金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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23:鈴木邦男 『失敗の愛国心』

2010-02-06 12:01:33 | 10 本の感想
鈴木邦男『失敗の愛国心』(よりみちパン!セ)
★★★★★

うーん、やっぱりいいなあ「よりみちパン!セ」。
内容がバラエティに富んでいるし、アタリが多い。

全然知らなかったのだけど、著者は「新右翼の雄」ですって。
同じ年の右翼の少年が社会党委員長の浅沼稲次郎を刺殺した
事件に衝撃を受け、それをきっかけにして
右翼の道へ突き進むことになった自分の半生を振り返りつつ、
発した子どもたちへのメッセージ。

「政治に関心のない若者」の典型であるわたしは、
浅沼委員長刺殺事件も日本史上の出来事としてしか
認識していなかったし、大学時代、
たった一人で学生運動を展開していた人については
「過去に憧れているんだなあ。大学にはいろんな人がいるなあ」
と思っただけ。
右翼と左翼の違いや歴史的変遷はこの本を読んで初めて知った。
自らの反省をふまえた著者の真摯なメッセージに胸を打たれます。
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22:穂村弘 『整形前夜』

2010-02-06 11:47:35 | 10 本の感想
穂村弘『整形前夜』(講談社)
★★★☆☆

エッセイ集。
発表された媒体がまちまちなせいか、
カオス!な印象。

「体のなかに一定量の花粉が溜まると花粉症になる」
という話から、
「熱中していた作家について、あ、なんか、この人の本は
 もういいかも、と感じる瞬間がある。相変わらず面白いけど(略)」
と述べている「定量制」というエッセイがあるのだけど、
よくわかるなあ。
本に限らず、物だって人間関係だってそうなのだけど、
必要な時期・必要な量というのがあって、それを過ぎると
興味を失っていくものだよね。
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