるんです。
僕も疲れていましたから、ちょっと布団の中で体を休めることにしました。
それが1時半くらいだったでしょうか?
僕は眠りに落ちてしまい、目が覚めたのは5時過ぎでした。

僕は起きて、テレビを点けて相撲を観ようとすると、さっちゃんも起きて来て僕の横に立ちます。
僕が台所へ行こうとすると、「どこへ行くの?」と聞きます。
「台所だよ」と答えて、台所へ向かうと、さっちゃんも台所まで付いて来て、僕の横に立ちます。

言語リハビリについても、僕なりにいろいろと考えることはあります。
そのひとつがさっちゃんにとっての僕の存在なんですが、リハビリ中に僕が居ない方がいいのかもしれないなあと、思ったりもします。
何かいい方策がないものでしょうか?
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ほぼ2ヶ月ぶりに言語リハビリの通常メニューをこなすことが出来ました

2020-01-15 23:49:17 | 言語リハビリ
毎週水曜日は言語リハビリ。
11月の後半ころからだったでしょうか? さっちゃんの言語リハビリはまともに行われてきませんでした。
ぜんぜん実施できる様子ではなくてすぐに中止になった日もありましたし、半分少しで中止になった日もありました。
この2ヶ月近くの間、以前から行われてきた通常メニューの絵(写真)のカードを用いたトレーニングが一切出来ませんでした。

さっちゃんの気分は月曜日最悪、火曜日は良好でしたが、水曜日の朝はまあまあといった感じ。
今日もまたトレーニングらしきことが出来ずに、さっちゃんが1時間喋りまくって終了するのかなあ? と不安でした。
喋りまくると言っても、大概は自己嫌悪的内容だったり、僕への文句だったりすることが多いですしね。

この日も、さっちゃんは喋り始めました。
(元来さっちゃんは口数の少ない方でしたから、認知症になってからのこの口数の増え様は驚きですよね)
ところが、今日の喋りの雰囲気は明るい!
笑顔を浮かべながら喋っています!

リハビリの先生もそれを察知したんでしょうか?
おもむろに写真のカードを取り出しました。
「人参」の写真を見せて、「これは何ですか?」とさっちゃんに聞きます。
さっちゃんは分からないのですが、教えてもらって「に・ん・じ・ん」と言います。
この瞬間、2ヶ月ぶりのカードによるトレーニングが成立しました。

続けて写真をさっちゃんに見せます。
「犬」「自転車」「花火」「靴」「線路」
さっちゃんは写真を見てそれが何というのかは言えませんが、教えてもらって発語は出来ました。

続いて、漢字のカード。
順番に「人参」「犬」「自転車」「花火」「靴」「線路」と漢字で書かれたカードが出ます。
驚いたことに、「人参」以外は漢字がしっかり読めたんです!
もちろん、発音があやふやだったりはします。
例えば、「線路」が「て・ん・ろ」だったり、「靴」が「く・つ・つ」だったり。
でも、素晴らしい! 
さっちゃんが答えるたびに、僕は思わず小さく拍手していました。

さらに続いて、今度はひらがなのカード。
「にんじん」「いぬ」「じてんしゃ」「はなび」「くつ」「せんろ」
これはほぼパーフェクト!
もちろん、幼稚園児に同じテストをしてさっちゃんのような読み方をしたら、合格点はもらえないでしょうけれどね。
さっちゃんとしてはパーフェクトです!

最後に6つの写真が全部載ってるA4の紙を見せて、「人参」だけの写真を見てもらい、どれが一緒か指差してもらうんです。
脳の回路のどこが衰えていればそうなるのか分かりませんが、さっちゃんはこれが苦手なんですね。
僕なんかからすると本当に不思議なんですが、さっちゃんはこれが出来ません。
ただひとつだけ、「犬」だけは一発で正解します。
「犬」の写真を見て、「大きいね」とかいろいろと喋ってましたから、犬のイメージは特別なんでしょうね。

カードを使用したリハビリのトレーニングが出来て、僕は本当に嬉しかったです。
これが出来てこそ、STの先生とさっちゃんとの関係が成立するんだと思っていますから。

その後、「ふじのやま」を唄いました。
先生は歌詞の一語一語を明瞭に発語出来るようにしたいようですが、さっちゃんにはなかなか出来ません。
声は出しているのですが、それは「あ・た・ま・を・く・も・の」ではありません。
何やら別の音を出しながら歌ってるんですね。

さらに、久し振りの第九の歓びの歌の映像を観ました。
さっちゃんは口ずさみながら手拍子を打ちながら観ていました。
最終場面では指揮者の大きな身振りにあわせて、さっちゃんも腕を少し大きく振っていました。
終わってから先生に「さっちゃんは第九がいちばん好きなんですね」と聞かれると「そうだ」と答えてました。

最後には音声の高低と声の継続に反応するパソコンゲームで遊んで、何とかゲームオーバーまで辿り着いて終了。
来週からもこんな調子で続けられればいいですね。
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今日の言語リハビリ、最後の方では笑顔も浮かんでいました

