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★訴えても負けるから育鵬社の採択妨害を行う「つくる会」

「新しい歴史教科書をつくる会」の総会が6月30日に開かれました。去年も書きましたが、会場は親ソ派の頭目・松前重義(写真)ゆかりの東海大学校友会館です(自由社の創業者・石原萠記と松前重義の関係はこちら←クリック)。
 
私たちプロジェクトJのメンバーにも総会後の「懇親の集い」の招待状が届いていましたが↓
所用のため欠席させていただきました。

出席した「新しい歴史教科書をつくる会」会員の話によると、副会長の高森明勅は、受付を済ませて入っている人に対して「失礼ですがどちら様ですか」と“職務質問”をして「ほんとに失礼な奴だよ」と顰蹙を買っていたそうです。
 
理事を辞めた渡辺眞(元東京都日野市議)や東京三多摩支部事務局長の鏑木徹らがカントリーミュージックを披露したそうですが、緊張感が足りないのではないでしょうか。北朝鮮による侵攻前夜に宴会を開いていた韓国軍を思い出しました。
 
それに先立つ総会では、激論の末、例の扶桑社の教科書を継承している育鵬社の教科書は扶桑社の教科書を盗作している―というわけの分からない宣伝が「新しい歴史教科書をつくる会」の公式見解になったそうです。
 
そこで配られた「育鵬社歴史教科書盗作問題について」という文書は「倫理的に許されない行為」と吠えるだけで、提訴に言及していません。
 
そりゃそうでしょう。当ブログが下記記事で明らかにした通り、盗用を行っているのは自由社のほうですから、法的に訴えるわけにはいきません。
 
 ★自由社の「盗作」とつくる会の「倒錯」
 ★自由社による盗作の恥ずかしい証拠
 
文書には「この問題についてすでにインターネット等で、誤情報を含む多くの情報が錯綜しており」とあります。「誤情報」とは小山常実らによるデタラメ宣伝のことでしょう。
 
「国民へのアピール」という文書では「この事実を正しく国民の皆様に公表することにします。今後、この問題を早期に収束させるべく、歴史教科書における育鵬社及び自由社の執筆責任者同士の話し合いによる解決を求めていきます」としています。
 
「事実を正しく国民の皆様に公表する」というのは聞こえはいいですが、扶桑社の教科書を継承している育鵬社の教科書は扶桑社の教科書を盗作している―というわけの分からない宣伝を、「嘘も百回言えば本当になる」と唱えたヒトラーやスターリン、毛沢東のように繰り返すのでしょう(「盗作」以外にも、妄想の「中国共産党との関係」や最高裁も認定しなかった「謀略」を今ごろ持ち出している人がいますが、その種の誹謗中傷は厳しく法的責任を問われることになるでしょう)。
 
そして「新しい歴史教科書をつくる会」は育鵬社や渡部昇一さんら監修・執筆者に「話し合い」を強要します。当然拒否され、「こちらが誠実に話し合いを求めているのに拒まれた」と騒ぎます…。
 
そうやって攻撃を続け、次回の教科書検定結果が発表される平成27年春の前後に、育鵬社の採択を妨害するため敗訴を承知で裁判所に訴える―というのが「新しい歴史教科書をつくる会」の企みでしょう。
 
違うと言うなら、すぐに提訴して白黒はっきりさせてください。延ばせば延ばすほど採択妨害の意図が明白になりますよ。
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★自由社による盗作の恥ずかしい証拠


上のグラフィックは扶桑社の中学校歴史教科書を継承する「教科書改善の会」(屋山太郎代表世話人)の育鵬社教科書と、そこから分かれた「新しい歴史教科書をつくる会」(杉原誠四郎=本名・平田誠四郎=会長)の自由社版教科書の関係を示す変遷図です。
 
前回の★自由社の「盗作」とつくる会の「倒錯」←クリック に対して、善良な「新しい歴史教科書をつくる会」会員の皆さんから「なるほどよく分かりました」というメールを多数いただきました。特に、自由社が平成18年度版扶桑社教科書の図版や地図、表などを盗用しているという事実に対して「小山常実理事や一部会員の言っている『育鵬社による盗作』は『倒錯』ですね」という声が寄せられました。
 
扶桑社から絶縁された「新しい歴史教科書をつくる会」が自由社を発行元として平成22年度版(20年度検定、21年度採択)を作るにあたってやったことは、大きく分けて次の4つです。
 1.扶桑社の教科書を大部分コピー
 2.一部を自虐的に改悪この連載←クリック 参照)
 3.文化史の単元や一部コラムは一から執筆
 4.自虐教科書(東京書籍)から年表(日本史部分)を盗用この記事←クリック 参照)
 
このブログで何度か取り上げましたが、そのときの検定で自由社は文部科学省から516カ所の欠陥を指摘されて不合格になっています(「新しい歴史教科書をつくる会」はそのときの不合格の事実を未だに会員に公表していません)。20日後に再申請して、さらに136カ所の検定意見が付き、自由社はそれを受け入れて平成21年4月にようやく合格しました。
 
不合格になったときに文科省が自由社に通知した「検定審査不合格となるべき理由書」がこれです。

 
ここに列挙されている516カ所の欠陥箇所の中身は実にお粗末なもので、「太平洋戦争」が「大平洋戦争」になっていたり、「盛者必衰の理をあらわす」の「理」のルビが「こだわり」になっていたり、「中華」のルビが「ちゅか」になっていたり…、とても日本人が編集したとは思えないものです。
 
その中に次のような指摘があります。

 
人名索引について「該当ページに記述がなく、組織が不適切である」と指摘されています。
確かに平成22年度版自由社版教科書には阿倍仲麻呂や岡倉天心、菅原道真、乃木希典らは載っていません(下記記事参照)。
 ★自由社版教科書で菅原道真も乃木希典も消えた-扶桑社版からの改悪<中>
なぜ、ない人物が索引にあるのでしょうか…。次に事項索引への指摘を見てみましょう。

 
平成22年度版自由社版教科書には悪党や足利学校は載っていないのに(下記記事参照)、
 ★悪党のくせに(笑)悪党を書かない自由社版教科書-扶桑社版からの改悪<8>
それが索引に書いてあったのです。
 
もうお分かりでしょう。自由社は扶桑社教科書の索引を丸ごと盗作して検定に出したのです。ところが文化史など書き直した部分で人名や事項が落ちたため「索引にあるのに中身にない」という恥ずかしい状況になりました。これは笑い話では済まされません。自由社は教科書検定史上前代未聞のデタラメで破廉恥なことを行ったのです。
 
扶桑社が自由社を民事、刑事で訴えたときには、上記の事実も自由社による著作権侵害の重要な証拠となるでしょう。
 
善良な「新しい歴史教科書をつくる会」会員の皆さんは、「つくる会」の一部理事・会員が主張していることと当ブログの指摘のどちらが正しいか、自分の頭でよく考えてみてください。
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★自由社の「盗作」とつくる会の「倒錯」

「新しい歴史教科書をつくる会」で恒例の内部対立が起きています。30日に行われる総会を前に、扶桑社の教科書を継承している育鵬社の教科書は扶桑社の教科書を盗作している―というわけの分からない宣伝をしている人たちが「育鵬社を訴えろ!」と杉原誠四郎(本名・平田誠四郎)執行部を突き上げています。内部対立だけでなく正統保守を攻撃しています。論点を整理しておきます。
 
▼育鵬社への言いがかりは「南京大虐殺」と同じ
「新しい歴史教科書をつくる会」の自由社版歴史教科書は平成22年度版(20年度検定、21年度採択)と24年度版(22年度検定、23年度採択)の2度にわって、自虐教科書(東京書籍14年度版)から年表を盗用しました。その事実が昨年夏に発覚し、自由社と「つくる会」は謝罪しました。しかし採択敗戦後の9月になると、理事の小山常実や一部会員らによって、突如として、扶桑社の教科書を継承している育鵬社の教科書は扶桑社の教科書を盗作している―というわけの分からない「被害者」としての宣伝が始まりました。
これは原爆の加害を相殺しようと虚構の「南京大虐殺」を言い出した東京裁判と同じ構図です。違っているのは、連合国は勝者ですが、「つくる会」は敗者だという点です。
 
▼「違う」から「似ている」に突如転換
「つくる会」はそもそも「育鵬社の教科書は駄目だ。自由社が優れている」と非難してきました。ところが相手が躍進すると「あれも『つくる会系』だ」「われわれのおかげ」と言い出しました。さらに扶桑社の教科書を継承している育鵬社の教科書は扶桑社の教科書を盗作している―というわけの分からない宣伝をする者が現れました。「違う」と相違や優位性を強調したかと思うと今度は「似ている」と類似性を言い始めたのです。
 
▼「東京書籍と似てなくても似てても盗作」
小山常実らは「育鵬社による盗作」の証拠として、扶桑社と育鵬社は似ているが東京書籍など他社の記述とは似ていないからだと論じます。ところが、東京書籍と似ている記述があると「それは東京書籍を盗作しているからだよ」と言い放ちます。
自分たちは東京書籍の年表をそっくりパクっておいて、育鵬社に対して「東京書籍と似てないから盗作」「東京書籍と似てても盗作」と分裂したことを叫んでいるのです。
 
▼「盗作」記述はどこにも存在しない
扶桑社の教科書を継承している育鵬社の教科書は扶桑社の教科書を盗作している―とわけの分からない宣伝をしている人たちが「盗作個所」として指摘している部分を読み比べてみましたが、盗作にあたる記述はありません。共通の単語は登場しますが、歴史を叙述しているのですから当たり前です。
 
▼東京地裁判決は扶桑社教科書を「つくる会」のものと認めていない
扶桑社教科書の執筆に関わった藤岡信勝、西尾幹二、高森明勅、九里幾久雄の4人は平成20年6月、有名な福本修也弁護士を代理人として扶桑社教科書の出版差し止めを求めて東京地裁に提訴しましたが、地裁は翌21年8月25日、藤岡ら4人敗訴の判決を言い渡しました。藤岡らは判決を受け入れて控訴せず、藤岡らの敗訴が確定しました。
ところが、小山常実ら扶桑社の教科書を継承している育鵬社の教科書は扶桑社の教科書を盗作している―というわけの分からない宣伝をしている人たちは「敗訴したが、判決は扶桑社教科書が藤岡信勝氏ら『つくる会』側執筆者の著作物だと認めている」と主張しています。
全く違います。判決文にはこう書いてあります。
原告藤岡は…別紙著作権者一覧表の「著作権者」欄に「藤岡」と記載されている本件記述(頁)につき、少なくとも著作者の一人として著作権を有すると認められる。
「少なくとも著作者の一人」と言っているだけです。そして、伊藤隆氏、岡崎久彦氏、新田均氏や扶桑社の編集者らが参加して記述が形作られていったと認定しています。「つくる会」残留組執筆者だけの著作物とは認めていません(これについては育鵬社も13日に見解←クリック を発表しています)。小山常実は判決をねじ曲げています。
 
