人と、オペラと、芸術と ~ ホセ・クーラ情報を中心に by Ree2014

テノール・指揮者・作曲家・演出家として活動を広げるホセ・クーラの情報を収集中

(告知編) 2019年ホセ・クーラ 上海でオペラアリア・コンサート

2019-09-17 | コンサート ②

   (*上写真は2019年2月、リュブリャナでのコンサートより)

 

 

ホセ・クーラは、2019/20年シーズンのスタートを中東のオマーンで迎えました。オマーンの王立歌劇場マスカットのシーズン開幕公演のカルメン3公演に出演、さらにその合間に、ベートーヴェンの第9の指揮も行いました。いずれも大成功で、いずれまた紹介したいと思っています。

 → 公演の概要は以前の記事で紹介しています。 「(告知編) 2019年ホセ・クーラ、オマーン王立歌劇場のシーズン開幕公演カルメンに出演

 

そしてクーラの次の公演は、中国・上海でのオペラアリア・コンサートです。

実は、昨年からクーラの公式カレンダーには、上海のコンサートが掲載されていたのですが、なぜか、「上海、10月、歌手、オペラアリアとデュエット」とだけあり、9月半ばの現在も、日程と場所が記載されていません。

そのため調べてみたところ、日時は10月20日、午後7時半~、会場は、上海東方芸術中心(上海オリエンタルアートセンター)のようです。もちろん、会場の公式サイトをはじめ、現地のプレイガイドでチケットもすでに販売されていますし、中国のメディアでたびたび報道もされています。

公式カレンダーに日時・場所が記載されるのを待ってからと考え、今までブログでの紹介は控えてきたのですが、コンサート開催1か月前が迫ってきたので、紹介に踏み切りました。少々不安ですが、しかしこの公演は、第21回上海国際芸術フェスティバルの企画のひとつとして正式招待されたもののようですので、まさか間違いやキャンセルということはないと思いたいです・・。

日本と上海は、飛行機で約2時間、時差も1時間、とても近いですので、現在のところ来日の予定がないクーラを聞きに行くには、なかなか良いチャンスではないでしょうか。無事開催されることを願いつつ、以下、コンサートの概要を紹介します。

 

 


 

 

≪第21回中国上海国際芸術祭のHPより≫

 

上海国際芸術祭は、中国文化観光省が主催し、上海市の政府が組織する芸術祭で、1999年から取り組まれているようです。非常に大規模で多彩なプログラムが組まれており、中国の国内外の音楽、演劇、京劇、オペラ、バレエ、伝統舞踊、美術展、展示会、芸術教育プログラム、フォーラム等々、豊富な内容で、今年は10月18日から11月17日までの1か月間、続くのだそうです。

内容も、中国の伝統的芸術とともに、クラシック音楽、現代芸術など幅広く、出演者も国際的です。国外から、クーラの他にも、ティーレマン率いるウィーンフィルをはじめ、ソプラノのルネ・フレミング、ミラノスカラ座のオペラ、ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団、ピアニストのシフ・アンドラーシュなどなど、多くのアーティスト、オケが招待されています。

*すでに完売している公演もあるようです。

日本の東京交響楽団のコンサートも掲載されています。でもなぜか、東京交響楽団のHP他には情報が見当たらないのですが・・。

 

 

●第21回中国上海国際芸術祭の公式サイトのクーラのコンサート紹介ページ

「誰も寝てはならぬ」がコンサート表題になっていますね。

 

 

  

●芸術祭の音楽の企画一覧から、公演ページへの入口

ぜひフェスティバルの多彩な企画の数々をご覧ください。

  

 

 

 

≪会場の上海東方芸術中心のHPより≫

 

クーラのコンサートの会場は、上海東方芸術センター。2004年末に正式開業、こけら落とし公演はベルリンフィルだったそうです。

クーラの公演は、約2000席のメインのコンサートホールです。そのほかに、オペラホール、300席のコンサートホール、リハ室、展示ホールなどを備えた巨大な施設で、規模、内容ともに、上海の芸術の拠点となっているようです。素晴らしいロケーション、美しい施設です。

 

●会場の外観

 

●クーラのコンサートが行われるメインホール

 

 

●会場HP クーラのコンサートのページ ーー しかしチケットのオンライン購入には、大きな”壁”が・・

 

 

 

1元は、日本円で約15円ちょっと。80元から設定されていましたが、すでに安価な席は完売しているようです。平土間では、前方の約1万6千円~2万円の席か、後方の約9千円~1万3千円の席はまだあります。また2階席の両サイドと最後方の約7千~9千円の席は、今のところまだ余裕があるようです。(9月17日現在)

この公式サイトから、チケットのオンライン購入ができる仕組みですが、実はいろいろと調べた結果、ここで重大な問題があることがわかりました。中国でコンサートに行かれた経験のある方には常識かもしれませんが、結局のところ、日本からは購入ができないようです。せっかくオンライン・システムがあるのですが、チケットの購入には、中国の携帯電話の番号を登録する必要があり、また決済にも中国国内の決済手段が必要だからです。日本で通常使われているクレジットカードは利用できません。

