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スター・ウォーズ フォースの覚醒 3D

2015-12-21 | 劇場映画れびゅー
世界同時公開初日の金曜日、二回目上映のレイトショー。
日本で唯一、先月出来たばかりの109シネマズエキスポシティーで、IMAX4Kレーザーシアターのエグゼクティブ席ど真ん中を押さえ、気合を入れて『スター・ウォーズ フォースの覚醒』を観てきました。
★★★★★

はじめに。
特に大好きと言う程の思い入れのあるシリーズというわけではありませんが、少年の頃に『スター・ウォーズ』(後にエピソード4 新たなる希望とサブタイトルが付くこととなる)が公開され、何度もテレビで放送されているのを観ていたことで、SF映画の魅力にハマり映画好きになるのに多大な影響を受けたもののひとつには間違いありません。
当時は、旧三部作(以降ルーク三部作)の最終回『スター・ウォーズ ジェダイの復讐』(後にエピソード6 ジェダイの帰還と改名)からスピンオフした『イウォーク・アドベンチャー』や、その中の俳優達が魔法の世界で活躍する『ウィロー』の方がお子様向きで楽しんでいたように覚えています。
無類の映画好きとしては、その後の『エピソード1 ファントム・メナス』から『エピソード3 シスの復讐』までの新三部作(以降アナキン三部作)も当然チェックしており、振り返ってみると、『エピソード3』に至っては『そーれりぽーと』を書き始めた頃に公開されていて(サボっていた時期なので星だけの記事ですけど)、「あれから10年か」なんてしみじみ感じてしまったり…。

と、どうでも良い話を延々と書いてしまいましたが、アナキン三部作が終わった際、ジョージ・ルーカス御大に「もう年齢的に絶対に作れない、誰にも作らせない」と言わしめていた全九部作構成のうち、後半三部作の第一作『スター・ウォーズ フォースの覚醒』(後にエピソード7と副題に足されるのでしょう)が、色々有って無事完成し、いよいよ公開です。

初日二回目の上映という事で、一回目の上映を観終えた熱気を帯びながら出てきたマニア達と、沸々としながら待っているマニアで溢れ返った劇場ロビーの活気が気分をさらに高め、お祭り感に満ちた上映のスタート!

巨大なIMAX4Kレーザーのスクリーンに映し出されるルーカスフィルムのロゴに客席中から息を飲む音が聞こえたのに続いて、宇宙空間に大映しから遠ざかっていく“STAR WARS”の文字とファンファーレ、観客からの拍手で映画がはじまる。
ここ数日仕事が手に付かず、待ちに待った瞬間が来ました。周りのみんなも同じなんでしょう。
もう作られないと諦めていたのに、まさかこんな日が来るなんて。

ネタバレ無しでは語れないので、内容についてはネタバレ明記部分以下で。
一言言えるのは、ジャー・ジャーからJ.Jに変わって本当に良かった。

IMAX4Kレーザーシアターでの上映については、IMAXデジタルシアターよりもさらに巨大なスクリーンで、中央席から観ても3Dメガネの枠幅方向ギリギリいっぱい。つまり本当の意味で視界の全てがスクリーンに収まってしまうど迫力の映像が味わえます。
IMAXデジタル上映は、高解像度なのに加えて普通の映画館よりも縦横比率が縦方向に広く、通常は観られない範囲の映像が見られるのが利点ですが、IMAX4Kレーザー上映ではさらに高精細で、さらに縦方向に広い映像が見られると言う唯一無二の特典があるので、エキスポシティに近い方で、いつもよりもちょっと支払っても良いって人は、日本に一つのこのスクリーンで観るのが最善でしょう。
(本作に関しては縦方向に映像が最大に広がるのは、とあるシークエンス限定になっており、その他は通常のIMAXデジタルと同じ縦横比率でした)
いつものIMAXデジタルとは3Dの方式も違ってメガネも異なり、首を傾けても画像が二重にならないタイプになっていて見やすかったのですが、視野角が広すぎて3Dメガネのレンズの淵付近は曇りがちに見えてしまったところだけは勿体無く感じました。

アナキン三部作の公開が3年ごとだったのに対し、今回の三部作は2年置きなところはありがたい。
とは言え、これから2年もこのまま沸々としていないといけないなんて辛過ぎる!