▼扶桑社編集部が教科書を作ったと認めている西尾幹二ら
「新しい歴史教科書をつくる会」会員の間で平成14年から15年にかけて「リライト論争」というのがありました。扶桑社教科書の初版本(平成14年度版。12年度検定、13年度採択)を改訂して平成18年度版(16年度検定、17年度採択)を検定申請するにあたって、初版本の記述量を減らしたり文章を平易にすることに対して、元会長の西尾幹二が反発し、一部の会員が同調して「つくる会」執行部や扶桑社を非難しました。西尾が当時書いた文章がここ←クリック に残っています。
西尾幹二はその後、自分のブログの「小さな意見の違いは決定的違い」という文章←クリック で、平成18年度版の扶桑社教科書は岡崎久彦氏がリライトしたからけしからんと、次のように書いています。
二つの教科書は他のあらゆるページを比べればすでに完全に内容を異とする別個の教科書である。初版本の精神を活かしてリライトするという話だったが、そんなことは到底いえない本になっている。
「つくる会」の会員諸氏もページごとに丁寧に両者を比較しているわけではないであろう。リライトされ良い教科書になった、と何となく思いこまされているだけだろう。
西尾幹二とその支持者たちは「扶桑社編集部主導で記述をメチャクチャにした」「岡崎久彦が記述を悪くした」と言っていたのです。つまり扶桑社編集部や岡崎久彦氏、伊藤隆氏らによって教科書が作られたことを認めているのです。
「リライト論争」のときに騒いだ西尾支持者たちこそが今、扶桑社の教科書を継承している育鵬社の教科書は扶桑社の教科書を盗作している―というわけの分からない宣伝をしている人たちです。
扶桑社にメチャクチャにされたはずの平成18年度版扶桑社教科書をコピーした自由社版教科書を支持し、育鵬社の教科書は扶桑社にメチャクチャにされた扶桑社の教科書を盗作しているとわめくという倒錯…。こっちまで頭がおかしくなりそうです。
西尾幹二支持者たちは、節を曲げずに初版本の記述に戻したらどうでしょうか。
 
▼扶桑社の図版を盗用している自由社
小山常実は自身の匿名ブログで「図版や地図、表などについては、実質的に藤岡氏が作成したと言えるような部分も含めて、その編集著作権は扶桑社編集部に認められているようである」と認めています。「実質的に藤岡氏が作成したと言えるような部分」という表現は判決文に存在しませんが、以下の部分を言っていると思われます。
原告藤岡が図版等について詳細な指示を出した場合には、被告において、使用許諾を得てこれらを収集する作業を行い、原告藤岡から具体的な指示がない場合には、被告の編集担当者である吉田において、掲載する図版の具体的な選定を行った。また、表や地図等については、原告藤岡から具体的な指示があった場合には、それを基に、被告の編集部においてこれらを作成し、原告藤岡から具体的な指示がない場合には、被告において、検討の上作成した(なお、図版等の選択、配列を原告藤岡が指示したことを示す証拠として、甲第15号証(「第3節 律令国家の成立」のうち、「8 聖徳太子の新政」及び「遣隋使と「天皇」号の始まり」の単元について、原告藤岡が、写真や図表のレイアウトを指示し、図表の内容や側注等の記述内容を指示した原稿)があるものの、上記2単元についてのものにすぎない。他の単元については、原告藤岡が写真や図表のレイアウトを指示し、図表の内容や側注等の記述内容を指示した原稿が提出されていないから、原告藤岡の指示がどのようなものであったのか、その内容を詳細に認定することはできない。かえって、原告藤岡は、その陳述書(甲38)において、「例えば原告藤岡が、 特定の箇所に特定の人物の肖像画を配置することを決めると、吉田において、沢山ある当該人物の肖像画の中から、入手しやすいもの、画像が鮮明なもの、その場所に配置するのに適切なもの、といった観点から具体的に掲載する肖像画を選択した。」旨陳述しており、図版等の選択作業に、吉田が関与していたことを認めている)。
小山常実の言う通り、図版や地図、表などについては扶桑社に権利があると判決は言っているのです。 
ところが自由社は扶桑社が作った図版や地図、表などを盗用しています。
 
上が平成22年度版の自由社版(20年度検定、21年度採択)111ページ、下が平成18年度版の扶桑社教科書(16年度検定、17年度採択)111ページです。自由社版の「江戸時代の交通路と都市」という地図は扶桑社の同名の地図と一字一句違いません。明らかに盗用です。同じような図版の盗用個所はいくつもあります。
現在使われている平成24年度版の自由社版(22年度検定、23年度採択)も同様の盗用状況です。

 
このように、藤岡信勝らが育鵬社や渡部昇一氏、伊藤隆氏ら執筆者を訴えても裁判所に相手にされず、逆に扶桑社から民事、刑事で訴えられて返り討ちに遭うでしょう。それとも敗訴を承知で、育鵬社の採択を妨害するために訴訟を行うつもりでしょうか。そのような業務妨害、信用毀損、そして教科書改善運動への左翼的攻撃に対して、育鵬社は先手を打つべきです。
 
ところで、「新しい歴史教科書をつくる会」のホームページに、寛仁親王殿下が自由社の『日本人の歴史教科書』にお寄せになった文章が全文転載されていますが、著作権者である寛仁親王殿下の許可を得たのでしょうか? 寛仁親王殿下と自由社の契約の中に「運動団体のホームページに転載することがある」「皇室を運動に利用する」という文言があるのでしょうか?
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★東日本大震災がただ1社載っていない自由社版教科書-記述検証〈20〉

平成24年度が始まり、昨年採択された中学校教科書が生徒たちに配られました。これを供給本といいます。教科書各社は検定合格後に見つかったミスや客観的事情の変更を文部科学省に訂正申請して供給本に盛り込みました。歴史教科書を発行するほとんどの出版社は当然、戦後最大の国難である東日本大震災の記述を追加しました。各社の供給本の東日本大震災関係記述を見てみましょう。

 
育鵬社
【p246本文】1995(平成7)年の阪神・淡路大震災に続き、2011(平成23)年には三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の巨大地震によって東北や関東の太平洋岸を大津波が襲い、死者・行方不明者は2万人近くに達しました(東日本大震災)。被災地の人たちの秩序やがまん強さ、責任感などが世界から称賛されるなか、日本中が助け合って復興への道を歩んでいます。津波によって起きた福島県の原子力発電所の事故のために、多くの周辺住民が避難生活を強いられ、エネルギー政策のあり方が議論されています。
【p246 写真2枚】東日本大震災 震災による津波は、宮城県、岩手県、福島県の沿岸部などに大きな大きな被害をあたえた。上は、宮城県名取市の住宅におし寄せる大津波。右は、避難所生活の中で、協力して食事をつくる宮城県石巻市の人々のようす。
【さくいん】東日本大震災……246
【年表】二〇一一 東日本大震災

東京書籍
【p241 第7章年表】2011 東日本大震災
【p246】(スパリゾートハワイアンズは)2011年の東日本大震災で一時休館したが、その間ダンサーの方々は、復興への願いをこめて全国で公演した。
【p247 いわき市のできごとの年表】2011 東日本大震災で大きな被害を受ける
【年表】二〇一一 東日本大震災

教育出版
【年表】二〇一一 東日本大震災が起こる

帝国書院
【p245本文】2011年3月、大地震が起こり、津波による被害や原子力発電所での事故による放射能もれなど、深刻な問題が発生しました(東日本大震災)。エネルギー政策をはじめ、これからの日本をどうするかが、問われていくことになりました。
【年表】二〇一一 東日本大震災

日本文教出版
【p263本文】1995年の阪神・淡路大震災や2011年の東日本大震災では、被災者の支援と復興に多くのボランティアが活躍しました。
【年表】二〇一一 東日本大震災

清水書院
【年表】二〇一一 東日本大震災おこる
【p270本文】そうしたなか、2011年に東日本大震災が発生、地震と津波で多大な人命が失われた。また、原子力発電所も損壊し、大量の放射性物質が外部にもれ出す事故がおきた。
【p271 死者・行方不明者数の地図】東日本大震災 この震災は、岩手・宮城・福島・茨城・千葉県などを襲い、約2万の死者・行方不明者を出した。福島第一原子力発電所からもれ出た放射性物質は広範囲を汚染し、人びとの生活に大きな影響をあたえ、政府の原子力発電を推進する政策にも見直しをせまることになった。
【p273本文】しかし、なお未解決の課題も多い。まずなによりも東日本大震災からの復旧・復興、放射性物質に汚染された地域の除染が緊急の課題である。
【さくいん】東日本大震災……270,271,273
 
自由社
(なし)

東日本大震災の記述が最も充実しているのは上記の通りフジサンケイグループ育鵬社です。なんと「新しい歴史教科書をつくる会」の自由社版中学校歴史教科書の供給本(右の写真)には、中学校歴史教科書7社で唯一、東日本大震災の記述がありません。
 
どうやら自由社は、採択があまりに少なかったため、供給本に向けての訂正申請に投げやりになったようです。以下、自由社版中学校歴史教科書の供給本に残っている間違いをいくつか挙げます(繰り返しますが、供給本とは実際に生徒に配られた教科書です)。
 
p46の地図で漢城に「ソウル」とルビが振ってありますが、漢城は日本語でも朝鮮語でもソウルと読みませんよと昨年10月17日付記事←クリック で教えてあげましたが、供給本でも直しませんでした。
 
 
 
p67で藤原道長の有名な歌「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の かけたることも なしと思へば」の「思ふ」が「思う」になっていますよ、現代仮名遣いにするにしても末尾の「思へば」と整合性がありませんよと教えてあげましたが、供給本でも直しませんでした。
 
