想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

10センチの高み、早春2

2010-03-16 00:10:43 | Weblog
雑木林越しに山の白い頂が見える。青と白、単純に喜ばしいコントラストだ。
親分、ちょっと痩せてますよ、ダイエット1キロ経過中(で、37キロだもんね(汗))であるが、
なぜだか屋根から落ちた雪が融けのこって高さ10センチくらいのところに立つ。
キリリと立っている。



視線の先は‥‥、えーっと、なんにもございませんって。
しばらくやつれ顔だったのが、今度は若返って幼な顔になってきて眼がぱっちり。
かわいいベイビー、登ってる高みは10センチ。
ま、ミーちゃんハーちゃんの憧れはきっとここより低かろうと思うんである。


北海道は富良野の原野へ移住され、かの地名を今日のように有名にされた脚本家、
劇作家の倉本聰さんが、その拠点である富良野塾を閉じられるという話。
理由は正論だけになんとも複雑です。
「この数年来、入塾希望者のレベルが下がりすぎて教えようがない、大学生ならまだ
しも幼稚園から教えるなんてできないから」だそうで。
これは導く側に立つ人ならではの苦悩であり課題なので、長く考えられた末の結論
なのだろうと想像します。
本当に学ぼう、教わろうとする者ならば、シェイクスピアくらい知っていてほしい、
だそうです。そう思います。え、それなんですか~?なんて言われちゃ嫌だろうなあ。

おそらく役者になりたいという「夢」だけ食いにくる、芸能界へのコネ、足がかりを
作ってもらえるだろうくらいに思って門を叩く人が増えているのでしょう。
どこも同じようなものなんだなあ、と思います。

しかしながら、今の時代の人は‥という嘆きはあたらないのです。
いつの時代も軽薄な人間の方がむしろ多く、自ら強いて勉める者の方が稀でごく少数
なのですね。
おまけに、求め続け自らを律して極まれる人を敬う心も持ち合わせていないのでしょう。
注意受けると逆キレしたりメソメソと落ち込んだりする、それをなだめすかしてまで
教えるのは困難なことです。それこそ幼稚園生じゃないんだからってこと。
(保育士さんだってあまり聞き分けのない子は放ってますからねー、○○ちゃんダメよ~
と遠くから声かけるだけ、いい子を見てあげるのに忙しいからね)
すなわち自分勝手な都合を持ち込んで郷に入っても従わず、望みと欲だけ一人前って
のが勘違いしてやってくるとしたら、倉本先生はもうヤメヤメ、俺がなんでこんな苦労
せないかんのじゃ、ザケンなよって堪忍袋の緒もキレるわなあ。
怒られるのもあたりまえだと思います、惜しいことです(うさこ想像)。

仏教の古伝書などひもとくと、親鸞も明恵上人も同じような問題に直面し、それぞれに
方法は違えども、志低い者を強いて率いて行こうなどとはされていません。
むしろ排除の方が強い。排除といえば高慢に聞こえますが、導く側が奥へ奥へと
引きこもっていくやり方で、どんどん手が届かなくなるだけのことです。
高みにいる方のそばへ寄りたいのが人の情けでもありますが、私情あっては近寄れず。
導く側も教わる側も人対人、人の礼を外しては成り立たないわけです。

役者志望者が演劇の古典をも知らずに入門する、
人いかに生きるか気にもとめず目先の欲だけ叶えたいとカメに頼る、
いずれも礼なきがゆえのことです。
教わる側であるうさこは同輩の無礼を見るのは嫌なことかぎりなし、何より嫌なのです。
腹も立てないというほど覚っていないもんで怒りは腹に溜まり、重さでぐったりする日も
あり、そんな日にベイビーが慰めてくれます。ヒトよりオイラの方がええで~と。

簡単に都合よく手に入る、パクったり利用したりできると考える人には本当の価値は
一生かかっても死んでもわからない。
境界の一線は見えないだけに、そこを越えるには命がけでなければならない。
命がけなんて大げさな言い方が気に障るなら、イッショケンメイ(一生懸命)でもいい、
同じ意味なので。
一所懸命になれないなら、せめてフツーにマジメにやれってことだわなあ。


(なぜだか、ここが好き)

追記/ご心配いただいておりますベイビーのおなかの出来物の具合は、
ステロイド薬治療の効果が一日一日、ゆっくりとですが顕われているようです。
いろいろと、ありがたいことです。感謝申し上げます。
抗炎症剤なので脚や節々が痛かったのも軽減されているそうで、よく走ります。
ベイビーもなにやらうれしそうです。
裏山へもひさびさ積極的にお出かけになりまして、トットッと先へ走ってゆき、
後からゆくわたしが立ち止まって呼び戻したくらいです。








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