パタゴニア絶景トレッキングツアー(2025年 1/23~2/3)で見た植物⑥
ナンキョクブナ(南極橅)
Nothofagus antarctica(Ñire)
Nothofagus pumilio(Lenga)
ブナ目ナンキョクブナ科ナンキョクブナ属
ナンキョクブナ科(Nothofagaceae)は、ナンキョクブナ属(Nothofagus)のみの単型科で、南アメリカ大陸南部(チリ、アルゼンチン)、オーストラリア東部および南東部、ニュージーランド、ニューギニア、ニューカレドニアに43種が分布している。南極大陸には現生しないが、化石が発見されている。ブナ科(北半球中心に分布)に似ており、かつてはブナ科に含められたこともあるが、分子系統的には近縁ながら別系統であるため、APG植物分類体系でも別科としている。現地ガイドの話では、「パタゴニアの森にはÑire(Nothofagus antarctica)とLenga(Nothofagus pumilio)の2種類のナンキョクブナが生えており、Ñireは樹の幹が曲がっているが、Lengaは真直ぐ直立している」と言っていた。確かに樹形の異なる2種類のナンキョクブナが生えていたが、両者の葉の形態に差異は見つけられなかった。
ナンキョクブナ属の「Nothofagus」はラテン語で「偽のブナ」属という意味である。ナンキョクブナ属の命名者のカール・ルートヴィヒ・ブルーメ (Carl Ludwig Blume)は、「南のブナ」属(Notofagus)と命名するつもりだったが、何らかの間違いで発表文献において"t"と"o"の間に"h"が入ってしまい「Nothofagus」になったとされている。ちなみに、Notofagus 属の英名は「Southern beech(南のブナ)」であり、和名も「ナンキョクブナ」。
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