 
 
 
 
 
 
p200の「土人」のルビが右にはみ出してますよと教えてあげましたが、供給本でも直しませんでした。
 
 
 
 
 
釜山(ふざん)に「プサン」と朝鮮語読みだけのルビを振ったり、西安(せいあん)に「シーアン」と支那語読みだけのルビを振っているのも直しませんでした。自由社は自分たちが支那・朝鮮語読み単独表記という最低の表記をしながら、日本語読みの育鵬社を攻撃しているのです。
 
次に自由社版公民教科書の供給本(右の写真)を見てみましょう。当ブログは自由社版公民教科書の品質の低さについて度々指摘してきました。

 ★梶山静六を梶山清六と書く自由社版教科書
 ★国旗・国歌法がただ1社載っていない自由社版教科書
 ★脳死臓器移植への疑問を書かない自由社版教科書
 ★知床も納沙布岬もロシアに占領されている自由社版教科書
 ★隠岐と竹島の距離を157メートルと書く自由社版教科書
 
さすがに「梶山清六」は直しましたが、供給本には例えば次のような間違いが残りました(しつこく書きますが、供給本とは実際に生徒に配られた教科書です)。
 
p154の「冷戦下の世界の主な紛争」の年表で「1946年 ベルリン封鎖」「1948年 ベルリン封鎖事件」とダブっていますが、ベルリン封鎖はもちろん1948年です。

 

p163の拉致事件の年表で宇出津事件が昭和52年9月18日とありますが「19日」の誤りです。久米裕さんは昭和52年9月19日、石川県能都町(今の能登町)の宇出津海岸で北朝鮮工作員に工作船で拉致されました。翌20日、石川県警は久米さんを引き渡した在日朝鮮人、李秀吉を出入国管理令と外国人登録法違反の疑いで逮捕しましたが不起訴となりました。政府の拉致問題対策本部のホームページ←クリック にも宇出津事件は19日とあります。

p172の地図の左端の文字が切れています。この供給本は東京都内の教科書販売店で購入したものです。交換を要求しようと思いますが、恐らくみんなこうなんでしょう。私のは結構ですが、生徒たちの分は全部刷り直して交換すべきです
 
 
 
 
裏見返しに掲載されている地図で知床岬や納沙布岬が「他国に占領されているわが国の領土」になっています。円で表していることがそもそもおかしいのです。
 
 
 
 
 
 
 
 
昨年7月4日付「世界日報」に現「新しい歴史教科書をつくる会」会長の杉原誠四郎(本名・平田誠四郎)が書いた文章←クリック によると、この自由社版公民教科書の「骨格を作った」のは小山常実という人だそうです。小山は扶桑社の教科書を継承している育鵬社の教科書は扶桑社の教科書を盗作している…と、わけの分からない宣伝を執念深く続けています。小山や同調者たちは多くの保守系文化人や政治家に育鵬社の教科書は盗作だという育鵬社に対する業務妨害文書を送り付けています。
 
無視されると「かまって、かまって」と騒いでいます。おかしな人だなあと思っていたら、自らの匿名ブログ←クリック で心身が不安定であることを明かしています。かわいそうな人なのです。ご家族の支えが必要ですが、ブログを見てもご家族の存在が見えません。小山は、家族問題を研究している関西の有名国立大学の女性教授に電話してみてはどうでしょうか。こんな心配をするのは余計なお世話でしょうか…。
  
※自由社版記述検証、これまでの連載
 ★南京事件への疑問を削除した自由社版教科書-記述検証〈1〉
 ★秀吉の朝鮮出兵を「侵略」に戻した自由社版教科書-記述検証〈2〉
 ★梶山静六を梶山清六と書く自由社版教科書-記述検証〈3〉
 ★内村鑑三も新渡戸稲造も載っていない自由社版教科書-記述検証〈4〉
 ★魏志倭人伝への疑問を削除し、ありがたがる自由社版教科書-記述検証〈5〉
 ★東京書籍の年表を盗用した自由社版教科書-記述検証〈6〉
 ★靖国神社も水戸学も載っていない自由社版教科書-記述検証〈7〉
 ★東北の太平洋岸を水没させた「白由社」版教科書-記述検証〈8〉
 ★陸奥宗光を睦奥宗光!ここが違う自由社版教科書-記述検証〈9〉
 ★国旗・国歌法がただ1社載っていない自由社版教科書-記述検証〈10〉
 ★チャンドラ・ボースの名前を削除した自由社版教科書-記述検証〈11〉
 ★脳死臓器移植への疑問を書かない自由社版教科書-記述検証〈12〉
 ★そもそも扶桑社を盗用している自由社版教科書-記述検証〈13〉
 ★年表盗用市販本をHPから削除した自由社版教科書-記述検証〈14〉
 ★二宮尊徳の事績を間違っている自由社版教科書-記述検証〈15〉
 ★長崎の原爆写真を「広島」と説明する自由社版教科書-記述検証〈16〉
 ★知床も納沙布岬もロシアに占領されている自由社版教科書-記述検〈17〉
 ★隠岐と竹島の距離を157メートルと書く自由社版教科書-記述検証〈18〉
 ★支那・朝鮮の地名を現地読みで読ませる自由社版教科書-記述検証〈19〉
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★「つくる会」=自由社はスキャンがお好き

「新しい歴史教科書をつくる会」の自由社版中学校歴史教科書が自虐教科書(東京書籍)から年表を盗用した問題で、当時の編集担当者の松本謙一氏が「自分は盗用に関与も関知もしていない」と主張し、それに対し「つくる会」が、東京書籍の年表をスキャナーで読み取って文字データを松本氏に渡したことを認めた―という事実を前回←クリック お伝えしました。
 
「新しい歴史教科書をつくる会」と松本謙一氏は「そのデータが東京書籍からスキャンしたものだと松本氏が知っていたのか知らなかったのか」をめぐって争っているわけで、他社の教科書をスキャナーで読み取って文字データにするという異常な行為が教科書の編集過程で行われたという事実では一致しています。
 
読み取ったデータがそのまま組み付けられ、検定申請された軌跡が文部科学省に残されています。
 
「新しい歴史教科書をつくる会」が昨年12月17日に発表した「年表流用問題の真相-編集担当者松本謙一氏の回答文書への反駁」なる文書←クリック には「別紙」として、読み取ったデータの1ページ目が添付されています。それを見ると…
縄文土器が「縄文器」になっています。
 
スキャンしたときにありがちなOCR(光学式文字読取装置)の認識ミスです。これがそのまま平成20年4月に検定申請されました。
 
 
文部科学省が公開している検定意見書には

 
「縄文器」に対して「誤りである」という検定意見が記されています。藤岡信勝をはじめとする執筆者たちはこの検定意見の段階で、年表は何かをスキャンしたものだと気付いたはずですし(気付かなければよほどの馬鹿)、スキャンを指示した「新しい歴史教科書をつくる会」事務局長・鈴木尚之やスキャン実行役の事務局員は「あれがそのまま使われている」と認識したはずです。
 
さて、「新しい歴史教科書をつくる会」=自由社は東京書籍をスキャンするだけでなく、自分たちの教科書もスキャンしています。
 
昨年お伝えしました←クリック が、4月に発行された自由社版歴史教科書には次のようなお粗末な誤記があります。

 
自由が「由」、自己が「己」、8キロが「8キ」(片仮名のロではなく漢字の口=くち)などとなっています。明らかにOCRの認識ミスです。初版(平成22年度版)をスキャナーで読み取り、チェックしなかったためこうなったのです。教科書を改訂する際、通常は前の版の電子データを使うはずですが、自由社は本をウイ~ンとスキャンして作ったのです。今はやりの「自炊」です。
 
ちなみに「新しい歴史教科書をつくる会」もホームページで自由社を「由社」と表記しています(本日保存←クリック)。上杉千年が「上杉年」になっています。
 
 
「新しい歴史教科書をつくる会」が東京書籍の教科書の文字を機械で読み取って自由社編集者に渡したという“スキャン”ダルを打ち消そうと、小山常実という「つくる会」理事が、扶桑社の教科書を継承している育鵬社の教科書は扶桑社の教科書を盗作している…と、わけの分からない宣伝を続けています。藤岡信勝もあちこちで育鵬社を著作権侵害で訴えると息巻いています。
 
「新しい歴史教科書をつくる会」はそもそも“育鵬社の教科書は駄目だ。自由社が優れている”と非難してきたのです。ところが相手が躍進すると“育鵬社は「つくる会」執筆者の文章をリライトした”と言い出しました。「違う」と相違や優位性を強調したかと思うと今度は「似ている」と類似性を言い始めたのです。
 
真相は全く逆です。自由社は平成22年度版と24年度版の二度にわたって、以下の通り扶桑社が作成した図版やレイアウトの著作権を侵害しています。善良な「新しい歴史教科書をつくる会」会員の皆さんは、今年こそマインドコントロールを脱し、正統保守の教科書普及に邁進してください。
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★東京書籍の年表スキャンを認めた「つくる会」の墓穴

「新しい歴史教科書をつくる会」の自由社版中学校歴史教科書が自虐教科書(東京書籍)から年表を盗用した問題で、当時の編集担当者の松本謙一氏が「自分は盗用に関与も関知もしていない」と主張した回答書に対し「つくる会」は17日、「反駁」書を会員に送りました。公正を旨とする当ブログは全文を紹介します。
 
「反駁」書は会長の杉原誠四郎(本名・平田誠四郎)の責任で出されたのですが、「杉原氏が年表の『担当執筆者』であり、その『主任』であったとしたら、杉原氏の性格からしても実績からしても、その仕事を無責任に放棄することはあり得ません」などと自惚れた文言があります。
 
そして「『つくる会』側の調査では、鈴木事務局長の指示で事務局員の一人がスキャナーで東書14年版の年表の文字を読み取り、テキストファイルでフロッピー・ディスクに入れ、松本氏の事務所に送ったことが確認されています」と、東京書籍の年表をスキャンして松本謙一氏側に送った事実をあっさり認め、墓穴を掘っています。
 
松本氏が年表を作成するための下書きに利用できると考え、松本氏の作業の手間を少しでも軽減してあげようという善意の支援策として行った行為」だそうです。「下書き」とはどういう意味でしょうか。小山常実という聞いたことのない短大の聞いたことのない教授が育鵬社を中傷するときに使っている「リライト」をしろということでしょうか。他社の教科書をスキャンすること自体が異常な行為です。参考資料ならスキャナーで読み取ってテキストデータにする必要はなく、本のコピーを渡せばいいだけのことです。「うまくリライトしろと言ったのに、そのまま使いやがって」ということでしょうか。
 
「つくる会」と松本謙一氏の最大の争点は「そのデータが東京書籍からスキャンしたものだと松本氏が知っていたのか知らなかったのか」というわけです。冷笑するしかありません。どうぞ両者で争ってください。
 
松本謙一氏が知っていて使ったのだとしても、後で気付いた事務局長の鈴木尚之やスキャン実行役の事務局員はなぜ黙っていたのでしょうか?
 
