金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

映画:『色男ホ・セク』

2023-01-04 20:07:52 | 映画の感想
2023年の映画③『色男ホ・セク』(ナム・デジュン 監督)
★★★★☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
自由に生きてきたホ・セクが選んだ道は、
朝鮮初の男妓生(キーセン)!
美しく整った容姿、優れた技芸、
女を酔わす話術を兼ね備えた青年ホ・セク(イ・ジュノ)は、
生まれ育った妓房が経営の危機に瀕していることを知り、
女性客を相手にした〝朝鮮初の男性妓生〟になることを決意する。
破天荒だが頼りになる相棒ユッカブ(チェ・グィファ)とタッグを組んで
大胆な宣伝活動に乗り出すと、
ウワサを聞きつけた朝鮮の女たちが店に押しかけ、
たちまちセクに魅了されていく。
順調に客数を伸ばしていたある日、
セクは町で美しい女性へウォン(チョン・ソミン)と出逢う。
これまでどんな美女にも心トキメくことはなかった彼が、
自分の魅力に全くなびかないへウォンに急速に惹かれてしまい、
猛アタックを開始するのだが……。
 
*******************************************
 
Amazon primeで視聴。
 
韓国の時代物にはあまり馴染みがなく、
これまでに摂取してきた小説やら映画やらから、おそらく、
 
妓生=音曲や踊りもする高級娼婦
両班=貴族
 
なのであろう……くらいの認識で見た。
 
娼館で育った主人公が、娼館の危機を救うため
ホストクラブを立ち上げる序盤はコメディ調。
中盤、ちょっとダレて、「まだこんなにあるのか~」と
時計を確認してしまったのだが、
終盤は美しい悲恋もので、最後は結構泣いてしまった。
 
主人公が同じく娼館で育った妹分を大事にしていて、
自分が稼ぐから客を取らせないでほしいと言ったり、
男でありながら女達の立場に立って憤ったり、
おばや仲間たちに累が及ぶのを防ぐために毅然とした態度を取ったりと、
優しく意志が強いのだ。
そして、何より、「愛してるから」といって流されずに、
頑として恋人を拒み通したのもよかった。
ハッピーエンドになったらそれはそれで美しいが、
いくら貧乏とは言え、相手は貴族の娘さん。
現実的に考えると、一緒になっても
やっぱり幸福にならなかったと思うしね……。
 
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映画:『青葉家のテーブル』

2023-01-04 20:05:25 | 映画の感想
2023年の映画②『青葉家のテーブル』(松本壮史 監督)
★★★☆☆3.5
 
【Amazonの内容紹介】
 
シングルマザーの春子(西田尚美)と、
その息子リク(寄川歌太)、
春子の飲み友達めいこ(久保陽⾹)と、
その彼氏で小説家のソラオ(忍成修吾)という
一風変わった4人で共同生活をしている青葉家。
夏のある日、春子の旧友の娘・優子(栗林藍希)が
美術予備校の夏期講習に通うため、
青葉家へ居候しにやって来た。
そんな優子の母・知世(市川実和子)は、
ちょっとした"有名人"。
知世とは20年来の友人であるはずの春子だが、
どうしようもなく気まずい過去があり…。
 
*******************************************
 
Amazon primeで視聴。
 
最初に「北欧、暮らしの道具店」と書いてあったので、
普通の映画じゃないんだろうと思ってたけど、
食器や家具のプロモーションを兼ねた作品だったのかな。
ドラマ版があったのは、後から知った。
 
最初の一時間くらいは、アイデンティティに悩む女子高生の
オーソドックスな「青春の悩み」といった感じで
やや退屈だったんだけど、
春子と知世という母親たちの関係が明らかにされてから
おもしろくなってきた。
はるか昔に通り過ぎた母親の青春が、悩める娘を救済する流れも
わたしは結構好き。
 
同居してるカップルはなんのためにいるんだろうと思ってたが、
ドラマ版があったのなら納得。
何かエピソードがあったんだろう。
 
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映画:『シン・ウルトラマン』

2023-01-03 18:29:45 | 映画の感想
2023年の映画①『シン・ウルトラマン』(庵野秀明 監督)
★★★☆☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
次々と巨大不明生物「禍威獣(カイジュウ)」があらわれ、
その存在が日常となった日本。
通常兵器は全く役に立たず、限界を迎える日本政府は、
禍威獣対策のスペシャリストを集結し、
【禍威獣特設対策室専従班】通称【禍特対(カトクタイ)】を設立。
班長・田村君男、作戦立案担当官・神永新二、非粒子物理学者・滝明久、
汎用生物学者・船縁由美が選ばれ、任務に当たっていた。
禍威獣の危機がせまる中、大気圏外から突如あらわれた銀色の巨人。
禍特対には、巨人対策のために分析官・浅見弘子が新たに配属され、
神永とバディを組むことに。
浅見による報告書に書かれていたのは…【ウルトラマン(仮称)、正体不明】。
 
