金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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13:森真沙子『廃帝』

2008-02-13 10:21:43 | 08 本の感想
森真沙子『廃帝』(角川春樹事務所)
★★★★☆

鎌倉時代末期、両統迭立の取り決めにより、
後醍醐天皇から皇位を引き継いだ持明院統の光厳天皇。
しかし、後醍醐は再び皇位につくことをのぞみ、
倒幕をくわだてる。
後醍醐の呼びかけに応じた尊氏の裏切りによって
幕府の後押しで皇位についた光厳は一転、「廃帝」とされる。
後醍醐と袂を分かった尊氏によって再び上皇として
かつぎあげられるが、再度の裏切りにあい……
光厳帝の波瀾に満ちた生涯を描く歴史小説。

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久々の歴史ものでした。
この時代といったら足利尊氏、後醍醐天皇、
楠正成、新田義貞……とスターは決まっているようなもの。
光厳帝にスポットをあてた小説を読むのは初めて。
主人公にとって都合の悪いことはあっさり済ますのが
歴史小説の常だけど、尊氏視点だと光厳帝のことなんか
かすった程度しか触れられない。
二度も裏切られたあげく、吉野に10年以上軟禁されてるし、
この仕打ち、ひどすぎる……尊氏嫌いになること請け合い。
オリジナルのキャラクターの役割がいまいち?だったけど、
切り口が新鮮で楽しめました。

初めて見た大河ドラマは「太平記」。
新田義貞×匂当内侍にときめきましたわ。
吉川英治の原作をもう一回読みたくなってきた……


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