大麦という中国のチケットサイトでも販売していますが、問い合わせたところ、やはり同様に、中国の携帯電話番号が必要で、日本では購入できないとの回答がありました。

結局のところ、中国在住の知り合いがいる人以外は、チケット購入代行の業者に依頼するしか、方法はなさそうです。もし良い方法をご存知の方は、ぜひお知恵をお貸しください。

 

 

●上海東方芸術中心の2019/20年シーズンパンフレットより


センターのシーズンパンフレットにも、クーラのコンサートは掲載されています。

 

 

 ≪予定されているプログラム≫

 

当日変更があるかもしれませんが、現在、発表されているプログラムです。

 

●歌剧《丑角》ーーレオンカヴァッロ 「道化師」
Opera Pagliacci
1.序曲 rologue
2.第一幕 咚叮 咚叮 Act I Don Din Don Din
3.内达咏叹调 Nedda’s aria
4.间奏曲 Intermezzo
5.卡尼奥的咏叹调 Canio’s aria (カニオのアリア「衣装をつけろ」)
独唱: Jose Cura 
指挥:马里·奥·德·罗斯 演奏:上海爱乐乐团
合唱:上海爱乐交响合唱团

●歌剧《纳布科》ーーヴェルディ 「ナブッコ」
Opera Nabucco
1.交响序曲 Sinfonia
2.飞翔吧!思想,乘着金色的翅膀 Va pensiero (合唱「行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って」)
指挥:Jose Cura 
演奏:上海爱乐乐团 合唱:上海爱乐交响合唱团
 
●歌剧《奥赛罗》ーーヴェルディ 「オテロ」
Opera Otello
1.二重唱第一幕,苔丝狄蒙娜·奥赛罗 Duet first act, Desdemona-Otello
2.信条-伊阿古 Credo – Iago  (イアーゴのクレド「俺は残忍な神を信じる」)
3.圣母颂-苔丝狄蒙娜 Ave Maria - Desdemona
4.奥赛罗之死 The death of Otello
独唱: Jose Cura 
指挥:马里·奥·德·罗斯
演奏:上海爱乐乐团

●歌剧《参孙与达丽拉》ーーサン=サーンス 「サムソンとデリラ」
Opera Samson et Dalila
1.参孙咏叹调(第3幕) Samson aria (3 act)  (サムソンのアリア)
2.酒神之舞 Baccanale
独唱: Jose Cura 
指挥:马里·奥·德·罗斯
演奏:上海爱乐乐团 合唱:上海爱乐交响合唱团
 
●普契尼选段ーープッチーニ・セクション
Puccini section
1.今夜无人入眠 Nessun dorma (「トゥーランドット」より「誰も寝てはならぬ」)
2.多么可爱的姑娘 O Soave fanciulla (「ラ・ボエーム」より「愛らしい乙女よ」)
独唱: Jose Cura
指挥:马里·奥·德·罗斯
演奏:上海爱乐乐团
*实际演出曲目以现场演出为准
 
上海フィルハーモニー管弦楽団コーラス、上海フィルハーモニー管弦楽団
指揮 マリオ・デ・ローズ
 
 
 
●ポスター
 
 
 
 
 

 
 
 
クーラの魅力満載のプログラム、カニオ、サムソン、オテロと、クーラの18番の演目からの曲に加え、プッチーニの名曲、さらにクーラ指揮でナブッコがあります。
同郷の指揮者マリオが同行するようですし、上海フィルと合唱団が出演します。
デュエットがありますから、まだ名前は発表されていませんが、ソプラノの共演者がいると思われます。
そして不思議なのは、イアーゴのクレドがプログラムにあることです。バリトン歌手がゲストで出演するのか、それともクーラがはじめてイアーゴに挑戦するのでしょうか?
道化師のバリトンのプロローグは、クーラはよく歌っているので、今後、イアーゴもレパートリーにいれるつもりなのか?とても興味津々ですが、当日のお楽しみですね。
 
中国は、距離的には近いですが、やはり、チケット購入をめぐって、壁も感じさせられました。同時に、急速な経済発展を遂げ、国際的にも大きな位置を占めるようになった中国は、文化・芸術の分野でも、欧米のクラシック音楽、オペラなどの著名なアーティスト、オーケストラなどを旺盛に招聘していて、非常に活気があることも実感しました。クーラはこれまでも、中国では、2007年の上海でのトゥーランドット公演とコンサート、北京・国家大劇院での2015年のサムソンなど、何回か、出演しています。韓国でも、2010年にサムソンの公演とコンサートを行っています。すぐお隣の国までは来ているクーラですが、なぜか、なかなか日本には来るチャンスがないようで、とても残念でなりません。今回のコンサートが無事成功し、上海の人々にクーラの魅力をたっぷりとみせてくれることを願っています。
 
 
 

 

  

 *写真は、劇場HPなどからお借りしました。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« (公演編)ホセ・クーラ、201... | トップ | 2019年 ホセ・クーラ、プッチ... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。