金木犀、薔薇、白木蓮

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130:龍たまこ・中川瑛『99%離婚 モラハラ夫は変わるのか』

2024-06-15 12:33:29 | 24 本の感想
龍たまこ・中川瑛『99%離婚 モラハラ夫は変わるのか』
★★★★☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
「おれは仕事も家庭もうまくやっている」
エリート会社員・翔がある日帰宅すると、家の中は真っ暗だった。
「どういうことだ?」この時すでに、
【99%離婚】という状況になっていたことに、彼は全く気付いていなかった。

一方、
「お前ってホント無能だよね。よかったね 専業主婦になれて」
「ベッドで癒してくれない? じゃあもう風俗に行けってことだな」
「なにその服? もう少し体型戻さないと似合わなくない?(笑)」…
夫の機嫌を絶えず伺い、傷ついてばかりできた妻・彩。
自分がモラハラ被害者と気づいた彼女は、娘を連れて家を出ていた―。

「モラハラ夫は変わらない」世間ではそう言われています。
これは、変わりたいと必死でもがく、一組の夫婦の物語です。
 
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「夫婦もの」は昨今のトレンド。
これも、このところ多く見かける、
「モラハラ夫をとっちめて離婚してすっきり!」
みたいなお話かと思ったんだけども、
他と違うのは、モラハラ夫の側から夫婦の再構築を描いているところ。
 
予想以上に、よかった。
加害者側の更生を支援する団体の方が
原作を担当をしているというのもあって、
関係の修復が非常に難しいことをリアルに描いていたと思う。
端折って言えば、
「離婚の危機に陥り、夫が反省して態度を改める」
という流れなんだけども、この「態度を改める」というのが
簡単ではないのだった。
妻への言動を変えることに、夫がめちゃくちゃストレスを感じて
イライラし、挙句に爆発。
生まれ育った環境によって培われてきたものは簡単に変えられず、
それでも何とかしようともがく姿を描いているところがよい。
 
これで思い出したのが、
「セクハラ禁止」
が強く言われるようになったときに、ある男性が、
「何も言えないし、コミュニケーション取れないじゃん」
と反発していたこと。
コミュニケーションの方法がそれしかないと、
「何も言えない」になるし、歳をとってから別の方法を身に着けるのって、
かなりストレスなんだろうな。
 
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