(新)緑陰漫筆

ゆらぎの読書日記
 ーリタイアーした熟年ビジネスマンの日々
  旅と読書と、ニコン手に。

エッセイ 日本の洋食

2022-02-06 | コラム
エッセイ 日本の洋食
 
人は生きるために食べる。私の場合は、食べるために生きているような気がする。朝、起きたら、お昼は何をたべようか、昼になれば夕食は何にしようかと・・・。(笑)

 ”美味しい洋食を食べに行こう”、ということになるとまず頭に浮かぶの
駿河台(東京 お茶の水)にある山の上ホテル。東京で仕事をしていた頃、よく通ったものだ。ここの本館にあるダイニングレストラン「ラヴィ」は、”スープ・ポテイロン ベーコン風味のエムリュ―ジョン 真鱈のムニエール、ブランダード白菜のエチュベ、柚子の薫”といった正統派のフレンチを食べさせる。今も健在である。もっと気楽なところでは地下の酒蔵「モンカーブ」で供される軽食もいい。

もちろん帝国ホテルのタワー地下一階にある「ブラッスリー」は、いい。ただ。これらは気楽な格好で行くというのは、いささか気が引ける。

場合によっては、浴衣がけであるいは着流しでということになると、京都ということになる。もちろん普段着でも。今日は、そんな店を二三軒、ご紹介することにしたい。

 まずは、柳馬場押小路上がるにある「洋食おがた」を上げねばなるまい。
                                   


「おがた」のオーナーシェフの緒方博行は熊本県出身。熊本での料理の経験を経て京都「ビストロ セプトハンバーグ」の料理長を6年間努め、2015年に「洋食おがた」を開店した。彼の言葉を借りれば、

 ”洋食おがたは、お客様を最高の料理でおもてなしするため「生産者・食材・環境」を大切にしています。

肉は宮崎県「尾崎牧場」や京都府「京都丹波牧場」、そして鹿児島県「ふくどめ小牧場」、魚は静岡県「サスエ前田魚店」、米は京都府「丹州 河北農園」、無農薬野菜は京都府「山田ファーム」や佐賀県「ささき農園」など、自ら足を運んで出会った安心安全な素材に向き合い、心を込めて料理を仕上げています。

生産者の想いを詰め込んだ料理で、一人一人のお客様がお楽しみいただける空間づくりを心がけています”

食材を大事にと、宮崎県や京都府内丹波、鹿児島などから取り寄せる。魚は福岡から、米は丹波河北町から、と安全な食材にこだわる。

(メニュー 品揃え)

 どんな料理が供されるのか。特製ハンバーグ(これが売り、スープのライス珈琲・・・これで2300円)。ポークジンジャー、ポークカツレツ、ポークジンジャー、チキンカツ、海老フライ、魚のピカタなどから選べる。牛ロースカツを入れると@3680円。

ディナーでは、ポテト、マカロニサラダ、クレソンと自家製ロースハムのサラダなど。魚料理は、活カツオレアに揚げたフリットなど。静岡県「サスエ前田魚店」から直送。丹波平井牛のたたきと生うに。平井牛のステーキ。ご飯は、ビーフ焼き飯 ガーリックチップ添えなど。京都丹波牛のたたきと生うに、というメニューもある

  

酒は大阪は秋鹿酒造の「秋鹿」など。ワインは熊本県 菊鹿ワイナリーのシャルドネなどが豊富に揃っている。シャンパンもある。すべて国産。いろいろあって、さほど高くないので安心して食べかつ飲むことができる。



余談になるが、緒方さんが姉妹店として挙げている店に「リストランテ 野呂」というのがある。

ここのオーナーシェフの野呂さんは、イタリアに渡り「ロカンダ・ヴェッキア・パヴィア」などで修業。帰国後、「ホテルグランヴィア京都」や「洋食おがた」勤務を経て2017年6月に「リストランテ野呂」を開店。

 ”「リストランテ野呂」は、京都や滋賀、自身の出身地である青森はもちろん、高知や群馬など、そしてイタリアやフランスからも、シェフが厳選した食材を贄沢に活かし、100人のお客様に100通りの料理でおもてなし致します。 料理はシェフがみっちり修業したイタリアンをベースに、洋食のエスプリもあれば、旬を活かす和食の技法もありと変幻自在。「あなたのお抱え料理人」として、お客さまのご要望に可能な限りお応えいたします。ふだん使いから特別な記念日まで、おひとりでも、グループでも、カップルでも、ご家族でも。”、と胸を張る。

