どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

ポエム139 『夜顔のひみつ』

2016-11-06 02:06:58 | ポエム

 

     夜顔のつぼみ   

      (季節の花300)より

   

  

昼間ソフトクリームを舐めていた娘が

夜になると大輪の花を咲かせる

その変貌に驚き人は娘を夜顔と名づけた

 

むらさきの朝顔がしぼむ頃

昼顔が遅い目覚めの顔をのぞかせて

おはようと気怠い声をかける

 

かなかなかなと樹間をわたる蝉の声

夏から秋へ移り行く季節の使者が

夕顔の開花の音にも耳をそばだてる

 

あさ昼ゆう夜と四つの花が顔を揃え

一様でない人生だからこそ楽しいのだと

カウンターの椅子に腰掛けて互いに慰めあう

 

ソフトクリームは美味しかったですか

マスターに問われて夜顔がほのほのと笑う

秘密を後ろ手に隠して仲間の不審をやり過ごす

 

あやうい夢に追われて疲れきった朝

汗まみれになった白襦袢を

夜顔はせっせと濯ぎつづけるのだ

  

 


コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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ソフト顔 (iwadonosansou2)
2016-11-12 19:28:29
ソフトに似た花もあるのですね、そっくりですね。
分かりすやあすいポエムですね。
年をとると理解出来なくなりました。
新聞も見出しのみで理解しております。
それでも楽しく読ませていただいております。
返信する
<いわどの山荘主人>さま (tadaox)
2016-11-14 00:45:52
(iwadonosansou2)様、お読みいただきコメントまで、いつもありがとうございます。
作品は、難しくならないようにしないといけませんね。
それが文章の極意と心得てはいるのですが・・・・。

それにしても今夏は天候不順で、野菜が著しく高値になっていますね。
秋が深まっても、葉物の値段は下がる気配なし。
スーパーマーケットで細々と買い物をしています。
ときどきお邪魔して、晴耕雨読のレポートを楽しませていただいております。
返信する

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