DIARY yuutu

yuuutunna toki no nikki

この世に価値があれば、幸いだ

2018-02-23 19:08:02 | 日記
(1)
絶望している。
(2)
人々は憎み合う。
(3)
君は、嫌われる。
彼らは、君が気に入らないのだ。
気晴らしに、君は痛めつけられる。
(4)
希望が見いだせない。
悪意ばかりだ。
(5)
誤解されるばかりだ。
居場所がない。
(6)
隠れ場所を探す。
あるいは、隠れて攻撃する。
(7)
君は狡猾になる。
君は本心を隠す。
敵ばかりだ。
警戒せよ。
(8)
復讐する。
殺してやる。
君は悪鬼になる。
(9)
この世は、嫌な奴ばかりだ。
(10)
この世は殺しあいだ。
平和は奇跡だ。
共感があれば、それは幸運だ。
(11)
生まれてきたから、君は、生きる。
(11)ー2
しかし、生きたくない者が、自ら死ぬという選択も当然だ。
ただ生き残った関係者が、いろいろ困るので、今は死なない。
(12)
生きたい者だけ、生きればいい。
(13)
この世に価値があれば、幸いだ。
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中原中也(1907-1937)「秋の日」(1937年、30歳)『在りし日の歌』所収:詩人には、「雌伏の時だ」と自分を定義する元気が、まだある

2018-02-23 19:00:54 | 日記
 秋の日 An Autumn Day

 磧(カハラ)づたひの 並樹の 蔭に
秋は 美し 女の 瞼(マブタ)
 泣きも いでなん 空の 潤(ウル)み
昔の 馬の 蹄(ヒヅメ)の 音よ

Along a river, there are trees planted in a long line.
In their shades, autumn is beautiful like eyelids of a woman.
The sky seems to begin to cry as it is wet.
I longingly remember sounds of hooves of a horse walking long ago.

 長の 年月 疲れの ために
国道 いゆけば 秋は 身に沁む
 なんでも ないてば なんでも ないに
木履(カッコ)の 音さへ 身に 沁みる

I have become tired because of making efforts for a long time.
Then, autumn makes me sad while I am walking on a national road.
I deeply think, but I can't find any reason
why I am sad even when I hear sounds of wooden clogs.

 陽は今 磧(カハラ)の 半分に 射し
流れを 無形(ムギョウ)の 筏(イカダ)は とほる
 野原は 向ふで 伏せつて ゐるが

The sun is now lighting a half of a riverside
while a raft that I can't see moves on a stream.
On the other hand, a field of grass widely lies over there.

連れだつ 友の お道化た 調子も
 不思議に 空気に 溶け 込んで
秋は 案じる くちびる 結んで

My friend walking with me is conducting in a funny way.
But it looks to curiously conform to the atmosphere.
Autumn is in anxiety with its lips tightly shut.

《感想1》
詩人が、友と連れだって歩く。
男同士だ。
相手はお道化た調子。
たまたま用事かなにかで、一緒に行くことになったのだろう。

《感想2》
詩人は、やや憂鬱でセンチメンタルな気分。
①秋は美しい。「女の瞼(マブタ)」のようだ。
②空は潤んで、泣き出しそうだ。詩人が泣きたいのだ。
③「昔」とは、懐かしいということ。馬の蹄の音が、懐かしく響く。

《感想3》
④詩人は、長の年月の疲れを感じる。成功しない失意だ。かくて「秋は身に沁む」。
⑤なんでもないのに「木履(カッコ)の/音さへ/身に/沁みる」。詩人の心が、感情を、情景の属性とする。

《感想4》
午後だ。
秋の陽は短く、すでに傾き始め、磧(カワラ)の半分だけ射す。
筏(イカダ)は姿が見えない。筏の上の人だけ見えるのだ。
「半分」そして「無形(ムギョウ)」と、詩人は、未完成、無情の気分だ。

《感想4ー4》
ただし、「野原は/向こふで/伏せつて/ゐる」から、詩人には、「雌伏の時だ」と自分を定義する元気が、まだある。

《感想5》
詩人の失意、疲れ、憂鬱が、少し和む。
彼は、友のお道化た調子に、いらだたない。
その調子が「不思議に/空気に/溶け/込んで」いる。

《感想5ー2》
詩人は、気を取り直しつつある。
その彼を、「秋は/案じる」。
季節は、彼に優しい。
しかし、秋の心配は大きい。だから秋は「くちびる/結んで」厳しい表情だ
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