西村亨『源氏物語とその作者たち』(文春新書)
★★★★☆
【Amazonの内容紹介】
原稿用紙に換算して二千五百枚にもなる長大な物語を、
本当に紫式部が一人で書いたのか―
文体や登場人物の扱いなどに着目し、
錯綜する展開を解きほぐすことで見えてきたのは、
光源氏死後の話である「宇治十帖」のみならず多くの部分が、
読者によって自由に加筆や修正が行われ
「成長」していった事実だった―。
*********************************************
おもしろかった。
巻ごとに違う光源氏に対する作者のスタンスや作風、
メインストーリーを進めているかどうか、等々の視点から、
紫式部自身が書いた巻と、他の人物が書いた巻を区別したり、
別の人物によって後から書き足された部分を指摘したり。
『千年の黙』から始まる森谷明子先生の三部作では、
年齢が合わないことについて紫式部自身がミスだとして
頭を悩ませていたが、この本では、
紫式部以外の人物が後から書き足したために
起こった矛盾だとしている。
別の作者として挙げられていた有名人物については
まったく腑に落ちないのだけど、こういう考察は楽しい。
原作者が政治や文化を織り込み、骨太なストーリーを
綴っているのに対して、ファンがメインストーリーから外れた
日常生活や恋愛のサイドストーリーをせっせと二次創作していくのに
似ている。
★★★★☆
【Amazonの内容紹介】
原稿用紙に換算して二千五百枚にもなる長大な物語を、
本当に紫式部が一人で書いたのか―
文体や登場人物の扱いなどに着目し、
錯綜する展開を解きほぐすことで見えてきたのは、
光源氏死後の話である「宇治十帖」のみならず多くの部分が、
読者によって自由に加筆や修正が行われ
「成長」していった事実だった―。
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おもしろかった。
巻ごとに違う光源氏に対する作者のスタンスや作風、
メインストーリーを進めているかどうか、等々の視点から、
紫式部自身が書いた巻と、他の人物が書いた巻を区別したり、
別の人物によって後から書き足された部分を指摘したり。
『千年の黙』から始まる森谷明子先生の三部作では、
年齢が合わないことについて紫式部自身がミスだとして
頭を悩ませていたが、この本では、
紫式部以外の人物が後から書き足したために
起こった矛盾だとしている。
別の作者として挙げられていた有名人物については
まったく腑に落ちないのだけど、こういう考察は楽しい。
原作者が政治や文化を織り込み、骨太なストーリーを
綴っているのに対して、ファンがメインストーリーから外れた
日常生活や恋愛のサイドストーリーをせっせと二次創作していくのに
似ている。
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