 ランチセットは@1800~2800円と安いが、中には雲丹のパスタと黒毛和牛“かいのみ”のステーキ/京都平井牛を使ったメンチカツの盛り合わせ入り?というのがあって@8500円と高い。この”かいのみ”は、赤身とバラの脂質のバランスがとれた希少部位である。しかしハレの日に、ということでたまにはいいのではないか。美女でも誘って・・・。

 このコースの写真(このコースの前菜の写真)

(ディナーのメイン、メンチカツとデミグラスソース)        

このお店にはまだ行ったことがないので詳しいことは今後の調査を待たねばならない。



 次に取り上げるのは「グリルステーキ葵」である。

主人の大野洸一郎は、”素材は嘘をつきませんからね。シンプルな洋食は基本に忠実である”、という。

葵の場合、揚げ物がっつり食べても、なぜかあまり胃に負担がかからない。20人前後の揚げ物をしたら、揚げ油を全部入れ替える、とのこだわりがある。どうしても油を使うたびに、どんどん酸化してゆくので、そのように交換するとのこと。

グリルステーキ葵では、正統派・日本の洋食をコンセプトに営業している。
長野信州牛、宮崎牛を中心にA5ランクの黒毛和牛のみを厳選した肉を使用しており、クオリティーの高いお料理を、リーズナブルな価格で提供している。
基本に忠実に、シンプルな米飯に合う洋食を作り続けている。

 後で出てくるメニューをみると、高いお金を支払わねばならないように思うが、ミシュランでは「ピブグルマン」に位置づけられ、価格は6000円以下である。安心して食べられるお店ではある。

(メニュー・品揃え)

長野信州牛、宮崎牛を中心にA5ランクの黒毛和牛のみを厳選した肉を使用してサーロインステーキ、薄切り和牛ステーキ、テリヤキステーキ、ビフカツなどを出す。和牛ロースカツ(80g・2800円/110g・3800円)はミシュランのビブグルマンに掲載されたメニュー。

 人気メニュー「天使のエビフライ」は、ニューカレドニア産の生食用のエビをカラッと揚げた一品。サクサク・プリプリの食感で、頭までサクサクと食べられる。スペシャルセットに、和牛ミニステーキ/有頭海老フライ/クリームコロッケというのがある。このクリームコロッケは、時間をかけてつくったペシャメルソースがたっぷりと使われている。

     

 飲物は、ビール/グラスワイン/麦焼酎/ウイスキーなど。「洋食おがた」ほどのバラエティない。しかし、総じて安く美味いので、最近人気が出てきている。



「食堂おがわ」

「洋食おがた」主人であるおがたさんが、オフに通う店。西木屋町四条下るの細い路地にある。店主の小川真太郎さんは、”(お出しする料理の)量はかなり意識しています。お一人毎に分量を変えたり、シェアしてお出ししたりと、気をつかっています”、という。小川さんは、福岡から京都にやってきて、先斗町の割烹「奈良屋」や祇園「ささ木」で修行。2009年店を出した。



 (メニュー)
                   
しょうがかき揚げや、やはた巻が人気が高いが、そこにぐじなどの季節の魚も入る。予算は、2000円以内。緒方さんのお気にいりは、「うどてっぱい」。うど、わけぎ、赤貝やばい貝を、白味噌と卵の黄身に酢を混ぜ合わせた酢味噌とからしで和えたもの。ぐじのお造りや、ウドの天ぷらもある。
         

  「うどてっぱい」


 緒方さんと小川さんのつながりは、深い。2009年にもらい火の火災で店が焼けたときも、緒方さんは、何くれとなく小川さんの相談に乗った。また、緒方さんは、小川さんも入れた7~8名の料理人仲間で、一緒に”大人の修学旅行”、と称して名古屋や静岡などへ食事に行って、見聞を深めている。

 この店には、当然まだ行ったことはないが、場所が西木屋町四条下がる、といつも行くエリアに近いので近々のぞいてみようと思っている。


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 振り返れば、すべて京都の店ということになりました。安くて美味しいから行くのか、京都だからいくのか? 自分でもよく分かりません。 ただ、ここに紹介したような店は、どこか主人(オーナーシェフ)の料理についての考え方に一本芯が通っていているような気がする。それで、通うのかもしれません。

神戸にも沢山洋食の店はあります。いずれ、神戸の洋食の店も食べ歩いて、気に入った店があれば、今回のような記事を書いてみたいと思っています。

 雑文にお付き合い頂きありがとうございました。










コメント (6)
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