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ザ・ウォーク 3D

2016-02-01 | 劇場映画れびゅー
予告編を観る限り、真面目で熱い男のノンフィクションというイメージで、観ないでおこうかと思っていたのですが、とりあえず大好きなロバート・ゼメキス監督作だし、でも前作の事も有るしと葛藤しながら『ザ・ウォーク』を観てきました。
★★★★★

映画館で、3D公開しているうちに観ておいて良かった!

ロバート・ゼメキス監督作は、堅くひねくれた作風が微妙だった2012年末の『フライト』からもう3年。
その前なんて、2000年のヒッチ・コック風サスペンスの『ホワット・ライズ・ビニース』以降、実に13年も実験的な3DCG映画を3本しか撮っていなくて、実写映画で万人ウケする娯楽大作を撮ったのは、2000年の『キャスト・アウェイ』とか、見方によっては97年の『コンタクト』?いや、94年の『フォレスト・ガンプ』以来ですよ。
思えば最初に撮った『抱きしめたい』以降、ずっと常に新しい事への挑戦と、まったく違うテーマの映画を撮り続けてここまで来た訳で、個人的に全ての映画の中で一番好きな『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の監督としてだけでなく、最も尊敬し、敬愛する監督です。
今回は往年の娯楽映画の楽しい要素あり、テイストとしてファンタジーの風味あり。大人のサスペンスの要素は強めで、超シリアスな演出や、得意のVFXを駆使した視覚的な仕掛けもばっちり。がむしゃらに夢を追い続ける姿は『フォレスト・ガンプ』と重なるようにも思える要素もあり、ロバート・ゼメキス監督自身の集大成のようなてんこ盛りのようで、それでもやっぱりまだ観たことの無い域の世界に連れて行ってくれる凄い映画に仕上がっています。

技術的なところでは、冒頭ジョゼフ・ゴードン=レヴィットが登場する場面から、肌の細かな立体感が自然過ぎて、恐ろしいレベルの3D技術。
ニューヨークでのシーンについては、これまでに観た3D映画の映像の常識を覆すどこまでも遠い“リアルな奥行き”と、“自然な飛び出し”のおかげで、自分が本当にそこに居る感覚にさせられ、「落ちそうで怖い」という空気を自分の肌で感じられる。
「3D映画なんて、観ている途中で3Dである事をすっかり忘れて、本当に楽しめるのは最初だけ」とこれまで感じていたけれど、この映画についてはそれは全く当てはまらず、無いはずのワールドトレードセンターが目の前に存在し、ニューヨークの街並みを遥かな眺望で恐怖を持って楽しませてくれた。
まさに手に汗びっしょりになりました。

今は無き2棟のワールドトレードセンター間にロープを渡して違法に綱渡りを行った人物が居た事は、子供のころから何度かテレビ等で知っていましたが、何年か前にやっていた『マン・オン・ワイヤー』と言うドキュメンタリー映画は未見で、主人公フィリップ・プティについてもフランス人だったとは知らずに観始めた。
この人がフランス人だったって言うところを監督は最大限に利用していて、序盤のフランスでの場面はまるで『アメリ』のファンタジーの世界かのようなテイストに仕上げ、ファンタジーの世界から来た主人公は、ニューヨークでもフランス語を話す度にどこか浮世離れした雰囲気をたたえ続けます。

フィリップ・プティを演じるジョセフ・ゴードン・レヴィットのフランス語を交えた演技が面白いのもさる事ながら、プティ本人の指導で特訓した綱渡りに嘘っぽさが全く無いところが素晴らしい。

と、ロバート・ゼメキス監督作では近年稀に見る素晴らしい映画なのに、予告編には本編の楽しい要素が完全に欠落していて、魅力的に見えないのがもったいない。

コロンビア・ピクチャーズ抜きで、トライスターとソニー・ピクチャーズだけのダブルネームのオープニングタイトルは珍しいように思うのですが、今後こう言うパターンも増えるのかな?



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