映画鑑賞感想文

濫観っていうか、乱観っていうか・・・ポリシーないですけど(^^;

『レイン・フォール/雨の牙』

2010-05-31 13:53:02 | Weblog
2009年 日本
監督:マックス・マニックス
出演:椎名桔平、 長谷川京子、ゲイリー・オールドマン、柄本明、清水美沙、トーマス・ペリマン、中原丈雄、若松武史、小木茂光、浜田晃、平山祐介、坂東工、宮田早苗

日系アメリカ人の凄腕暗殺者ジョン・レインが、新たに依頼を受けた仕事は、国土交通省の高級官僚の川村を自然死に見せかけて殺害し、彼が持っているメモリースティックを奪うこと。携帯電話を利用し、地下鉄の中でペースメーカーを誤作動させ、川村を死に至らしめることには成功するが、肝心のメモリースティックが見つからない。そこで、レインは川村の娘たちに接触しようとする。そんなレインを監視し続けている者がいた。CIAアジア支局の局長ウィリアム・ホルツァー。ホルツァーは、レインの探しているメモリースティックを彼より先に奪うべく動き出した・・・そんな感じかな。

ゲイリー・オールドマンが、なぜ日本映画に・・・また、自分で映画をとるつもりなのかな。その資金集めなのかな・・・というのが、この映画のことを知って最初に思ったこと(^^;。別に、邦画を馬鹿にしているわけじゃないけど・・・なんとなく悪い予感はしたのでありました。そして、その悪い予感が的中したと思います、残念ながら。

まず、わざわざゲイリー・オールドマンを呼んできた意味が全くないです。ゲイリーが活かされていないにも程がある。こんな使い方するなら、もっと無名の実力者にチャンスを与えてあげてください。ゲイリーにこの役は不要です。

それと・・・レインのキャラが、まったくもって良く分からない。クールで超人的な暗殺者なのかと思ったら・・・いつの間にか、人の良いオジサンになってるし・・・いったい何だっていうんでしょう。

レインが対峙する巨大組織CIAも、日本の政治家も、ヤクザ屋さんも、みんな薄っぺらいし・・・何を楽しめばいいのか分からなくなっちゃいました。

まっ、わたしは、ゲイリー・オールドマンの大ファンなので、必然的に点が辛くなっているとは思うんですが・・・なんともかとも残念な映画でありました。


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『石内尋常高等小学校 花は散れども』

2010-05-31 13:33:42 | Weblog
2008年 日本
監督:新藤兼人
出演:柄本 明、豊川悦司、六平直政、川上麻衣子、大竹しのぶ

石内尋常小学校で教師をしていた市川先生の定年に際し、教え子で今は村の収入役となっている三吉が同窓会を企画する。場所は、同じく教え子だったみどりの嫁ぎ先の料亭。売れない脚本家の良人らが集まり、それぞれが卒業してからの30年を語る。

ん~・・・決して、素晴らしい出来の映画だとは言えないのだけど・・・なんだか悪く言いたくない気分にさせられる映画なんですよね(^^;。とりあえず、愛らしい映画です。はい、そんな感じです。あっ・・・ただ、大竹しのぶさん、この映画では、ちょっとお芝居がウットオシイです(爆)。

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『子猫の涙』

2010-05-31 13:18:42 | Weblog
2007年 日本
監督:森岡利行
出演:武田真治、藤本七海、広末涼子、鈴木砂羽、宝生舞、山崎邦正、赤井英和、喜味こいし、紺野まひる、黒川芽以、市川美織、森岡朋奈

1968年のメキシコオリンピックで銅メダルをとった森岡栄治さんの自伝的映画。森岡さんを演じているのが武田真治さん。監督の森岡利行さんは、栄治さんの甥っ子さんだということなので、安心してみることができますね(^^)。

なんだかね、森岡さんって、すごく困った人みたいなんですよね。でも、その困ったところも含めて、すごくチャーミングな人だったんだぁ~って思わせる・・・そう、森岡さんへの愛情にあふれた映画になってます。

