江戸ちゃんはミルクのおかわりももらって、子どもたちも
おなかいっぱいで、ありがとうというか、ヨシ!なのか
目を細めて満足気な顔です。
で、催促しすぎてメッと言われたので、ちょっと休憩、
昼寝でもして待つか…
ようやく静かになったと思っていたのですが、物音を
立てたり、椅子から立ち上がる気配にも敏感に気づき、
ガバッと置きて、またチョーダイチョーダイが始まるので
コーヒーカップをそうっとテーブルに置きました。
そうっと、音を立てないようにしたつもり…
ほんの小さな、コツッというか言わないか、気づかない
くらいの音だったけど、江戸ちゃんは顔をあげ、首だけ
こっちへ向け、じっと秋波を送ってきます。
秋波っつうか、食欲で(笑)。
猫の耳は犬よりさらによく、超音波も聞き分けるそうで、
縁側から突然走りだし、草むらにいる獲物にとびかかって
いくのも合点がいきます。
まったりしているように見えて、聴こえているんですね。
広島の土砂災害で、黒ラブを飼っていた女性が、未明に
騒ぐ犬の気配で目覚め、窓の外に土石流が迫ってくるのに
気づき間一髪で脱出したという話がありました。
暗いニュースのなかで、うれしい話でした。
ラブちゃんの体重は54kgとありましたから、最近には
珍しい正統派のラブラドール・レトリーバーですね、
おかあさんは家を出た後はラブちゃんの足が泥にとられ
歩けなくなるのを引っぱりあげ抱きかかえて逃げたそうで
ほぼ火事場のナントカです。重かったろうと思います。
傷つけられても吠えなかった盲導犬オスカー君も立派に
パートナーを職場まで送り届けました。ふたりの命が無事で
本当によかったと思いました。
動物の能力やありさまに驚かされることが多いけれど、
ヒトもむかしむかしは、見えないものを見、幽しものに
気づく力があったのだと思います。
最初に神に気づいたのは誰なんだろうって思うことが
しばしばあります。古伝の記述の意味がわかってくると
ああ、そうか、これは感応しなければ書けない話だと。
伝承には初めがあるのだから、だれだ? と。
でも「なぜ」とか「だれ」とか思うのはヒトの、それも
新しいヒトの特徴なんだろうとも思いますね。
疑問はヒトを進歩させてきたのだろうけど。
失ったものが大きい気がします。
空を見上げていると、「なぜ」よりも「ああ」の方が
増えます。目を閉じると、もっとそうなり、「ああ」も
なくなり、無になれます。
ソラではなく、空ですね。