ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

日曜の読書

2011-08-28 18:03:27 | Weblog
今日も週に1日の読書デー。
部屋の空気を入れ替えつつ、
日本から持ってきた香樹林のお香を焚いて、飛来する虫除け対策。

今日読み終わったのは、
『世界史のなかの中国 文革・琉球・チベット』
汪暉著、石井剛・羽根次郎訳、青土社刊。

西洋哲学史の素養がない私には、最初の100ページくらいは忍耐が必要だった。
文革に関しては、「思想史としてはこうなるのねえ、よくわからないけど」
という、無知丸出しな感想。

琉球に関しては、日本人は学校で教えてもらえないことも多いので、
中国的かつ客観的にまとめてくれてありがとう、という気持ち。

そして、チベットに関しては、一番複雑な感想。
中国の主張はよくわかる。
確かに、孫文の五族協和がこの100年の根底にあって、
西洋が勝手に妄想しているチベットと、本当のチベットはかけ離れていることもわかる。

では、さて、2000年に私がチベットに行ったときに感じた、
ラサに漂っていた何とも言えない不協和音は、いったいどこから?
という回答を求めて読み進め、整理できたところもあれば、
うむむ~、そうなのか?と思ったところもあるわけだ。当然のことながら。

それにしても、中国人の頭のいい人というのは本当に頭がいい。
この本の著者もそうだけど、桁違いの頭のよさ。
そして、ものすごく人間臭い中国人のなかにあって、
この隔絶した思考力をもっていることについて、
正直なところ、現実離れしすぎているというか、まったくピンとこない。
すごく頭がいいから金儲けしている、という中国人のほうが、
「いよっ! 中国人!」と素直に尊敬できる部分も、最近はあるなあ。

とはいえ、何となく最後に思ったのは、
こういう頭のいい人が、方針なり戦略を考えるのだろうけれど、
実際にラサというところで、銃を携え辻に立って警備にあたる現場の人は、
おそらく中卒程度の知識しかなく、まるっきり子どもなわけで、
それは、ラサに限らず、都会で右往左往している私たちも同じことで、
だからこそ、上手くいかないことがあるのよねえ。という、
非常に無責任な感想だった。

上海でチベットというと、民族問題でも、ダライ・ラマでもなく、人気の観光地。
青藏鉄道に乗って、雄大な景色をながめながら、
異国情緒あふれる土地に行ってみたい、という感じ。

でも、ラサの中心部もだんだん漢族の街のような佇まいに「整備」されてきている。
日本で新幹線の駅を降りると、東北だろうが関西だろうが、見た目がほとんど一緒で、
国道の沿線は、大型の商業施設と全国チェーンのファミレス、パチンコ屋が並び、
旅に来たという感慨にひたれるのは、狭い旅館の部屋にこもったとき、というのと、似てきている。

中国みたいに広い国で、北京もラサも中心地は同じで、
かつての宮殿の前に、国旗が翻る広場があるというような都市計画を続けていると、
そのうち日本みたいに、
「どこまで行っても、日常から逃げられない。閉塞感にまみれているんです、
という国になっちゃうよ」と、言いたい気持ちになった。

最後に、この本の帯に「日中関係を根源的に考える」とあるのだけれど、
それは、読者が読後にそこまで敷衍することはあるかもしれないけど、
でも、本文全体として、すみません、そこまで明確に書かれていました?と思った。
帯は営業的要素が強いので、よく強引な言葉が並ぶけれど、
装幀が好きだから単行本がいいと思う時もあれば、
たまに、だから電子書籍のほうがいいな、と思ってしまうときもある。

試飲会

2011-08-28 01:15:57 | Weblog
午後から友人に誘ってもらって、
「ワインとチーズ直販・共同チャリティ開催・フォトエキシビジョン」
というのに行ってきた。

上海には、こんなにたくさん白人がいるんだ。
と、感動するくらいに白人ばかり。

 

ワインの試飲をして、チーズを試食した。
ワインで一番美味しかったのは、イタリア産の赤のスパークリングワイン。
白のスパークリングワインもあったけれど、赤のほうが美味しかった。
美味しいけれども少し甘いかな、ということで、フランス産の赤ワインを試飲。
こちらは渋味があるけれども、後味が軽い。
南アフリカ産の赤ワインも飲んだんだけれど、地中海に近いほうがやはり飲みやすかった。

チーズでは、ガラムマサラによく入っているクミン入りのものが美味しかった。
そこでチーズを買おうと思ったら、さっそく売り切れ。
でも、トウガラシ入りのチーズが残っていたので、それとプレーンを買うことにした。
チーズを2つ買うと、もれなく1個プレゼント、ということで、
試食できなかったチーズも1個ついてきた。
中国でチーズを買うと高いし、なかなか試食して買うこともできないので、
100元だったから、とてもお得だ。

そして、ジャズスクールの先生と学生による生演奏もあった。
ドラムが白人の女性で、ベースとキーボードが中国人の男性。
ボーカルは、たぶん先生らしき白人の女性。
なかなかよかった。

その後、韓国料理を食べた。
韓国の要人が上海に来たときに接待に使われるレストランということで、
とても美味しかった。

でも、日本語はまったく通じないし、中国語も怪しいスタッフがいる。
きっと朝鮮族か、北朝鮮もしくは韓国の人なんだろうと思う。
中国語が上手なスタッフに、「あなたは漢族?」と聞いたら、「そう」と。
「いま、韓国語を勉強しているところ」と言っていた。

中国の人は、とても熱心に外国語を勉強する。
少しでもいい仕事に就くためとはいえ、なかなかすごい。