それを、長女の治子さんの目線から描いていて・・・けど、治子ちゃんは、幼くても大阪の女なので、なかなか根性も座っててるから・・・映画の中に、辛気臭さがまったくなくて・・・妙に痛快だったりするんですよね。

大作とか名作ってことじゃないですが・・・いいですね、こういう映画。わたしは好きでした(^^)。

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『金閣寺』

2010-05-31 12:56:09 | Weblog
1976年 日本
監督:高林陽一
出演:篠田三郎、市原悦子、柴俊夫、横光勝彦、島村佳江、テレサ野田、辻萬長、寺島雄作、水原ゆう紀、内田朝雄、新井純、加賀まりこ

言わずと知れた、三島由紀夫さんの『金閣寺』の映画化です。でも、これには、市川雷蔵さん主演で市川崑監督が撮った『炎上』という名作があるんで・・・作る方も難しかったでしょうが、見るほうも難しかったです。

ただ、まっ、まっく別物になっていましたね。それは良い選択だったのではないかと思います。金閣寺を燃やしてしまった犯人の心の内側に迫ることに重きをおいている原作や市川作品とは違って、事件から触発された作り手の心象を映像で表す的な、しかもちょっと奇抜なアプローチで自己主張する的な・・・とっても70年代の映画っぽい感じに思えました。

だから、こういう映像が好きな方には良い映画、苦手な人にはツマラナイ映画・・・あたりまえですが、そういうことになりますよね(^^;。

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『恋文』

2010-05-31 12:51:42 | Weblog
1953年 日本
監督:田中絹代
出演:森雅之、久我美子、宇野重吉、香川京子、加島春美、夏川静江

礼吉と道子は想い合う仲。でも、家庭の事情が二人を結び付けてはくれず、傷心のまま礼吉は出征していく。終戦を迎え、なんとか生きて戻ってきた礼吉は、オンリーの恋文代筆を生業にする。けれど、そこに道子が客として現れるのだ。なんと彼女は、進駐軍仕官の妾になっており、帰国後送金してくれないダンナ宛に送金をネダル手紙を書いてもらいにきたのだった。清純な道子のイメージを、ずっと追いつつけていた礼吉のショックは大きく、道子を無慈悲に詰る。そして、一気に礼吉の生活は荒み始める。そんな彼をみかねた彼の弟など周りの人たちが、何とか二人の仲を取り持とうとするのだが・・・というようなお話。

田中絹代さんの初監督作品だそうです。木下恵介さんが脚本を書き、成瀬巳喜男監督が全面協力、その他、役者さんたちの特別出演や賛助出演も目白押しの、鳴り物入りで作られた映画のようです。

でもねぇ~・・・わたしは、どうも、脚本がイマヒトツって気がするんですよね。聞いたところによると、成瀬監督が、かなり脚本をカットしたって言いますから・・・もしかしたら木下さんが悪いのではなく、成瀬監督の判断に問題があったのかもしれませんが・・・最終的には、監督である田中さんの責任ではありますよね。

そもそも、何が言いたかったのかな・・・この映画は。戦争による混乱の中で、もみくちゃになった人たち・・・彼らの選択の中には、正しいものもあったろうけれど、間違ってものもあったかもしれない・・・それを単純な正義感や倫理観で裁いちゃいけない・・・そういうことなのかな。

けどね・・・わたしは、どうも、道子さんに同情できなかったのです。戦後、生きるために外国人のお妾さんになったことを、礼吉のようにぐじぐし責めようとは思いませんよ。でも、本国に帰っちゃったダンナに「お金ください」って手紙を代筆屋に代筆してもらうところとか・・・オンリーの女性たちに対して「わたしは違う」って思っている感じとかが、すごく卑怯で嫌いでした。

でも、映画的には、彼女に絡むオンリーの姉さんたちの方を悪者な感じに撮っていて、道子は可愛そうっていうスタンスなんですよね。それが、この映画のこと、好きになれない一番の理由でした。

これが男性監督の作品なら「こんなもんだな」って諦められるんですが、女性監督だし、田中絹代さんだし・・・残念だなって思わすにいられなかったわけであります。

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