King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

珈琲とバナナ

2019年10月26日 23時54分55秒 | 珈琲

トランプ政権の誕生とともにメキシコとアメリカに国境の壁を作り、その費用は

メキシコ持ちという政策が注目を浴びてきました。そんな時に難民が徒歩で国境に

向かうというニュースが流れましたが、あの人たちのその後どうなってしまったのか

気になります。

 

昨年の11月からホンジュラスやグアテマラで内乱や経済苦で国を脱出して米に向かう人が

集団で徒歩移動するというニュースがありテレビでも流れました。しかし、それから一年

メキシコにたどり着いた彼らはそのまま留め置かれ、結局、彼らに対して厳しく対処する

ことで票になると知ったトランプ氏は従来より入国審査は厳しくなり、受け入れられない人が

国境付近でキャンプする状況でしたが、その衛生面と状況悪化にキャンプは閉鎖され彼らも

多くは帰国したというのが結論のようです。

 

もともとそのようなことがないように中米各国に対しての経済援助や補助金を米はしており、

ただ、国境で追い返すのでなく、国内で貧困のない社会のための支出をしていたのです。でも

それは票を得る強い大統領を演出する政治的側面をみせ本当は有効な中米各国への働きかけが

必要なのにギャングを輸入するなという悪者史観で正しい政策を見えなくさせてしまいました。

 

昔から中米は米の思惑とか資本の意向とかの餌食になり、パナマの独立とか植民地後の経済に

米が果たした役割とか企業のかかわりとか税金回避地としての利用とか麻薬とマフィアの温床とか

様々な舞台となっています。

 

そんなところが珈琲産地なのでその歴史やどんな経済背景とそれぞれの国の経済規模を知らないと

これは珈琲の仕入れに対してもかかわることでパナマのゲイシャをただありがたがって高値で仕入れるだけでは

いけないことなのだと知るべしです。

 

よく知られる対共産主義への資本主義的アプローチによるバナナ帝国の支配というのが語られますが、

大規模プランテーションになじまない中小珈琲農園の人たちはここのところの自然環境の変化で収量が

落ちてしまい難民化したり、バナナ帝国の崩壊や大規模農業の弊害としての病虫害被害と気候変動と

資本主義に対抗するため右傾化勢力のゲリラ化とそれが潜みやすいジャングルなど複雑な様相は中米

の繁栄や農業以外の産業とか考えなくてはいけないことは多そうです。

ですが、昔ながらの手摘みとジャングルシェードで作られる良質な珈琲がなくならないよう我々としては

あんまり都会化しないで昔ながらの環境と農園が存続するように願うしか手がないのです。

 

そんな中米には多くの遺跡があることから昔から豊かな暮らしと文明があった事がうかがわれ貧しい

農村の生活しかいまはないと明るい未来も望めないとみるのは誤りです。

 

現在ニカラグアでは第二パナマ運河の建設が進められていますし、もしこれが開通すれば共産主義国の

影響が今後どのように変化してかつてのキューバ危機とかベネズエラなどがどう変化していくのかとか

経済的軍事的つながりやパナマの発展がまたニカラグアで起きるのかといった問題と遺跡の破壊とか

自然環境に与えるインパクトやジャングルや環境破壊の影響とかかなりの影響があると思われますが、

今見る限りではそんなまたまた中国的な事業で実際できるのかと眉唾物で見ている向きの方が多く、

そもそも資金不足で完成できないだろうという人もいます。

 

ニカラグアの政権が台湾との国交を持つ左傾国家というのも事態を複雑にしていて、中国主導といっても

香港の会社が建設しているというのもことを一層複雑にしていて現在ずっとデモなどで不安定化している

一国二制度が揺らぐ事態もこのまま頓挫してしまうのか、それとも新たな経済の動きを作る新動脈となるのか

全く見通せないのです。

 

色々な契約や租借地などはそのままで、工事自体は2018年2月に中止したと報道されています。

 

中国の資金送金ストップで開発が止まってしまうプロジェクトのよくある例で、開通すれば年々高額化する

パナマ運河のライバルとして影響は計り知れないものがあったのにこのまま中止なのかそれとも再開があるのか

何とも言えません。

 

もともとパナマはコロンビアの一部で運河のためにアメリカにより独立させられ、結果高層ビルの建つ大都会となり、

租税回避地としての側面もパナマ文書流失で有名になりました。そこの珈琲が世界一の珈琲と評価されている側面と

コロンビアにも同じゲイシャがあることや珈琲としてただやみくもに仕入れていたのではいけない地政学的側面は

多いのです。そのパナマからコロンビアへの陸路でのアプローチがないというのもなかなか知られていない事実で

同じ大陸ながらパナマから南米に入るのに船か飛行機の利用になります。

 

コロンビアはかつては世界第二位のかつては珈琲産地でしたが、珈琲より麻薬生産の方が有名で危険な国としての

認知度が強いと思います。バナナと同様珈琲もさび病という病気が広がり昔ながらの味で無農薬で手摘みの農園は

少なく、良い味の品もなかなか見つけられなくなっています。

 

ゲリラ対策や麻薬対策で珈琲により力を注ぐ政策が望まれます。

 

いずれにしろ中米やコロンビア、ブラジルなどおいそれと訪れてその現地の状況をより知るという簡単なことも

果たせない状況ですが、珈琲産地にも消費地にもより良い関係と発展を望まずにはいられません。

 

 

 

 

コメント
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