年表流用問題の真相
-編集担当者松本謙一氏の回答文書への反駁-
                 平成23年12月17日
               新しい歴史教科書をつくる会
年表流用問題について、当会は、11月29日付け福地惇副会長(教科書採択推進委員会委員長)名の書簡で、当時の編集担当者(自由社教科書編集室長)であった松本謙一氏に対し、流用に至った事情を照会しました。これに対し、松本氏は12月8日付けの書簡で回答すると同時に、その文書を報道機関を含むかなり広範囲の関係者に当方に無断で郵送しました。 しかし、その内容は自己の責任を一切認めず、「つくる会」側の、しかも故人に責任を転嫁したものであり、その論旨は破綻しています。松本氏がこのように、調査中の事案について、「つくる会」の社会的信用を著しく貶める文書を一方的に公開したため、インターネット上でも「つくる会」のイメージダウンを狙って悪意をもって流布されています。「つくる会」としては松本氏の名誉を慮って、今まであえて編集担当者の名前に言及することを避けてきましたが、ことここに至ってはやむを得ず、以下の通り年表流用問題の真相を明らかにし、松本氏の責任を公にする必要に迫られることになりました。これを機会に、会員や支援者の皆様におかれましては、以下の事実関係をよくお読み取りいただき、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
(1)教科書編集の基本方針と年表の作成担当者 平成19年秋、「つくる会」の趣意書に基づく歴史教科書を新たに自由社から発行し、『新編 新しい歴史教科書』として平成20年4月の文科省検定に提出する方針が固まりました。代表執筆者は藤岡信勝会長(当時)がつとめ、編集担当者の役目を、前つくる会東京支部長で、定期雑誌を編集・発行してきた松本謙一氏に委嘱しました。
日付けは今のところ特定できませんが、編集の基本方針と執筆の分担を確認する会合が開かれました。その場で、
①本文及びページ単位の大型コラムの大部分の執筆と仕上げ、及び他の執筆分担者の原 稿とりまとめの責任は代表執筆者である藤岡会長が引き受ける
②本文周辺の教材及びその他のページは、自由社教科書編集室長である松本氏の責任に おいて制作する
③松本氏には、編集担当者としての職務とは別に、文化史など個々のページについては、 本文及び大型コラムの執筆者としても委嘱する
との方針が決定・確認されました。従って、年表の作成担当者は編集担当者である松本氏となります。年表については、各社教科書の年表の構成などを調査した上で、自由社独自のものをつくることを確認しました。
ところが、松本氏は回答文書の中で、「当該年表の担当執筆者に藤岡氏が指名したのは、主任は杉原先生、補佐は福地先生」だったと書いています。これは全くの虚偽であり、編集会議でそのような決定をおこなったことはありません。もし松本氏の言う通り、杉原氏が年表の「担当執筆者」であり、その「主任」であったとしたら、杉原氏の性格からしても実績からしても、その仕事を無責任に放棄することはあり得ません。それだけではなく、この嘘が成り立たないことは、松本氏の回答文書の中で、杉原氏が担当執筆者であったという松本氏の主張との矛盾が生じていますので、該当箇所で指摘することとします。
(2)年表の流用が生じた経過
さて、東京書籍平成14年度使用開始供給本(以下、「東書14年版」と略称)の歴史教科書から日本史の部分の文字情報が殆ど丸写しの形で流用された経過について、松本氏は、回答文書の冒頭で「結論」として、次のように述べています。
【当該年表の原稿は担当執筆者であった杉原誠四郎先生(現貴会会長)の指示により当時の貴会本部事務局長、鈴木尚之氏が事務局員(氏名不承知)に作成させ、私ども当時の「自由社臨時教科書編集室」にフロッピー・ディスクに記録した電子情報で送達したものをそのまま使用したもので、内容の製作経緯に関しましては、当方は一切関与も関知もしていません。】
そして本文では、さらに詳細に次のように経過を述べています。
【平成20年3月末に至って、「つくる会」鈴木事務局長から思いがけず私の事務所(当時、自由社の臨時教科書編集室として提供)に電話があり、「年表の原稿は杉原先生の指示で事務局員に入力させたので、直ちに送るからこれを使ってください」といわれました。】 【フロッピー・ディスク(だったと記憶しますが)で「つくる会」本部から私ども「臨時教科書編集室」に届いた原稿は、その時点ですでに年表の枠組みデザイン(新規に作成)を用意して文字原稿の入稿を待ち焦がれていた図表担当の下請けデザイナー須藤氏に直ちに転送してページ組みの体裁に整えました。他の分担執筆者からの入稿と全く同様に、原稿執筆者の権威と専門知識を信頼して、私および私の配下の技術スタッフは、その内容には一切手を触れていません。】
「つくる会」側の調査では、鈴木事務局長の指示で事務局員の一人がスキャナーで東書14年版の年表の文字を読み取り、テキストファイルでフロッピー・ディスクに入れ、松本氏の事務所に送ったことが確認されています。そのデータは「つくる会」事務所に保存されており、「教科書ーー年表」と名付けられたフォルダーにワードで作成された文字が「1、2、3、4」というナンバーをつけて4分割されて入っていました。保存日は平成20年2月27日です。松本氏が「3月末」としているのは記憶の間違いと思われます。データをA4の用紙に打ち出すと11ページになります。そのうちの最初の1ページは別紙の通りです。
しかし、言うまでもないことですが、鈴木氏が東書14年版の年表の文字データを事務局員に指示して入力し松本氏に送ったのは、教科書の制作作業に追われていた松本氏に同情した鈴木氏が、松本氏が年表を作成するための下書きに利用できると考え、松本氏の作業の手間を少しでも軽減してあげようという善意の支援策として行った行為であることは疑う余地がありません。ですから、松本氏はその文字データを入力の手間を節約するために利用しつつ、独自の年表として仕上げる作業をした上でデザイナーに渡すべきであったのに、その作業を怠ったということになります。この点で松本氏の責任は免れません。
ついでに言えば、松本氏の回答文書でも言及されているとおり、鈴木氏は各社の歴史教科書を取りそろえて松本氏の事務所に送りましたが、それは松本氏が年表などを作成するための参考資料であり、鈴木氏は各社の教科書の年表の構成などを調査した上で自由社独自の年表を作成するという当初からの基本方針に基づいて行動しているのです。
松本氏は、鈴木氏が「年表の原稿は杉原先生の指示で事務局員に入力させたので、直ちに送るからこれを使ってください」と電話で語ったとし、鈴木氏の行為が杉原氏の「指示」によるものだったとしています。この点について、杉原氏に確たる記憶がありませんが、「つくる会」事務所での鈴木氏との会話で、松本氏の作業を支援するため年表用に使う文字群の電子データを入力して松本氏に送ってあげればよいかもしれない、という類の話をした可能性はあります。確定的なことは言えませんが、それを鈴木氏は「杉原先生の指示」として松本氏に伝えたとも考えられます。しかし、杉原氏のこの件での関わりはそれ以上でも以下でもありません。杉原氏は、出来上がった年表を見て、当然ながらそれは松本氏が独自に作成したものであると信じていました。この点は、他のすべての「つくる会」関係者の共通した認識でした。
それよりも、もし、松本氏が本当に杉原氏が年表の「担当執筆者」の「主任」であると信じていたのなら、送られてきた原稿は杉原氏の原稿であると考えるのが当然であるのに、なぜか松本氏は、「つくる会」の事務局員が作成したものと想像しています。このことからも、松本氏は杉原氏の役割について、虚偽を述べていることはあきらかです。
(3)松本氏の弁明の矛盾
松本氏の弁明のポイントは、<鈴木氏から受け取ったフロッピーの文字情報を、松本氏は東京書籍14年版の年表の文字情報を入力しただけのものとは知らず、「つくる会」側が独自につくった年表の完成原稿だと思い込んだ>と要約できます。松本氏の言葉を引けば、「歴史に素養のある事務局員の誰かがそれら[つくる会事務所にある歴史資料を指す-引用者注]から必要事項を拾って新規に編成した原稿であろうと想像していました」、「原稿執筆者の権威と専門知識を信頼して、私および私の配下のスタッフは、その内容には一切手を触れていません」などと書いていることから松本氏の主張がわかります。
鈴木氏と松本氏の間でどのようなやりとりがあり、フロッピー・ディスクのデータについてどのような確認のもとにデータの受け渡しが行われたのか、一方の当事者である鈴木氏が死去している現在、確かめようがありません。しかし、松本氏の弁明が成り立たないことは、松本氏が引用している鈴木氏の発言や前後の事情から十分に論証できます。
第一に、松本氏の回答文書によれば、鈴木氏は「年表の原稿は杉原先生の指示で事務局員に入力させたので、直ちに送るからこれを使ってください」と言ったとのことです。もし、事務局員が年表を作成したのなら、「入力させた」という言い方をするはずがありません。年表の「作成」のほうが「入力」よりも重要な作業ですから、鈴木氏は「事務局員に作成させた」と言うはずです。「入力」という言葉は、すでにある文書を電子情報に転換したという意味になることは当然です。鈴木・松本両氏の間では、文字データが東書のものであり、下書きに利用するためのものであることは当然了解されていたはずです。
第二に、それでも松本氏は、鈴木氏から受け取ったフロッピー・ディスクの情報を「つくる会」側の作成した独自の原稿だと思い込んだ(錯覚した)という弁明は成り立ちそうに見えます。しかし、残念ながらその弁明は根本的に矛盾を含んでいて成立しません。
松本氏の回答文書によれば、図表担当の下請けデザイナー須藤氏は、原稿が到着する前に、予め「年表の枠組みデザイン」を「新規に作成」して、「文字原稿の入稿を待ち焦がれていた」とのことです。ところが、その「新規に作成」したと称する「年表の枠組みデザイン」は、新規でも何でもなく、東書平成14年版の年表と殆ど同じです。出来上がった自由社版の年表の枠組みは、「日本のおもなできごと・朝鮮・中国・世界のおもなできごと・西洋」という欄から成っていますが、この構成は東書14年版と全く同一で、各欄の横の幅のサイズまでもほぼ同じなのです。予め、東書14年版をまねるという意思が無ければ起こり得ないことです。
さらに奇妙なことがあります。年表の原稿は、松本氏の説明によれば、「思いがけず」かかってきた鈴木氏からの電話ののち送られてきたとのことですから、それが東書の教科書の年表であることは事前には知り得なかったはずです。それなのに年表の原稿が東書14年版の年表のデザインに対応するものであるということが、松本氏と須藤氏はどうしてわかったのでしょうか。要するに、「つくる会」から送られた文字データが東書14年版のものだとは知らなかったという松本氏の説明は完全に破綻しています。
第三に、つくる会の事務局で出来ることは、文字データの入力に限られます。実際、別紙をご覧いただければわかるとおり、「つくる会」側が提供したデータは、東書14年版の年表の文字情報だけを列挙した形式のもので、各欄のタイトルさえ入力されていません。この文字情報を年表の形にくみ上げるのがデザイナーの仕事になりますが、その場合、デザインすべき設計図や組み方の実物モデルがなければ、どんなデザイナーも作業を進めることは不可能です。従って、東書14年版年表の現物またはコピーを須藤氏は参照しながら、文字の配置や空間を決めていったものであることは疑いなく、その行為はもちろん松本氏の指示のもとに行われたのですから、東書14年版と同じようにデザインすることを須藤氏に指示した松本氏は、その作業が東書14年版の流用であることを十分に認識していたことになります。松本氏は「もちろん私は鈴木氏から年表の出典はまったく聞いておりません」と強弁していますが、これは虚言というほかはありません。
さらに、自由社の年表には、東書14年版で「●」印であらわされている「このころ」を表す約束事の記号を、「このころ」という文字にした独自のロゴがあります。これも、松本氏が指示しない限り須藤氏が勝手につくるはずもなく、松本氏は東書14年版からの流用であることに気付きにくいように、一種のカモフラージュとして新しいロゴを作成したと考えられます。松本氏は、「私および私の配下の技術スタッフは、その内容には一切手を触れていません」などと書いていますが、それは事実に反します。
(4)その他の論点 
以上で問題の要点は尽きていますが、松本氏の主張に見られるその他の論点について、いくつか補足しておきます。
第一に、松本氏は、年表の原稿の作成が自分の仕事ではなかったかのように説明していますが、基本方針の項で述べた通り、本文とページ単位のコラム以外の部分は、編集担当者として自由社から給与を受け取って仕事をしていた松本氏がなすべき業務でした。松本氏は、教科書の作成を自分に任せて欲しいと強く希望し、実際、本文とページ単位のコラム以外の部分はすべて仕上げました。当然ながら、年表も松本氏が担当すべき業務でした。
このような認識が、当時関係者に十分に共有されていたことは、松本氏の回答文書自体が証明しています。松本氏によれば、つくる会の鈴木事務局長がデータを松本氏に渡す際に、鈴木氏の電話は「事務局から松本さんへのプレゼントです」という冗談めいた挨拶から始まったとのことです。もし、松本氏の言う通り「つくる会」側に原稿作成の責任があるのなら、単にやるべき作業を実行しただけのことで、鈴木氏は「プレゼント」という表現をここでするはずがありません。「プレゼント」という表現は、年表作成は松本氏の仕事だが、その一部を肩代わりして作業をして差し上げた、ということを意味します。
第二に、平成21年7月1日に各執筆者の印税配分を決めた際、年表は松本氏の配分に入らなかったことを理由にして、松本氏は「代表執筆者の藤岡氏も年表は私の作成ではないと認識していた」と主張しています。これも、全く当たりません。では、年表のページは誰に印税配分されたかというと、誰にも配分されていません。これは「著作権確定のための原則」という同日配布した文書に、「表紙、目次、扉、地図、索引、などのページについては、自由社の編集部として行った作業であり、著作権の対象から除外する」と明記されていることによるものです。年表も著作権の対象から除外されているので松本氏の作成にかかるものであっても印税が発生しなかったのです。印税が発生していないということは、かえって年表が編集担当者の責任において作成されたことの明白な証拠です。
第三に、9月12日付けの自由社加瀬社長の照会に対する松本氏の9月18日付けの回答文書でも、今回の「つくる会」あての回答文書でも、松本氏は、東書の教科書が自分の事務所にはない、ということを盛んに強調しています。しかし、現実には東書14年版の年表のデザインを引き写して自由社の年表はつくられているのですから、松本氏及び須藤氏が東書14年版の年表を十分に参照したことは上記の説明のとおり疑いの余地はなく、教科書が手許にないという弁明には何の説得力も証拠価値もありません。
第四に、松本氏は、なぜ年表流用が発覚した5月の時点で自分に問い合わせをしなかったのかと問い詰めています。理由は、当時は教科書の採択期間中だったからであり、採択が終わった直後の9月12日に、上記のように自由社側が調査を開始しています。もし採択期間中に松本氏への問い合わせをしたなら、氏が自由社教科書の採択を挫折させるための妨害行動に出ることは明らかでした。現に今回、当方から質問状を出しただけで、しかも、12月10日に杉原会長が調査が完了するまで外部への公表を控えたいとの趣旨で松本氏に電話したことをも無視して、一方的に文書を公表し、「つくる会」を攻撃し、会の「清算」まで勧告するという異常な行動をとっています。この松本氏の行動そのものが、採択期間中にこの問題の究明をあえて避けた当方の対応が正しかったことを示しています。
松本氏は、「つくる会」の教科書運動にこれだけの損害を与えながら、一片の謝罪もなく、松本氏の多忙を見かねて善意で支援の手を差し伸べたことを悪用して「つくる会」側に全面的に責任を転嫁し、「死人に口無し」よろしく故人である鈴木事務局長を「キーマン」に仕立て上げて自己の責任を免れようとしています。松本氏のこのような道義に悖る態度は、かつての仲間として残念でなりません。
なお、年表流用問題についての松本回答文書への反駁は以上で完結しておりますので、当会としては、この先、これ以上議論する必要を認めません。今後、さらにこの件で「つくる会」の信用を毀損する行為がなされた場合は、法的措置も視野に入れて対応いたしますので、松本氏及びこれに加担するネット関係者に予め警告しておきます。 以上
 
