ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

週末読書

2013-05-11 19:58:45 | Weblog
日本が国際舞台の一員として認められたのが日露戦争だとしたら、
中国が各国に分割される大きな原因となったのは、アヘン戦争。
上海の美しい街並は、アヘン戦争によって租界を得たフランスとイギリスが
主に作ったもの。
いまはそれが観光資源となり、上海人はそうした古い建物を誇りとしている。
そして、アヘンは中国に根を張り続け、満洲国と日本の財源となった。

常々、日本人に対する敵意は持続しているのに、
その根本原因をつくったイギリスによるアヘン貿易には全然無関心という
中国人の思考回路がよくわからないんだけど、
きっと、歴史的に麻薬に対してはおおらかな国だったというか、
産業の1つくらいな感覚だったんじゃないかと思う。

そして、いまはもう、表面的にはアヘンを見かけることはない。
何かと中国人に評判が悪い中国共産党も、
一般的な国民生活からアヘンを駆逐した功績は、この先もずっと称えられていいと思う。
まあ、裏ではアヘンで稼いでいるんだろうけど、それはしょうがないことだ。

戦後の日本人は、中国でのヒドい行いを学校で習うけど、
イギリスがつくったアヘン患者たちに対して、
日本がそのあとを継いでアヘンを供給し続け、アヘンで稼いでいたことに、
あまり意識したことはないと思う。

今日、うららかな陽気にも誘われず、ずっと家で読んだ本はこれ『東条英機と阿片の闇』。
日華事変以降、どうしようもなくなった中国との戦争を辞められなかった理由は、
単なる領土拡大がしたかった、なんていう、バカみたいな拡張主義の話じゃなくて、
アヘンから上がってくる巨大な資金だったというのは、なるほどなあ、と思う。
中国人、日本帝国主義をちょっと勘違いしてるぞ。

そして最後に、東京裁判では、アメリカがイギリスに対する配慮から、
中国大陸での事件が、満洲事件以降に範囲限定されたこと。
もしそれよりも前の歴史を繙いてみれば、日本の大陸戦略や南方戦線の意味合いが
まったく違ったものとなる、という戦犯の声は、
インドのパール判事に、どんなふうに響いたんだろうなあ、と思う。

イギリスは東インド会社を使って、次に日本を踏み台にして、
ずっと中国にアヘンを供給してたんだもんなあ。

さて、明日は散歩だ。晴れるかな。


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