金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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7:柚木麻子 『本屋さんのダイアナ」

2021-01-11 22:22:59 | 21 本の感想
柚木麻子 『本屋さんのダイアナ』 
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

私に命令できるのは、この世界で私ひとりだけ……。

 私の名は、大穴(ダイアナ)。 
おかしな名前も、キャバクラ勤めの母が染めた金髪も、 
はしばみ色の瞳も大嫌い。 
けれど、小学三年生で出会った彩子が
そのすべてを褒めてくれた――。
正反対の二人だったが、共通点は本が大好きなこと。
地元の公立と名門私立、中学で離れても心はひとつと
信じていたのに、思いがけない別れ道が……。
少女から大人に変わる十余年を描く、
最強のガール・ミーツ・ガール小説。

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小学校時代の世界が、あまりにも優しくて
人々に理解がありすぎて、
「世界はそんなに優しくないよ……!」
と苦しささえ感じるほどだったのだけど、
高校卒業後の彩子パートが、もうつらくてつらくて。
友達に似た経験をした子がいるのだけど、
彼女いわく、自分の中で折り合いをつけようとして
相手に告白して付き合ってしまったそうだ。
絶対におかしいのに、きっと今でも
大学や似たような環境で続いている現実。
ままならない現実が次から次へ
襲い掛かるからこそ、
ふたりが仲良く過ごした小学校時代が
現実離れした優しさをもって描かれていたのだとわかる。

本を読んで泣くときは、読みながら
「あ、だめ、泣きそう……!」
となるのだけど、この本、あるページに来た時に
予兆もなく、いきなりドバーッと涙が出てきて
びっくりした。

武田君、少女漫画! 
でもひとりくらいこんな男の子が存在していてくれないと
耐え難い物語だった……!


コメント
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