想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

バラードを聴く BANG BANG

2008-12-16 09:31:03 | Weblog

 「バラード&バートン』から
  アン・バートンの歌う、バンバンを聴いている。
  (バンバンは、'66年のシェールのヒット曲だけど最近では映画
  「キル・ビル」でナンシー・シナトラが歌って再び注目された。
   アン・バートンのヴォーカルはあまり知られていない。
   ナンシーはフランク・シナトラの娘でがす)

 手元にあるのは、'89年のCDの復刻版。もとは'69年に発売された
 バートンの代表作。
 オランダのアムステルダムで1933年に生まれ、'89年に他界、享年56歳。
 アルバム三作を遺している。短命‥‥、でも歌声が今も聴ける‥‥。
 (他は、ブルー・バートン、Everything Happens)

 バンバンは、さよならも言わずに行ってしまった幼なじみの恋人を思う
 痛みを歌っている。バンバン、はもちろん撃つ音、撃たれた音。

 小さい頃、木の棒を股にはさんだ馬に乗って、バンバンと撃ち合って
 遊んだ、彼は黒い服、わたしは白い服を着ていた‥‥。
 彼はわたしを撃った、わたしは草原を撃った、バンバン
 とても恐い音、バンバン
彼はわたしを撃ち倒した。

 ジャズ・ヴォーカルが特に好きという人でなくても、染みとおる
 ような語りのような歌、
 一度聴けば忘れ難い歌だから、ああ、と思い出す人も多いだろうと
 思う。歌い手によってビミョウに違うけれども。

 撃つ、そしてバンバンという誰にでもわかる直接的な言葉が
 多くのことを表して意味深、単なる片思いの失恋歌と
 は思えない広がりを持って迫って来る。
 バートンの歌い方が特にそう思わせるのだろう。

 このCDは静かな気持ちでドライブしたい時にぴったりだ。
 盛り上がったり、張り切ったり、沈みこんで感傷的になったり
 感情過多にならずにすむ。
 オーティス・レディングの熱い歌もアン・バートンはスローバラードにして
 聴かせてくれている。
 原曲がすばらしいことは言うまでもないが、ヴォーカルの力というのを
 あらためて感じてしまう。

 3分間の旅、ときに歌は遠く高いところまで運んでくれる。
 生きることに倦む日には、歌を。

 
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