ネタバレ
本作は基本的にリメイクと言っても良いくらいに『エピソード4』を彷彿とする構成になっており、ストーリーラインを上手くアレンジしてなぞりながら、他のエピソードからの要素も摘みつつ、お約束と意外性の応酬で展開して行く。
ここは『スター・ウォーズ』マニアで、『スター・トレック』を見事リブートさせたJ.J.エイブラムス監督の手腕の発揮どころ。
各キャラクターの置かれる立場が絶妙にシャッフルして再構成したように感じる脚本が秀逸。

いつものように極力前情報をシャットアウトしていたので、始まるまでカイロ・レンがルークなんじゃないかとずっと疑ってましたが、どうもルークと暗黒面の接点が見出せず、違和感もあって、「そうではない」と判明してから本当に面白くなっていく。

既視感を感じる場面が続く中で、突然ミレニアム・ファルコン号が登場し、いよいよ物語スタートとばかりに飛び回って猛烈なチェイスをする序盤イチの見所なシークエンス。
IMAX4Kレーザー上映では、ここだけがIMAXフルサイズの1.43:1に切り替わり、縦方向にも完全に視界の全てが映像になる迫力あり過ぎる映像によって、椅子に磔になる程の重力を錯覚した。
体感的には足元にまで映像が広がって、空間に放り出された感覚になります。
辺境の惑星でジャンク拾いをしていたレイが、父親譲りのパイロットセンスに目覚めて観客の想像力を膨らませる場面でもあり、書きながら思い返してみて感慨もひとしお。
ただし、ルーク三部作でのルーク・スカイウォーカーはビッグスと戦闘機乗り仲間だったことが語られていたので、経験が有っての上手さだったのに比べて、本作でのレイはほぼ経験が無さそうなのにあの腕前ってのは怪しい設定ですけどね。

アドレナリンMAXで楽しませてくれて、宇宙空間に出たかと思ったら即ハン・ソロに遭遇のサプライズ。
「こんな不意打ちの登場なんて有りかよ!嬉しいけど!」観客の心理を分かり過ぎていて、観ている側も安心して弄ばれるのに身を委ねるがまま。

ハン・ソロが登場してからは急激に旧作との接点が増え始め、ミレニアム・ファルコンで酒場に向かう辺りからはボーナスとも言える懐かしい演出の連続。
レジスタンスと合流してからはルーク三部作で登場した重要な登場人物達が勢揃いで、観たかった『エピソード6』の続き感で完全に満たされる。
四半世紀前の映画の続きなのに、ドロイドを含めたモブの一人一人がそのままの姿で嬉しくて仕方がない。

この間にカイロ・レンの正体が確定し、ルーク不在の理由が判明する事で、上映まで隠されてきた全ての謎に合致が行って益々面白くなる作り。

最後はデススターをいろんな意味で何倍も強化した、改造惑星“スターキラー基地”での決戦!
ライトセイバーも、ブラスターも、そしてXウィングとTIEファイターをも駆使して描かれる既視感が逆にファン心理をくすぐるクライマックスの戦いの果てに、ハン・ソロは…。
今回の三部作でもずっと活躍してくれると信じていたのに、悲しいのとやり方が上手いのとで放心状態。
そして、「え?え?いつものパターンだとこのままファンファーレに合わせてエンドロールじゃないの?ルークは結局出ないの?!」
安心してください、もう少し先が有りますよ的にルークの登場まで描いてからのエンドロール。

ルークの活躍は、これから二年待たなければ観られないのか。
期待と、観られなかったガッカリ感とで複雑な心境。
しかもマーク・ハミルは超絶なダイエットで体を絞ったと自ら報告していたのに、顔以外はローブで覆われていてわからんし!(笑)

キャリー・フィッシャーも、公開前に本人がその辛さをぼやくと言うファンを無視したミスを犯したものの、ダイエットとアンチエイジング自体は大成功したようで、期待していた世界観を保つ容姿で居てくれていて良かった。
ここ20年の彼女が登場した映画のシーンを思い浮かべると、よくここまでお綺麗に戻れたと拍手を送りたい気分。
二人とも、この三部作に全部登場するとすると、あと3年以上は撮影の為にこのままの体形を維持しないといけないってのは大変だろうなぁ…。