*事務局注記 12月8日付け松本謙一氏の回答文書の全文は、「つくる会」のホームページに掲載します。
 
別紙
  ●このころであることを示す。
  ■日本と外国との関係をあらわす。
 ●採集や狩りによって生活する
 ●稲作,金属器の使用が始まる
 ●各地に小さな国ができる
57■倭奴国の王が後漢に使いを送る
239■邪馬台国の卑弥呼が魏に使いを送る
  大和国家の統一進む
 ●このころ,倭,高句麗と戦う
478■倭王武が中国の南朝に使いを送る
  ■百済から仏像・経典がおくられる
 ●物部,蘇我氏ら豪族が勢力を争う
593聖徳太子が摂政となる
607■小野妹子を隋に送る
630■第1回遣唐使を送る
645大化の改新
  ●公地・公民の制
  ●改新政治が進展する
701大宝律令
710都を奈良(平城京)に移す
743墾田永年私財法
  ●荘園ができ始める
784都を京都(長岡京)に移す
794都を京都(平安京)に移す
---------------------------------------------------------------
縄文文化
縄文士器
弥生文化
弥生土器
銅鏡
銅剣
銅鐸
銅矛
古墳文化
古墳 鏡・玉・はにわ
大陸文化の伝来
漢字
仏教
儒教
飛鳥文化
法隆寺
百済観音像
天平文化
「古事記」
「風士記」
「日本書紀」
東大寺の大仏完成(52)
正倉院「万葉集」
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★年表盗用は「つくる会」の仕業だった-松本謙一氏証言

【追記】「編集担当者松本謙一氏の回答文書への反駁」と題する「新しい歴史教科書をつくる会」の文書が出されました←クリック 。杉原誠四郎(本名・平田誠四郎)が年表の主任執筆者であることは否定しているものの、「つくる会」事務局員が東京書籍平成14年版の年表の文字情報をスキャナーで読み取ってフロッピーに保存し、松本氏の事務所に送ったことを認めています。その動機などについては見解の相違があるようですが、いずれにせよ「つくる会」自由社の内部で起こった問題であることには変わりありません。
…………………………………………………………………………………………………………
「新しい歴史教科書をつくる会」の自由社版中学校歴史教科書が自虐教科書(東京書籍)から年表を盗用した問題は、師走になって急展開しました。
 
「新しい歴史教科書をつくる会」=自由社は問題発覚後、「当時の編集長と連絡が取れず、経緯が確認できていないが、編集者として常識外の行動で申し訳ない」(毎日新聞へのコメント)などと、当時の編集担当者の松本謙一氏(元「つくる会」東京支部長)に責任を転嫁してきました。
 
「新しい歴史教科書をつくる会」理事の小山常実に至ってはブログで
「つくる会」には金がなく、人もいなかったので、元編集者M氏にしわ寄せが行った。M氏は時間を節約するためであろうが、東京書籍平成14年度版の年表を流用した。その1年後平成21年春、氏は別件でけんか別れして出ていった。氏は、年表のことを隠したまま出ていった。
と名誉毀損行為を行っています。
 
ところが、松本謙一氏は「新しい歴史教科書をつくる会」副会長・福地惇からの内容証明郵便(連絡取れないんじゃなかったの?)に対し、8日付で回答書を送り、驚くべき事実関係を証言しました(関係者や報道機関にも送付。下記サイトに全文あり)。
 
