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チャッピー

2015-05-27 | 劇場映画れびゅー
独特な終末観で、今一番新作ごとに楽しみな、ニール・ブロムカンプ監督最新作『チャッピー』を観てきました。
★★★★

『ショート・サーキット』や、『WALL・E』のように、「ロボットが意識を持ったら?」という、テクノロジーの進化によって、近い将来現実に起きそうな課題がテーマで、ボロ泣きした漫画『わたしは真悟』を今回も思い出しながらの観賞。
予告編から想像していたチャッピーの成長過程とは程遠く、ニール・ブロムカンプ監督らしい壮絶な展開の連続なのが痛々しくも、人間の赤ちゃんと同じように純粋なチャッピーの気持ちが心を打つ。

今回も舞台は南アで、テクノロジーと退廃が混在したまま経済発展が続いた世界観が、そう遠くない未来の話なのに『ブレード・ランナー』的な未来世界を彷彿とさせるところが面白い。

イングラムを彷彿とする耳が付いたデザインのロボットを演じたのは、ニール・ブロムカンプ監督作でいつも楽しませてくれているシャールト・コプリー。
彼がやってると知らずに観終わって、より感慨深い映画になりました。

他、デーヴ・パテルの優しい天才エンジニア、ヒュー・ジャックマンの鬼気迫る演技、シガニー・ウィーバーの冷徹な経営者役と、メインのキャスティングが完璧で、引っ掻き回すギャング達も芝居が面白い。

ネタバレ
やっぱりニール・ブロムカンプ監督作と最初に感じたのが、自我を持つロボットを生み出すシーンから既に掃き溜めのようなシチュエーションに堕とされてしまうところ。
そして、ならず者達に育てられてしまうと言う、不幸過ぎる展開でもママとパパを盲信してすがるように生き、その上余命は生まれてから五日しか無いと明かされる…って、えげつなさ過ぎる。

それにしても最後のごちゃごちゃが面白い。
チャッピーの心に触れたならず者は、それまでの非道な行為を返上して正義の味方のように振る舞い、悪のギャングと悪の博士と三つ巴戦。
最後は正義の博士も、ママもロボットになるって、カオス過ぎる場面で幕を閉じる辺りにワクワクしました。

人間からロボットになっちゃうって、どう言う感覚なのか、アイデンティティ保てるのか、凄く興味深い。



わたしは真悟 (Volume1) (小学館文庫)
楳図 かずお
小学館

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