ハン・ソロ役のハリソン・フォードに関しては、近年スクリーンで観ていてもかなり老け込んでしまっていて、もともとよたよた走る人だったからもうアクションなんて無理なんじゃ?と気になっていたのですが、顔つきがすっかり精悍に戻っていて、撮影序盤に大怪我をして完治まで長期間かかってしまったにも拘わらず、これまで以上に走りまわる場面がやたらと多く、付き合いでの登場感は皆無な印象なのが本当に良かった。
むしろ、まだまだ『インディー・ジョーンズ』もやれそうです。
こんなに元気でカッコいいと、『ロード・オブ・ザ・リング第一章』で奈落に消えたガンダルフが『第二章』の冒頭でパワーアップして帰って来たみたいなオチを再現して欲しい、なんて有り得ない期待を持ってみたりするくらい、ハン・ソロの死が受け入れられません。
本当に期待してなかったんです、ごめんなさい。

これまでのシリーズでは、主人公の仲間たちはそれなりに美形なビジュアルだった(ジャー・ジャー・ビンクスを除く)のに対して、今回のフィンにだけはどうしても上映前から違和感を感じていたのですが、いざ観終わってみると、もう彼なくては次回作は観たくない程気に入ってしまいました。
ライトセイバーを振り回して、彼にまでフォースが覚醒しそうに感じるような場面も有りましたが、出生の星について語られる場面が意味深だっただけに、それもアリかもしれない。

R2-D2に代わって名脇役の大役を譲られたドロイドのBB-8は、想像していた以上に愛嬌が有って、スピード感もあり、次回作ではR2-D2とどう使い分けるのかが気になるところです。

マズ・カナタの雰囲気が、どうもルピタ・ニョンゴっぽいと思っていたら、やっぱり彼女がキャプチャーで演じていたそうで、このキャスティングから考えると、あの惨劇の中も生き延びていて次回作でもキャラクターを誘う役割を果たすんでしょう。

そう言えば、メモリアルパンフレットの表紙になっているくらいに重要なキャラクター感を醸していたキャプテン・ファズマについては、見た目の特異性に反して全く活躍しないばかりか、フィンの脅しに簡単に屈してバリアを解いてしまうと言う情けなさに、本作で唯一がっかり。
ダース・モール以下の見た目だけの不発一発屋キャラとして封印して頂きたい。

元々日本映画とその文化に対するリスペクトに満ちたシリーズですが、今回は元々がシリーズのマニアであり、日本の文化が大好きなJ.J.エイブラムスの監督作という事で、日本のものへのオマージュはより多いのではないかと想像していました。
レイが初めて登場するシークエンスはナウシカのそれっぽいし、ハン・ソロ一行が賞金稼ぎに襲われる場面なんてテレビゲームの『FINAL FANTASY』を思い起こさせます。
次に観る時は、もっといろんなところに気を付けながら観てみよう。

タイトルになっている“フォースの覚醒”については、観る前からどんな風に描かれるのかが一番気になっていた点なのですが、レイは必要に駆られてミレニアム・ファルコン号を超絶テクで操縦したり、皮肉にもカイロ・レンに無理やりこじ開けられるようにして完全覚醒すると言う辺り、危なっかしくも展開が早くて面白い。
青臭さ全開なカイロ・レンはまだ暗黒面に染まりきっておらず、情緒不安定で、不機嫌になると物に当たり散らすなど感情をコントロール出来ない描写が度々。
アナキンの一族の中でも精神的に一番未熟なようで、フォースを使った拷問や、ライトセイバーの剣術戦の中で、いずれもド素人のレイに対して精神的に完全に劣っており、意図せずフォースの才能を開花させてしまう結果に繋げてしまった。
スノークの台詞によってシスの修行を終えたであろうカイロ・レンは、次回“ダース・なんちゃら”と言う名前になって、祖父のようなサイボーグ体で登場するのでしょう。
仮面のデザインもさらにリスペクトが加わって、ベイダー卿みたいに成るのでしょうが、この未熟さが払拭出来るとは思えない。

誰も殺したくないと言っていたフィンが、嬉々としてファースト・オーダーを殺戮しまくっていた矛盾と、レジスタンスに対する狂信性が次回作以降に投影されて行きそうな予感。



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1 コメント

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IMAX4Kレーザー (もののはじめのiina)
2016-01-13 10:24:40
>IMAX4Kレーザー上映ではさらに高精細で、さらに縦方向に広い映像が見られると言う唯一無二の特典がある
そんなIMAX4Kレーザー方式で見てみたいです。

>縦方向に映像が最大に広がるのは、とあるシークエンス限定になっており、その他は通常のIMAXデジタルと同じ縦横比率
SFXは、スターウオーズ初期に比べて格段に進化したように、映像処理も進化しているのですね。すごい !

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