松本謙一さんに年表盗用の罪を着せた藤岡信勝。真犯人は…←クリック
 

 
松本謙一氏の回答書の骨子は次の通りです。
 
▼自由社版の年表を作成したのは「新しい歴史教科書をつくる会」事務局員。松本謙一氏はその電子データをそのまま使用しただけで、盗用に関与も関知もしていない
▼データを松本氏に送ったのは鈴木尚之事務局長
▼その際、鈴木事務局長は「杉原誠四郎(本名・平田誠四郎)副会長(現会長)の指示。これを使うように」と発言した
▼年表の執筆担当者は主任が杉原(本名・平田)副会長、補佐は福地惇副会長。ゲラをチェックしたのも両氏
▼「つくる会」=自由社は年表盗用発覚後「当時の編集担当者はすでに退職しており連絡がつかない」と責任を松本氏になすりつけていたが、松本氏は連絡がつく所にいた。現に今回連絡してきた。一連の対応は非常に不可解

 
真相はなお不明なものの、杉原誠四郎(本名・平田誠四郎)が盗用を指示していなかったとしても年表作成の監督責任者であることは間違いありません。鈴木尚之が今年5月に死亡しているため、杉原(本名・平田)や事務局員(関係者によると既に退職)による口裏合わせも心配されますが、関係者によると杉原(本名・平田)は10日朝に松本謙一氏に電話をかけ(連絡取れないんじゃなかったの??)「調べが不十分で申し訳ありません」と謝罪したそうです。
 
年表盗用は「新しい歴史教科書をつくる会」の責任だったのです。「つくる会」は「他社の年表を引き写してつくられたとは夢にも思わず、従って他社の年表と比較・照合するなどの問題意識がそもそも生じませんでした」(8月2日付「自由社歴史教科書の年表問題に関する『つくる会』の見解 」)と言っていますが、松本謙一氏にしてみれば「それはこっちのせりふだよ」です。
…………………………………………………………………………………………………………
この機会に「年表盗用問題の年表」を掲載しておきます。
 
■平成20年
4月17日
自由社(石原萠記社長)が文部科学省に中学校歴史教科書(平成22年度版)を検定申請。このとき申請された白表紙本で東京書籍から盗用した年表を使用

12月4日
文科省は516カ所の欠陥を指摘し不合格に。ただし年表盗用には気付かず(「新しい歴史教科書をつくる会」はこのときの不合格の事実を未だに会員に公表していない)

12月24日
自由社が指摘された部分を修正し再申請。盗用年表はそのまま
 
■平成21年
4月9日
文科省が自由社版の検定合格を発表。年表盗用には気付かず。その後、自由社(石原萠記社長)はなぜか同名の別法人・自由社(加瀬英明社長)に版権譲渡
 
4月15日
自由社(石原萠記社長)で教科書編集を一手に担い、自由社(加瀬英明社長)の取締役教科書編集室長だった松本謙一氏が突如解任・追放される
 
5月24日
自由社版の市販本『日本人の歴史教科書』が発売。盗用年表はそのまま
 
そのころ
自由社が全国の教育委員会などに採択手続き用の見本本を発送。盗用年表はそのまま
 
7月16日
自由社版の年表が豊臣秀吉の朝鮮出兵(文禄・慶長の役)を「朝鮮侵略」と表記していることを当ブログ←クリック が指摘。このときわれわれプロジェクトJは、なぜ「保守の教科書」を自称する自由社が秀吉の朝鮮出兵について「侵略」という自虐教科書と同じ用語で断罪しているのか不思議に思い「どこかの参考書か教科書を写しているのかもしれない」と感じていたが、盗用元は分からず。同じ疑問は「つくる会」関係者も持ったはず
 
■平成22年
4月
横浜市の18区中8区の市立中など採択校で自由社版供給本が生徒に配られる。「朝鮮侵略」は「朝鮮出兵」に直したが、その他の盗用年表はそのまま
 
4月21日
自由社が文科省に平成24年度版を検定申請。盗用年表はそのまま
 
■平成23年
3月30日
文科省が自由社版の検定合格を発表(盗用年表が2度目の検定合格)

4月28日
自由社版の市販本『市販本 新しい歴史教科書』が発売。盗用年表はそのまま
 
そのころ
自由社が全国の教育委員会などに採択手続き用の見本本を発送。盗用年表はそのまま
 
5月4日
「つくる会」事務局長・鈴木尚之が死亡
 
5月5日
自由社版市販本の年表が秀吉の朝鮮出兵を前回供給本の「朝鮮出兵」から再び「朝鮮侵略」に戻した事実を当ブログ←クリック が指摘。不可解な行動を受け、プロジェクトJが参考書や他社教科書の年表との照合作業に着手
 
5月26日
自由社版の年表(日本史部分)が東京書籍の平成14年度版からの盗用である事実を当ブログ←クリック が指摘。藤岡信勝はツイッターで「採択が本格化する5月になるのを待って匿名の謀略ブログで公表」と書いているが、盗用に気付いたのはこの数日前。4月なら「採択手続き開始早々」、7月なら「採択決定直前」と都合よく書くのだろう
 
6月14日
朝日新聞が年表盗用を報道。「つくる会」関係者は前日の朝日新聞からの取材が「晴天の霹靂」(正しくは青天の霹靂)などととぼけているが、当ブログには5月26日以降、関係者とみられるアクセスが多数記録されている
 
6月16日
「つくる会」会長・藤岡信勝と自由社の社長・加瀬英明、編集部長・榎本司郎が東京都北区の東京書籍を訪れ謝罪。文科省にも報告
 
7月27日
自由社がようやく市販本の回収を要請する文書を出版取次会社に送る。ここまで回収を引き延ばした理由として、「つくる会」=自由社が採択を期待していた28日の東京都教委の審議前に回収が明るみに出てはまずいとの判断があったという指摘がある

8月1日
読売新聞や毎日新聞などが夕刊で年表盗用と回収開始を報道。共同通信も配信(産経新聞は翌日朝刊で報道)
 
8月2日
藤岡信勝らが文科省記者クラブで記者会見。「当時の作成担当者は2年前に退社しており、なぜこのようなことになったのか、その経過を確かめることはできません。執筆者としては他社の年表を引き写してつくられたとは夢にも思わず、従って他社の年表と比較・照合するなどの問題意識がそもそも生じませんでした」と釈明
 
8月3日
翌日の横浜市教委の採択で自由社の勝ち目がないと悟った藤岡信勝が、謝罪から一転して、年表盗用が発覚したのは育鵬社支援グループと左翼、朝日新聞、中国共産党の謀略だとツイッターやメーリングリストでわめき始める。自分たちがこのタイミングで回収を始めたにもかかわらず「横浜の採択日の2日前にあわせて一斉に報道した」と被害妄想を展開
 
8月4日
横浜市教委が育鵬社の歴史・公民教科書を採択
 
8月9日
藤岡信勝が年表問題の責任を取り「つくる会」に会長辞任を申し出る。ツイッターに「つくる会を汚い手段で踏みつけているのが八木グループということになります。育鵬社は中韓にへつらっている教科書です」と醜い捨てぜりふを残す

 
8月31日
「つくる会」緊急理事会で藤岡信勝が会長辞任。新会長に杉原誠四郎(本名・平田誠四郎)が就任
 
9月5日
「つくる会」が文科省記者クラブで記者会見し、藤岡信勝の会長辞任などを5日遅れで発表
 
11月29日
「当時の編集長と連絡が取れない」と言っていた「つくる会」が副会長・福地惇の名で松本謙一氏になぜ無断で流用したのかと尋ねる照会書を発送
 
12月8日
松本謙一氏が回答書で、当時の杉原誠四郎(本名・平田誠四郎)副会長の指示を受けた鈴木尚之事務局長から送られたデータをそのまま使用しただけで、自分は盗用に一切関与も関知もしていないと証言
 
12月10日
「当時の編集長と連絡が取れない」と言っていた「つくる会」の会長・杉原誠四郎(本名・平田誠四郎)が松本謙一氏に電話をかけ謝罪
 
※この年表は盗用自由です。
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★支那・朝鮮の地名を現地読みで読ませる自由社版教科書-記述検証〈19〉

自虐教科書(東京書籍)から年表を盗用したことを認めて書店から回収した「新しい歴史教科書をつくる会」の自由社版中学校歴史教科書市販本の、年表を差し替え誤記の一部を直した改訂版(ISBN:9784915237652)が発売されました。表紙→
自由社は回収したときに書店あての文書で「内容を訂正しました改訂版を8月中旬以降に発行予定となっております」と言っていましたが、発行は9月15日付。しかも印刷部数は少なく、10月中旬になっても大手書店のサイトの在庫検索で軒並み「在庫なし」になっています。
 
善良な「新しい歴史教科書をつくる会」会員の皆さんから「普及運動をしたのに、また市販本を買わなければいけないのか。いい加減にしてほしい」とメールが寄せられていますが、買う必要はありません。当ブログが、4月に発行された市販本(年表を盗用した教科書)と改訂版のどこが違っていて、どこが違っていないかお教えします。
 
ここが変わっています。

 
p190の韓国併合の所で「日本は、武力を背景に韓国内の反対をおさえて、併合を断行した(韓国併合)。韓国の国内では、民族の独立を失うことへのはげしい抵抗がたびたびおこった」が、改訂版では「日本は、武力を背景に韓国内の反発をおさえて、併合を断行した(韓国併合)。韓国の国内では民族の独立を失うことへのはげしい抵抗がたびたびおこった」になっています。「反対」を「反発」に強めたのです
 
ここを変えた理由は単純で、この部分は検定の際に文部科学省から検定意見が付いて自由社が修正した所なのですが、市販本で修正通り記述せずに「反発」を「反対」にしていたのです(改訂版の記述が検定決定した記述です)。
 
自由社のこういういい加減さには辟易します。市販本の記述が実際の教科書と違うのでは、保守も左翼も、記述を検証する上で正確性に欠けてしまいます。
 
次に改訂版でも変わっていない所です。
 
<p200の「土人」のルビが右にはみ出してますよ>と、6月6日付記事←クリック で教えてあげましたが、直しませんでした
 
 
 
 
  
<p32の古代文明の地図で黄河文明の赤丸部分に地名が示されていませんよ>と指摘してあげたところ、仰韶の文字を入れましたが、ルビが「ぎょういん」になっています。これはもちろん「ぎょうしょう」の誤りです。
 
 
 