2019-12-11 23:43:23 | 言語リハビリ
2回続けて何も出来なかった言語リハビリ。
3回続けてともなると、問題は少し深刻さを増す、そんな状況が予想されます。

今朝の家での、病院に来るまでの、待合室で待っている時の、それぞれの雰囲気や様子はほんのちょっと不安なものがありました。
先々週、先週の様子よりはマシなんですが、決して前向きに評価できるような様子ではありませんでした。

STの先生が来られて、「おはようございます」と挨拶しても、さっちゃんに返答はなく、笑顔もありません。

部屋に入って、先生が再度「おはようございます」と挨拶しても、やっぱり返答はありません。
「お体の調子はどうでしたか?」との問いかけには、何とか「変わりはない」意味の返答を返していましたが。
やっぱり全体的雰囲気が暗い!
そして、先々週、先週のように、さっちゃんは何やら悲観的ムード漂う言葉を長々と喋り始めるんです。
先生もこのムードはヤバイと感じておられるのでしょう。
さっちゃんだってムードに酔うことがあるでしょうから、だんだん自己嫌悪に陥り、
自分は何も出来ない、何をしたって意味はない、今日は何もしない、
そんな負のスパイラルに突入しかねません。

そこで先生、「ちょっと歌を唄ってみましょう!」と明るく提案します。
通常は歌は中盤か後半にやることが多いいんです、最初から唄ったことはありません。
唱歌『富士の山』(あ~たま~をくも~の~う~えに~だ~し)を唄うことになりました。
さっちゃん、ほとんど聞き取れない小さな声ですが、唇が動いています。
一曲唄ったのをきっかけに、さっちゃんの気分が少し前向きになったようです。

いつもしていた絵のカードと名札を使った発声練習、先生はそれでは堅苦しくてさっちゃんの気分が乗らないと考えたんでしょう。
もう少し気楽で遊び感覚的な絵のカードの束を持って来てくれました。
さっちゃんが途中で何やらブツブツ言うと、「そうだよねぇ、じゃあ先生とさっちゃんとで交互に言い合おうね」と持ち掛けます。
さっちゃんもゲーム感覚で楽しく参加してるような雰囲気でした。

最後はふんわりと半球状の造花でのフラワーアレンジメントをさっちゃんの目の前に置いて、いろいろと語りかけます。
本来はそれを用いて様々な手作業が出来るもののようなんですが、さっちゃんは今日は何もしようとはしませんでした。
でも、綺麗な花々を前にして嬉しそうでしたね。
先生が刺されてる花を抜いてさっちゃんに手渡すんですが、それを手にしてさっちゃんは笑顔を浮かべていました。
言語リハビリでは久し振りのことですね。
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さっちゃんもみんなと一緒に楽しく歌をうたいました

2019-12-05 23:23:52 | 言語リハビリ
毎月第一木曜日は「失語症言語リハビリ教室」の日。
いちばん心配だったのは僕の体調。
目覚めた時は、何となくまだ頭も重く、喉も少し痛い感じがしていました。
布団の中でゆっくり過ごし、起きてからものんびりテレビを観るなどして過ごしていると、だんだん不調さが薄れて行ったようです。
朝食を作り、さっちゃんと一緒に食べ、さっちゃんの出掛ける準備などをさせていると、思いのほか時間が早く進んでしまいました。
出掛ける直前になって、僕の財布が見つからなかったり、ほとんど余裕のない出発時刻になって慌てて出掛けることに。
僕が悪いのですが、余裕のない出発に加えて、さっちゃんの歩みが遅い!
つないでいる手で引っ張るように歩く羽目になると、さっちゃんが怒ります。
「いつもより少し速く歩こうね」と少しは急いでもらいます。
結局どうなったかと言うと、乗るべき電車には間に合いませんでした。
1本あとの電車に乗って、下車駅からはタクシーで会場に急ぎました。

今日の「失語症言語リハビリ教室」は年末の特別バージョン。
通常メニューの各自の近況報告の発表やゲームなどはなく、今日は最初から最後まで歌う日でした。
しかも特別に音楽療法士の先生も来てくださり、楽しく参加できる雰囲気作りはバッチリ!
さっちゃんも大きな声ではありませんが、全曲にわたって口を動かして歌っていましたね。
笑顔も多く、楽しそうでした。
スタッフのお子さんもお手伝いに来てくれていて、その男の子を見る目が優しく嬉しそうで、笑顔もたくさんでした。
いろんな工夫が加味された歌の時間はあっという間に時間切れ。
さっちゃんも名残惜しそうにその場を離れました。

家に帰って来て、さっちゃんは「人が大勢いて楽しかったね」と言ってました。
歌自体も楽しかったんでしょうが、大勢の人たちと過ごしたこともすごく楽しかったようですね。

さっちゃんは疲れたんでしょうね、準備した夕食を食べることなく、そのまま寝てしまいました。
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