金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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現在、記事の整理中。

149:角田光代 『人生ベストテン』

2005-12-02 13:04:39 | 05 本の感想
角田光代『人生ベストテン』(講談社)
★★★☆☆

akikoさんのところで感想を読んで、どんなもんだいと借りてみる。
基本的に、大人を主人公にした角田さんの本は、
いやな気分に終わることが多いのであまり期待をせずに……。
意外と普通におもしろく読めました。びっくりした。
たぶん、読む人によって本全体のトーンの受け取り方が大きく異なる。
やりきれないような、行き場がないようなどんづまり感は相変わらずなのだけど、
最後にちらっと前向きな姿勢も見えて、今まででいちばん読後感はよかった。
いつものことだけど、主人公たちが自分の奇行を奇行と思っていないところに
ハラハラします(ストーカーだよ!誰から見ても!)。
切れキャラも多い気がする。
表題作の「人生ベストテン」と「貸し出しデート」がおもしろかった。

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148:酒井順子 『枕草子REMIX』

2005-12-01 13:03:16 | 05 本の感想
酒井順子『枕草子REMIX』(新潮社)
★★★★☆

清少納言か紫式部かといえば、わたしは清少納言派。
かの有名な橋本治『桃尻語訳枕草子』は、解説が丁寧だったし
全体をカバーしているのがよかったのだけど、
困ったことに肝心の〈桃尻語〉が理解できなかったため、
高校生にすすめるのにも一抹の不安を感じたものでした。
その点、この本は古典に興味を持つ「とっかかり」としては
わかりやすく、楽しく読めておすすめ。
取り扱われているのは一部だけだし、解釈はかなり個人的なものの、
宮中での生活を女子校にたとえてみたり、
清少納言を「皇室フリーク」と表現してみたり、
女性ならではの視点、〈今だったらこんな感じ?〉例がおもしろい。
枕草子の内容をすでに知っている人にもおすすめ。

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