以下は初めて指摘する箇所です。
 
p46の地図で漢城に「ソウル」とルビが振ってありますが、漢城は日本語でも朝鮮語でもソウルと読みません。誤りです。ご丁寧に「漢」に「ソウ」、「城」に「ル」とルビが振ってありますが、どういうつもりでしょう。
 
 
 
p67で藤原道長の有名な歌「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の かけたることも なしと思へば」の「思ふ」が「思う」になっています。現代仮名遣いにするにしても末尾の「思へば」と整合性がありません。国語教育上有害な間違いです。
 
 
 
 
 
 
 
 
国語教育と言えば、p190のコラムは36行ある文章に1つも改行がありません。生徒がこんな文章を書いたら先生に叱られるでしょう。
 
 
 
 
 
自由社は再改訂版を出したらどうでしょうか。
 
さて、「新しい歴史教科書をつくる会」・自由社支持グループは4月以降、
 
 自分たちが南京虐殺を認めた記述をしているのに
 「育鵬社は南京虐殺を認めた」と攻撃
 したり、
 自分たちが扶桑社の著作権を侵害しているのに
 「育鵬社は著作権を侵害している」と攻撃
 しています。
 
もう一つ、「育鵬社は中国・朝鮮の人名・地名のルビを日本語だけでなく現地読みも併記しているから中韓迎合だ」というイチャモンがあります。これはもともと教科書改善の会がDVD←クリック などで既存教科書を批判してきた観点です。ですから、育鵬社の教科書は日本語読みのルビを優先して上に記載し、現地読みを下に記載。蔣介石を索引で引くときに「チャンチェシー」の「た行」ではなく、「しょうかいせき」の「さ行」に載せて、この問題を完全にクリアしています。
 
そもそも中韓に迎合してきたのは自由社です。自由社版歴史教科書の現行版(平成22、23年度版)は安重根を「アンジュングン」と朝鮮語読み単独表記しているただ一つの教科書です(他社は日本語読みの「あんじゅうこん」を併記)。
 
 
今回の平成24年度版にも朝鮮語読み単独表記がゾロゾロあります。

 
釜山(ふざん)に「プサン」と朝鮮語読みだけのルビを振っています育鵬社は当然「ふざん」です(p77、97、171、172、174、234をご確認ください)。
 
p61のキャプションで西安(せいあん)に「シーアン」と支那語読みだけのルビを振っています
 
 
 
 

自分たちが支那・朝鮮語読み単独表記という最低の表記をしながら、日本語読み表記の育鵬社を攻撃しているのです。
  
自分の行動を棚に上げて他人に転嫁するのは境界性人格障害や自己愛性人格障害にみられる症状で、まともに反論してはいけないそうですが、被害の拡大を防ぐため指摘しておきました。
  
※これまでの連載
 ★南京事件への疑問を削除した自由社版教科書-記述検証〈1〉
 ★秀吉の朝鮮出兵を「侵略」に戻した自由社版教科書-記述検証〈2〉
 ★梶山静六を梶山清六と書く自由社版教科書-記述検証〈3〉
 ★内村鑑三も新渡戸稲造も載っていない自由社版教科書-記述検証〈4〉
 ★魏志倭人伝への疑問を削除し、ありがたがる自由社版教科書-記述検証〈5〉
 ★東京書籍の年表を盗用した自由社版教科書-記述検証〈6〉
 ★靖国神社も水戸学も載っていない自由社版教科書-記述検証〈7〉
 ★東北の太平洋岸を水没させた「白由社」版教科書-記述検証〈8〉
 ★陸奥宗光を睦奥宗光!ここが違う自由社版教科書-記述検証〈9〉
 ★国旗・国歌法がただ1社載っていない自由社版教科書-記述検証〈10〉
 ★チャンドラ・ボースの名前を削除した自由社版教科書-記述検証〈11〉
 ★脳死臓器移植への疑問を書かない自由社版教科書-記述検証〈12〉
 ★そもそも扶桑社を盗用している自由社版教科書-記述検証〈13〉
 ★年表盗用市販本をHPから削除した自由社版教科書-記述検証〈14〉
 ★二宮尊徳の事績を間違っている自由社版教科書-記述検証〈15〉
 ★長崎の原爆写真を「広島」と説明する自由社版教科書-記述検証〈16〉
 ★知床も納沙布岬もロシアに占領されている自由社版教科書-記述検〈17〉
 ★隠岐と竹島の距離を157メートルと書く自由社版教科書-記述検証〈18〉
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★自由社版教科書採択校一覧を「つくる会」に代わって公表

「新しい歴史教科書をつくる会」の総会が18日、親ソ派の頭目・松前重義ゆかりの東海大学校友会館で開かれました(自由社の創業者・石原萠記と松前重義の関係はこちら ←クリック)。
 
総会では当ブログに言及した文書が配られました。自虐教科書(東京書籍)から年表を盗用しながら、それを反省せず、最初に公表した当ブログを非難するという、例の八つ当たり ←クリックです。
 
会場はしらけましたが、ある地方幹部は「あのブログを追及すべきだ!」と息巻いていました。
 
自分が万引をしたのに「見つけた奴が悪い」と言っているのと同じです。「後ろから刺した」と言っている奴もいますが、当ブログは万引仲間ではありませんので、その例えは迷惑です(仮に年表問題がなくても自由社の採択結果は同じでした)。
 
「新しい歴史教科書をつくる会」は8月2日に発表した「自由社歴史教科書の年表問題に関する『つくる会』の見解」で、「残る問題は、教科書会社相互の権利関係です。(中略)今後は、自由社と東京書籍との民間会社同士の交渉に委ねられる領域の問題となります」と言っています。これは「お金を払えばいいんでしょ」と開き直っているのと同じです(なぜかこの「見解」はホームページから削除されています)。
 
息巻いていた地方幹部は、関東の太平洋岸に住み、東日本大震災のときに津波警報の中、動けない近所のお年寄りを避難させたそうです。立派な人がいるんだなあと思っていましたが、善行も台無しです。
 
当ブログには全国の「新しい歴史教科書をつくる会」会員の方からのメールがたくさん寄せられます。一番多いのは「本部は正確な情報を流してくれない」というものです。
 
ホームページにもメールマガジンにも自由社版教科書の採択校が載っていないので、当ブログが代わって公表してあげます。
 
 自由社版教科書採択校一覧
 <公立>
 東京都立特別支援学校  公民
 <私立>
 古川学園中(宮城県大崎市)  公民
 常総学院中(茨城県土浦市)  歴史、公民
 浦和実業学園中(さいたま市南区)  歴史
 東京女子学園中(東京都港区)  公民
 東京都市大等々力中(東京都世田谷区)  歴史
 開明中(大阪市城東区)  歴史、公民
 甲子園学院中(兵庫県西宮市)  歴史
 真和中(熊本市)  歴史
 鎮西中(熊本市)  歴史
 http://blog.goo.ne.jp/project-justice

育鵬社教科書採択校の最終結果はあす掲載予定です。
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★杉原誠四郎「つくる会」新会長は世界日報執筆メンバー


「新しい歴史教科書をつくる会」は5日、藤岡信勝会長が採択不振の責任を取って8月31日で理事に降格し、杉原誠四郎(本名・平田誠四郎)副会長を新会長に選出したと発表しました。
 
杉原誠四郎(本名・平田誠四郎)は自由社版公民教科書の代表執筆者です。歴史の代表執筆者である藤岡信勝が採択不振を理由に会長を辞めて、歴史より採択が少ない公民(東京都立特別支援学校と茨城の常総学院中、それと「つくる会」は発表していませんが東京の東京女子学園中と大阪の開明中も採択しています)の代表執筆者が会長に昇格するとは、全く理解できない組織です。
 
冒頭の写真は7月4日付「世界日報」の「ビューポイント」欄です。世界日報とは言わずと知れた反日宗教・世界基督教統一神霊協会(統一教会、統一協会)の日刊紙。「ビューポイント」は産経新聞の「正論」欄に相当する世界日報の看板コラムです。杉原誠四郎(本名・平田誠四郎)はそのレギュラー執筆メンバーなのです。世界日報なんかで宣伝してるから採択されなかったのではないでしょうか。
 
杉原誠四郎(本名・平田誠四郎)は、統一教会傘下の学者組織「世界平和教授アカデミー」の機関誌「世界平和研究」にも頻繁に執筆 ←クリック世界平和教授アカデミー発行の本も書いています ←クリック。統一教会の国民思想教育運動団体「東西南北統一運動国民連合(NCU―NEWS)」が6月18日に開いた「圓一教育フォーラム」で公民教科書について講演しています。
 
当ブログは正統保守の立場から、「新しい歴史教科書をつくる会」と統一教会の関係について警鐘を鳴らしてきました。
 
 ★統一教会は公安警察の監視対象
 ★扶桑社提訴を公表しない「つくる会」-代理人は福本修也弁護士
 ★「国際謀略」妄想に基づく言いがかり訴訟―藤岡信勝さんの大敗北
 
特に、藤岡信勝が八木秀次さんや扶桑社を訴えた訴訟(いずれも藤岡側敗訴が確定)の代理人が統一教会の弁護士だという事実は大きな反響を呼びました。「日本は韓国を侵略したサタン国家だから、いくらでも搾り取っていい」という文鮮明の理屈と「自虐史観の克服」にどう整合性があるのか、「新しい歴史教科書をつくる会」会長の杉原誠四郎(本名・平田誠四郎)に聞いてみたいものです。
 
さて、冒頭の7月4日付世界日報「ビューポイント」には、自由社版公民教科書について「この教科書の骨格を作ったのは、この教科書を作った運動団体『新しい歴史教科書をつくる会』の理事で、大月短期大学教授の小山常実氏である」という記述があります。教科書改善の会と当ブログに対して事実無根の中傷を行っている小山常実は自由社版公民教科書の一執筆者ではなく、総合監修者なのです。
 
その小山常実も世界日報「ビューポイント」の執筆メンバーです。

 
いやはや…。自由社版公民教科書は“文鮮明教科書”なのでしょうか?
 