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Amazon primeで視聴。
話題になっていたので興味をもって見たのだけども、
わたしは「ウルトラマン」をちゃんと見たこともなく、
思い入れが全然ないのである。
 
ファンでも何でもない人間の感想としては
「なんか、総集編みたいだったな……」。
 
事前に目にしていた感想のほとんどが、
山本耕史演じるメフィラス聖人についてのものだったのも納得。
誰よりも彼がキャラ立ちしていた。
そして、その彼が「え、もう出番終わったの??」という
あっさり加減で退場したのが「総集編っぽい」と感じた最大の理由。
その後で「ゾフィー」とか「ゼットン」とかわたしでも名前だけは知ってるのが
出てきたから、やはり総集編みたいな作りだったのだと思う。
 
ウルトラマンである神永も、主役サイドであったはずの禍特対のメンバーも
たいして掘り下げされず、メフィラス星人のひとり勝ちだった。
なぜかひとりだけ、決めゼリフも日常パートもあるんだもん。

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2:宮下奈都『とりあえずウミガメのスープを仕込もう。』

2023-01-03 18:19:50 | 23 本の感想
宮下奈都『とりあえずウミガメのスープを仕込もう。』
★★★☆☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
書き下ろし短編も!
本屋大賞受賞作『羊と鋼の森』の著者がおくる食エッセイ
「毎月一回食べもののことを書く。
 食べることと書くことが、拠りどころだった気がする。」
(「まえがき」より)

月刊誌『ESSE』の人気連載が、待望の書籍化!
北海道のトムラウシに1年間移住したり、本屋大賞を受賞したり……。
さまざまな変化があった6年半の月日を、「食」をとおして温かく描き出す。
ふっと笑えて、ちょっと泣けて、最後にはおなかが空く。
やさしく背中を押してくれるエッセイ78編に、書き下ろし短編1編を収録。
全編イラストつき
 
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寝る前に少しずつ読み進めていた本。
あまり「食」を前面に押し出した感じはないのだが、
そのあっさりした加減が今の自分にはよかった。
「失敗ごはん」
「にんじん」
「キャンプの朝」
が印象的。
確かにコーヒーは「これから○○するぞ!」というときに飲むな~。
にんじんに含まれるβカロテンがめちゃ少ない、というのも驚きだった。
 
 

 
 
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1:おおたとしまさ『勇者たちの中学受験~わが子が本気になったとき、私の目が覚めたとき』

2023-01-01 20:58:05 | 23 本の感想
おおたとしまさ『勇者たちの中学受験~わが子が本気になったとき、私の目が覚めたとき』
★★★☆☆3.5
 
【Amazonの内容紹介】
 
中学受験最後の3週間、そして、人生で最も長い1週間といわれる入試本番期間中の、
親子の濃密な心情を克明に描いた衝撃作!
親子3組の実話をもとにしたノンフィクション物語であり、
真剣勝負のルポルタージュでもある。
 
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先輩から借りた本。
 
生々しさや、真に迫る感じは『翼は翼』のほうが断然すごいのだけども、
あれは結構ボリュームのある小説なので、
本が得意でない親御さんにはこちらのほうがよいと思う。
ある程度客観的な視点の入ったルポタージュなので、重くないし、
途中、休憩を挟みつつも、2時間弱で読み切れた。
 
「中学受験に父親が介入すると、ろくなことにならない」は、
「あるある」として周知されてきた感じがある。
ここに登場する3家庭も、やはりそんな感じ。
思うような結果を出せない子どもを罵倒して否定するのは、
なぜか決まって父親のほう。
 
母親の
「本人が知らない間に入試が終わっていて、受けさせてもらえなかった」
って話は、そんなことありうる!?!?と思ったが、
他はもう、普通にあることすぎた……。
「カルト化」と筆者は書いていたが、本当にそうなんである。
不合格になった子を罵倒する塾講師も、実在してほしくないが
いるんだろうな。
 
 

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