人と、オペラと、芸術と ~ ホセ・クーラ情報を中心に by Ree2014

テノール・指揮者・作曲家・演出家として活動を広げるホセ・クーラの情報を収集中

2019年 ホセ・クーラ、プッチーニの家を訪ねる

2019-09-27 | 2019年プッチーニ音楽祭

 

 

ホセ・クーラは、今年、2019年のプッチーニ・フェスティバルに、20年ぶりに出演しました。演目は、初出演の1995年の時と同じ、プッチーニのトスカでした。この時の舞台の様子は、すでにこのブログでもお伝えした通りです。

 →  「(公演編)ホセ・クーラ、2019プッチーニ・フェスティバルのトスカに出演」 と、「インタビュー編」、「告知編

 

今回は、音楽祭の期間中、クーラがプッチーニゆかりの家を訪問した時のことを紹介したいと思います。 

プッチーニは、イタリア・トスカーナ地方のトッレ・デル・ラーゴという小さな町の、マサチュッコリ湖という湖のほとりで、長年暮らしたそうです。このプッチーニが愛した湖畔の家が、現在は、ヴィラ・プッチーニ博物館として保存されています。フェスティバルが行われる専用の野外劇場は、かつてはその敷地にすぐ隣接して作られていたそうですが、現在は、すぐ近くですが少し離れて、近代的な大きな劇場が建設されています。

また、プッチーニが生まれた家は、そこから東に30キロほどの、ルッカという町にあり、こちらも現在はプッチーニ生家博物館として公開されています。この生家を2008年にクーラが訪問した時の報道やインタビューについても、ブログ記事にまとめていますので、よろしければご覧ください。

 → 「2008年 ホセ・クーラ、生誕150年のプッチーニの生家を訪ねる

 

クーラは今回の音楽祭の間、その両方の家を訪問したようです。そこでの写真や動画、クーラのフェイスブックの投稿のリンクなどを掲載しています。

 

 


 

 

 ≪湖畔のプッチーニの家、ヴィラ・プッチーニ博物館にて≫

 

クーラは、博物館を管理する財団の招待によって、特別に、通常は非公開のプッチーニのプライベートなスペース、寝室や書斎に入ることができたそうです。そして許可を得て、プッチーニのピアノの前に座り、プッチーニが生前使っていた小物に触れ、寝室でベッドにもたれるなどしながら、しばらくの時間を過ごしました。敬愛するプッチーニを非常に近く感じることができたようで、インタビューでも、とてもエモーショナルに語っています。 

 

ーープッチーニ博物館のFBより

●プッチーニが愛した湖畔の家、前景

 

●改装・保存されている室内の様子

 

 

●プッチーニの家で ーークーラのFBより

” 財団のジョバンニ・ゴディ氏のプライベートな招待を受けて、プッチーニの家を訪問した。ゴディ氏は私に、ヴィラの一般公開されていないエリアを開く特権を与えてくれた。それゆえ私は、マエストロ・プッチーニのピアノに触れ、彼の机に座って彼の眼鏡をかけ、彼の寝室にも入り、彼のベッドの同じ側にいることができた。 たくさんの感情...このような名誉を与えてくれて、プッチーニ財団に大きな感謝! "

 

●フェスティバルのFBに掲載されたクーラのインタビュー動画より

イタリア語とスペイン語での2種類で、インタビュー動画がFBにアップされていました。

私にはイタリア語もスペイン語もまったく理解できないのですが、字幕によるとクーラは、” プッチーニの家には素晴らしい雰囲気があり、湖の湿気やまわりの木々、まるでドアの後ろにプッチーニがいるようで、彼の神聖な部屋にいると、とても感情的な気分になる” ”プッチーニ音楽祭は、ワーグナーのバイロイト音楽祭、モーツアルトのザルツブルク音楽祭と同等といえる”・・などと語っているようです。

 

●同じくプッチーニの家で。こちらはプッチーニ博物館のFBにアップされた写真

 

●プッチーニ博物館のFBの動画 



≪ルッカのプッチーニの生家にて≫

 

クーラは、フェスティバルの公演の合間に、トッレ・デル・ラーゴの家だけでなく、少し離れたルッカにある、プッチーニが生れた家にも足をのばしたようです。これまでもこの生家には何度も訪れています。

 

●ルッカのプッチーニの生家にて

クーラがFBに掲載した写真です。プッチーニの生家の壁、看板を背景に。8月のイタリア、とてもリラックスしたスタイル。

 

クーラがFBにアップした、ルッカの大聖堂の写真。写真が趣味で、公演旅行の際にも必ずカメラ持参のようです。鐘楼にのぼり、内部からルッカの町を眺めた写真でしょうか。

 

 


 

2019年の8月は、長期にイタリアに滞在して、プッチーニフェスティバルに出演したクーラ。そのため夏の休暇をまとめてとることはできなかったのではないでしょうか。公演の間にプッチーニの家をはじめ、イタリア・トスカーナ地方を訪ねたりして、休暇を兼ねたのかもしれません。

今回の訪問で、プッチーニの遺品に触れ、プッチーニをいっそう身近に感じ、思いを深める機会を得たクーラ。20年ぶりの出演で、当時からの友人、同僚との再会、温かい歓迎を受け、初出演と同じトスカのカヴァラドッシでも、熱狂的な喝采とビス(アンコール)の声が止まらないなど、公演を大きく成功されることができました。とても実りあるフェスティバル出演になったことと思います。

クーラの次の公演は、10月20日の中国・上海でのオペラアリアコンサートです。そしてその後、11月以降には、ハンガリーのブダペストで、ハンガリー放送文化協会との活動が本格的にスタートします。11月4日にベートーヴェン「エグモント」、クーラ作曲「Modus」を指揮するコンサートがあり、11月13日にはヴェルディ「レクイエム」を指揮します。またクーラ作曲のオラトリオの録音もおこなわれます。そして、来年1月に初演を迎えるクーラ作曲オペラ「モンテズマと赤毛の司祭」、その準備作業も併せてすすめられるでしょうから、この秋、クーラは、カレンダー上の出演予定は多くはなくとも、非常に多忙で、充実した期間だと思います。

そういう時期に、はるばる上海まで来てくれることになっています。過労による体調不良やキャンセルなく、アジアの地での公演を成功させてくれることを願っています。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする