山崎ナオコーラ『人のセックスを笑うな』
★★★☆☆
【Amazonの内容紹介】
十九歳のオレと三十九歳のユリ。
恋とも愛ともつかぬいとしさが、オレを駆り立てた――
「思わず嫉妬したくなる程の才能」と選考委員に絶賛された、
せつなさ百パーセントの恋愛小説。
第四十一回文藝賞受賞作。映画化。
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タイトルとペンネームのインパクトがすごい。
というわけで、ずいぶん話題になっていたデビュー作。
タイトルから、強烈にセクシャルな話を想像していたのだけれども、
特に生々しくセックスが描かれているわけではない。
歳上の女性との恋の始まりから終わりまでを描いた短編で、
特別に変わった要素はないのだけれども、
この空気感を誰にでも出せるかといったら
そうではないのだろうなあと思う。
あまりにも女性の願望がむき出しになっていると
こっぱずかしくなってしまうのだけども、
そういうところはほとんどなかった。
相手に振り回されつつ、
感情をぶつけあうことも、
感情に生活を侵食されることもなく、
いつの間にか終わっていく恋。