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オウィディウス(前43-後18)『変身物語』(上)「巻1」(12)-2「シュリンクス」)(続):ユノー女神はアルゴスの百の目を孔雀の羽毛につけた!ナイルの河の岸でイオは乙女に戻った!

2021-10-17 08:34:50 | 日記
(1)メルクリウスは、眠るアルゴスの首を切り落とす!(45頁)
メルクリウスが、百の目を持つアルゴスに「シュリンクス」(葦笛)の話をしていると、アルゴスの目はみんな抵抗を失って、その光は眠りでおおわれた。メルクリウスは魔法の杖でアルゴスの瞼(マブタ)を撫で、眠りをしっかりつなぎとめた。そして眠るアルゴスの首を剣で切り落とした。
(2)ユノー女神はアルゴスの百の目を孔雀の羽毛につけた!(45頁)
アルゴスのたくさんの目にそなわっていた光は消え、闇に包まれている。ユノー女神は、これらの目を拾い上げ、可愛がっている孔雀の羽毛につけた。それらはまるでキラキラ光る宝石のように鳥の尾を一杯にした。

(3)「狂乱」(エリニユス)女神がイオを襲った!(45-46頁)
牛のイオは逃げた。にわかにユノー女神の怒りが燃え上がった。そして恐るべき「狂乱」(エリニユス)女神をイオの眼(マナコ)と心にけしかけた。胸に秘かなとげ棒を突き立てられ、恐怖におびえ、イオは世界中を逃げまわった。
(4)ナイルの河の岸でイオは乙女の姿に戻った!(46頁)
イオの苦難を終わらせたのはナイルの河だった。この河の岸にたどり着くと、牛のイオは呻きと涙と悲しげな鳴き声で、ユピテルに訴えた。ユピテルは妻の頸に腕をまわし、刑罰の中止を頼んだ。そして「あの女がお前を苦しめることは二度とないだろう」と言い、冥府の河に命じ、証人としてこれを聞かせた。ユノー女神の怒りが和らぐと、イオはもとの乙女の姿に戻った。


ルーベンス『ヘーラーとアルゴス』(1611年)
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