
これは沖縄行きの飛行機待ちの時、読みました。
『傍聞き』
私のきらいな短編集でした。
旅行の合間での読書には最適な短かいもの語りで、
飛行機内、空港の待ち時間、電車内とそれぞれ
読みきってしまい内容もたいしたこともないので、
軽く読み過ごしてしまうことのできる本が必要な
人にはいいかもしれません。
ただ、歯医者の待合室で読むような内容の本でも
なく、登場する人は社会的な公務員の人が主人公で
そのプロの仕事振りをテクニックで彩りちょっと感動
させるという趣向のつもりのようですが、あまりに
技巧臭くて逆に鼻につくし、これを短編でやる技術と
姿勢を讃えるような解説までついてせっかくの短編
集を貶めてると感じました。
ですからもし読むのでしたら、単行本の方をお勧め
します。
もともと謎解きミステリーの本格的な物は短編である
というのが読者の中では昔から語られていましたが、
最近は新人賞の選考も懸賞も短編に限るということも
なく、いきなり長編でデビューするなんてことも珍しい
ことではなくなっているので、短編の良品は貴重な
ことになるのでしょうか。
売文業ということでいえば、需要があるところ供給も
あるはずで、ミステリーの雑誌や週刊誌など掲載の
場はあるのでそれが本にならないのはやはり優れた
書き手がいないだけなのではないかと思います。
短編ミステリーの優れた作品が少なくなった今貴重な
書きてであり作者というのにはやや賛成しかねるも
売れていることは間違いないです。
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