DIARY yuutu

yuuutunna toki no nikki

体(感覚)においてメビウスの輪のように、内面(心)と外界(物)が連続する!君とは、その多くの部分が他の人々と共有された意味世界(実はそれが感覚、感情、欲望、意図、夢、想像、虚構すべてを蔽う)だ!

2019-08-05 17:55:10 | 日記
(1)
いつ、君は君になったか。4歳の誕生日を覚えている。その時、君は君だった。君はいつも「○○」と呼ばれた。「○○」は君だった。「○○」には体があり、体がいつも君だった。君はおなかが空いた。君は熱が出た。君は泣いた。君は痛かった。君はおもちゃで遊んで楽しかった。君はお金をもらって駄菓子を買いに行った。君は体に服を着た。君はしゃべった。
(2)
君は学校に行くようになった。字を覚えた。教科書を読んだ。「してはいけないこと」を教えられた。「するべきこと」を教えられた。勉強した内容のテストがあった。好きな子ができた。日々の出来事が、言葉で記録できた。(Ex. 日記、作文、手紙)君は、人としゃべった。君は本を読んだ。こうして君は君になっていった。
(3)
君は「覇気がない」と父親にしばしば言われた。そして、やがて君は道に迷う。多くの他の人々と出会う。彼らのしきたり・慣例・ルール・規則・法令を知らねばならない。生き抜かねばならない。競争社会だ。勝たねばならない。君はベストを尽くし続けた。こうして数十年が過ぎた。それで君が、今もここに居る。金を稼ぐのは大変だ。今もそれは変わらない。
(4)
なぜ生きているか?その時、その時の最善をいつも追い求めてきた。結果は思い通りにいかなかったが、最善を尽くしてきたのは間違いない。他の人々と比べ、君は、今、かろうじて中間層に属す。
(5)
君は何だったのか?君は何なのか?君とは、体(感覚)、感情、欲望、意図、夢、意味世界、想像、虚構だ。君の体(感覚)は君の内側にあるようで、同時に君の外側でもある。体(感覚)は、外界(物)の像でなく、外界(物)そのものだ。君は体(感覚)と心(感情、欲望、意図、夢、意味世界、想像、虚構)からなる。ただし体(感覚)は心(内面)であって同時に物(外界)だ。体(感覚)においてメビウスの輪のように、内面(心)と外界(物)が連続する。
(6)
君の感情、欲望、意図の大部分は、多くの他の人々が、しきたり・慣例・ルール・規則・法令によって、君に教えた「してはいけないこと」また「するべきこと」によって規定されている。また感情の多く(Ex. 喜び、悲しみ、怒り)は他の人々と分かち合われ共有されたものだ。感覚さえ他の人々と分かち合われ共有されることが多い。(Ex. ともに互いに見る、ともに味わう、ともに互いに触る、ともに嗅ぐ、ともに互いに聞く。)話すことで意味世界(実は意味世界が、感覚、感情、欲望、意図、夢、想像、虚構すべてを覆う)が共有される。書くことでも意味世界が共有される。君とは、その多くの部分が他の人々と分かち合われ共有された意味世界だ。
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モーパッサン(1850ー1893)『二人の友』(1883):仏前哨部隊の大佐が、交戦地域に入る通行証を二人に与えたことは、情勢の見誤りだ!

2019-08-05 16:10:16 | 日記
※高山鉄男編訳『モーパッサン短編選』岩波文庫

(1)
1871年、普仏戦争のさなか、パリはプロシャ軍により包囲されていた。パリは飢え、喘いでいた。そんなある日、暗澹とした時計屋のモリソさんと小間物屋のソヴァージュさんが、道で久しぶりに出会った。二人とも国民軍の制服を着ていた。
(2)
戦争前、モリソさんは、日曜ごと汽車に乗ってマラント島まで釣りに行った。そこで、やはり釣り好きのソヴァージュさんと会った。二人は友人となった。
(3)
久しぶりに再会して、二人はカフェでアブサンを飲み、さらに別の酒場でもう1杯、飲んだ。穏やかな日和だった。ソヴァージュさんが「釣りに行きますか?」「フランス前哨部隊のデュムラン大佐を知っているから、わけなく川まで通してくれますよ」と言った。
(4)
二人は大佐から通行証をもらい、前哨線を通り越し、人気のないコロンブの町を横切り、野原をすぎ、ついに川に着いた。二人は釣りを始めた。次々と川ハゼが大量に釣れた。二人は上機嫌だった。空き家があったが、人の気配はなかった。川の向うの丘の上には、プロシャ兵がいるはずだった。
(5)
その時、背後に人の気配がした。それは4人のプロシャ兵だった。あっという間に二人が捕まる。空き家だと思った家の後ろに20人のプロシャ兵がいた。プロシャの士官が言った。「君たちは、様子を探るため派遣されたスパイだ。前哨線を通り抜けてきた以上、戻るための合言葉を知っているはずだ。それを教えれば許してやる。」
(6)
だがモリソさんもソヴァージュさんも合言葉など知らない。士官が言った。「5分待つ。言わなければ、君たちは水の底だ。」二人は、押し黙ったまま立っていた。12名の兵卒が銃を手にし、二十歩ばかり離れたところに並んだ。5分後、「あと1分だけ待とう」と士官が言った。
(7)
1分後、士官が「撃て!」と命令した。12発の銃声が一斉にとどろいた。射殺された二人は、足に石をくくりつけられ、川に投げ込まれた。

《感想1》戦争がなければ、二人は平穏にいつも通り日曜ごと、釣りをしていたろう。
《感想2》二人は前哨線を通過し、交戦地域に入った。ここに民間人は入れない。だからプロシャ側が二人を「スパイ」とみなすのに、十分な理由があった。
《感想2-2》実際、二人は「スパイ」とみなされた。Cf. 戦時のスパイに関する扱いは、ハーグ陸戦条約(1899年)に「第30条 間諜の現行犯は裁判を経て罰しなければならない」とある。 だが普仏戦争1871年は、この条約以前だ。当時、「スパイ」を直ちに射殺しても国際法上、違法とされなかった。
《感想3》そもそも仏前哨部隊の大佐(指揮官)が、交戦地域に入る通行証を二人に与えたことは、情勢の見誤りだ。大佐はプロシャ軍の動きを十分、把握できていなかった。民間人が、安全に釣りができると思った。油断だ。
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