小山常実から当ブログにはいまだに謝罪がなく、ブログも削除されていません。
 
学園紛争まっただ中の京都大学に在籍し、  ♪ 時計台の 下で逢って 私の恋は はじま~りました…。国家観、家族観、男女観のギャップ。世界日報執筆メンバーになるまでの遍歴。皆さん知りたいですよね。
 
もう少し待ってみます。
連絡先 project-justice@mail.goo.ne.jp
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★隠岐と竹島の距離を157メートルと書く自由社版教科書-記述検証〈18〉

教科書改善の会(屋山太郎代表世話人)のメンバーが執筆したフジサンケイグループ育鵬社の中学校歴史・公民教科書の躍進を素直に喜べない自称「保守」の人たちがいます。「うらやましい」とも「恐れ入った」とも思わない人たちです。
  
曰く
「自由社版のほうが育鵬社よりいい教科書なのに、教育委員が馬鹿だから採択されなかった」
「自由社版は90点、育鵬社は75点だけど、自虐5社よりはましだから、まあいいか」
育鵬社は、保守の教科書である自由社版より少し左の教科書を作り、自由社版を風よけにして採択を取っていった」
「年表盗用さえバレなければ自由社版は採択されていたのに」
育鵬社はどうして自由社に少し採択を分けてあげなかったのか」…
 
アホかと言いたくなります。このブログが明らかにしてきた通り、自由社版は反日・自虐に傾いた教科書であり、中学生が学ぶべき事項が載っておらず教材としての体を成していません。そして間違いと誤植だらけです。「偽保守」で「杜撰」で「出鱈目」な教科書なのです。最初から教育委員たちに一顧だにされませんでした。盗用がバレなくても採択結果は同じだったのです。勝手に負けたのです。
 
栃木県大田原市、埼玉県立伊奈学園中、東京都立中高一貫校、東京都大田区、東京都武蔵村山市、神奈川県立平塚中等教育学校、横浜市、神奈川県藤沢市、大阪府東大阪市、島根県益田地区、広島県呉市、広島県尾道市、山口県岩国地区、香川県立高松北中、愛媛県立中高一貫校、愛媛県立特別支援学校、愛媛県今治市、愛媛県四国中央市、愛媛県上島町、沖縄県八重山地区…。年表盗用がバレていなければ自由社が一つでも取っていたと思っているのですか????? おめでたいですね。
 
藤岡信勝はあるメーリングリストで当ブログのタイトルについて、「つくる会」を「正統保守の敵」と言っていると書いていますが、日本語の読み方を間違っています。〈正統保守の敵〉は〈「つくる会」〉ではなく〈「つくる会」一部首脳〉にかかっています。私たちは「つくる会」一部首脳に騙されている善良な一般会員が4年後の採択に向けて改善の会支持に合流してくることは大歓迎です。
 
ですが、「素直に喜ばない派」の潜入は
 
絶対にお断りします!
 
さて、自由社版教科書の間違い、誤植は出尽くしたかと思ったら、韓国紙・朝鮮日報の記事で下記のミスを知りました。
 
自由社版公民教科書のp149。「竹島の位置関係」の地図で隠岐と竹島の距離が「157m」になっています。もちろん「157km」の誤りです。
韓国側から「日本の教科書には隠岐から157m離れた場所に竹島があると書いてある。だから独島と竹島は別の島なのだ」と言われたらどう責任を取るのでしょう。知床岬や納沙布岬がロシアに占領されているという説明と同様、絶版に値する売国的記述です。
 
自由社版公民教科書をめぐって当ブログは下記の指摘をしてきました。
 
 ★梶山静六を梶山清六と書く自由社版教科書-記述検証〈3〉
 ★国旗・国歌法がただ1社載っていない自由社版教科書-記述検証〈10〉
 ★脳死臓器移植への疑問を書かない自由社版教科書-記述検証〈12〉
 ★知床も納沙布岬もロシアに占領されている自由社版教科書-記述検証〈17〉

 
この低品質の公民教科書の執筆者に小山常実という聞いたことのない短大の聞いたことのない教授がいますが、自分が書いた教科書が採択されなかったという怨念から、自らのブログで藤岡信勝から受け売りの謀略論を垂れ流し、当ブログに対する事実無根の中傷を書いています。
 
この小山常実という人は、教科書編著者という立場にありながら、採択期間中に「つくる会」会報やブログなどで育鵬社など他社の記述に対する誹謗中傷を繰り返してきました。これは独占禁止法や文部科学省通知に反する違法行為であり、教科書協会の宣伝行動基準にも違反しています。
 
自分たちが著作権侵害や他社中傷という違法行為をしておきながら、当ブログが盗用や記述の欠陥を指摘したことに八つ当たりしています。
 
育鵬社への中傷の一つとして、公民教科書の「父親が転勤することになった! 家族のきずなについて考えましょう。」という事例紹介で結論が単身赴任させることになったことを批判しています。
 
小山常実さん、よく考えてください。例えば、夫が山梨県の聞いたことのない短大に勤める冴えない教授で、妻が関西の有名大学に勤める優秀なフェミニズム教授だとしたら、同居は不可能ですよね?(あくまで例えば、です) 現代社会は単身赴任なしに成り立たないのではありませんか?
 
小山常実が当ブログに謝罪し、中傷を削除しない限り、この問題を徹底追及します。
 
小山常実に関する情報を緊急に募集します。
 project-justice@mail.goo.ne.jp
 
  
※これまでの連載
 ★南京事件への疑問を削除した自由社版教科書-記述検証〈1〉
 ★秀吉の朝鮮出兵を「侵略」に戻した自由社版教科書-記述検証〈2〉
 ★梶山静六を梶山清六と書く自由社版教科書-記述検証〈3〉
 ★内村鑑三も新渡戸稲造も載っていない自由社版教科書-記述検証〈4〉
 ★魏志倭人伝への疑問を削除し、ありがたがる自由社版教科書-記述検証〈5〉
 ★東京書籍の年表を盗用した自由社版教科書-記述検証〈6〉
 ★靖国神社も水戸学も載っていない自由社版教科書-記述検証〈7〉
 ★東北の太平洋岸を水没させた「白由社」版教科書-記述検証〈8〉
 ★陸奥宗光を睦奥宗光!ここが違う自由社版教科書-記述検証〈9〉
 ★国旗・国歌法がただ1社載っていない自由社版教科書-記述検証〈10〉
 ★チャンドラ・ボースの名前を削除した自由社版教科書-記述検証〈11〉
 ★脳死臓器移植への疑問を書かない自由社版教科書-記述検証〈12〉
 ★そもそも扶桑社を盗用している自由社版教科書-記述検証〈13〉
 ★年表盗用市販本をHPから削除した自由社版教科書-記述検証〈14〉
 ★二宮尊徳の事績を間違っている自由社版教科書-記述検証〈15〉
 ★長崎の原爆写真を「広島」と説明する自由社版教科書-記述検証〈16〉
 ★知床も納沙布岬もロシアに占領されている自由社版教科書-記述検〈17〉

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★知床も納沙布岬もロシアに占領されている自由社版教科書-記述検証〈17〉

自由社版歴史教科書の代表執筆者、藤岡信勝拓殖大学客員教授(「新しい歴史教科書をつくる会」会長)が“採択されないのはお前のせいだ”とツイッターなどで当ブログに八つ当たりしています。“自虐教科書から年表を盗用したことがバレていなければ採択されていたはずなのに、バラしたから悪い”というのです。盗用についての謝罪はポーズだったのです。全く反省していません。

 
当ブログは「謀略ブログ」だそうです。左翼とつるんでいるとか、中国共産党の策動だとか、妄想にとりつかれています。お気の毒ですが、メーリングリストも含め、今後も誹謗中傷が続くなら断固とした措置を取ることを警告しておきます
 
年表問題が採択の障害なら、なぜ歴史だけでなく公民教科書の採択も進まないのでしょうか? 横浜を取るために謀略を仕掛けたと言いますが、フジサンケイグループ育鵬社は横浜で自由社と争っていません。自由社には1票も入っていません。勝手に負けたのです。
 
さて、全国で唯一、自由社に1票入った東京都教育委員会(その1票が誰かは分かっています)が特別支援学校(養護学校)の公民教科書として自由社を採択(推計80冊)したのは不可解ですが、もしかしたら特別支援学校の生徒にとって親しみやすいと判断されたのかもしれません。
 
自由社版公民教科書は余白が多く、その余白に意味もなくキャラクターが配置されていて、斬新な編集です。

 
中学生になった気持ちで、余白に落書きしてみました。
 

 
レベルを下げるのは結構ですが、以下のような適当な編集は困ります。
 

 
裏見返しに掲載されている地図です。知床岬も納沙布岬も「他国に占領されているわが国の領土」になっています。「そうですか」とロシアが攻めてきたらどうするのでしょうか。外患誘致ですね。
 
自由社はどんなに採択数が少なくても、教師用指導書やワークブックを作って公民教科書を4年間きちんと供給してください。間違っても採択を返上しないでください。少しはましな教科書になるよう、今後も指摘を続けさせていただきますので。
 
※これまでの連載
 ★南京事件への疑問を削除した自由社版教科書-記述検証〈1〉
 ★秀吉の朝鮮出兵を「侵略」に戻した自由社版教科書-記述検証〈2〉
 ★梶山静六を梶山清六と書く自由社版教科書-記述検証〈3〉
 ★内村鑑三も新渡戸稲造も載っていない自由社版教科書-記述検証〈4〉
 ★魏志倭人伝への疑問を削除し、ありがたがる自由社版教科書-記述検証〈5〉
 ★東京書籍の年表を盗用した自由社版教科書-記述検証〈6〉
 ★靖国神社も水戸学も載っていない自由社版教科書-記述検証〈7〉
 ★東北の太平洋岸を水没させた「白由社」版教科書-記述検証〈8〉
 ★陸奥宗光を睦奥宗光!ここが違う自由社版教科書-記述検証〈9〉
 ★国旗・国歌法がただ1社載っていない自由社版教科書-記述検証〈10〉
 ★チャンドラ・ボースの名前を削除した自由社版教科書-記述検証〈11〉
 ★脳死臓器移植への疑問を書かない自由社版教科書-記述検証〈12〉
 ★そもそも扶桑社を盗用している自由社版教科書-記述検証〈13〉
 ★年表盗用市販本をHPから削除した自由社版教科書-記述検証〈14〉
 ★二宮尊徳の事績を間違っている自由社版教科書-記述検証〈15〉
 ★長崎の原爆写真を「広島」と説明する自由社版教科書-記述検証〈16〉
     
育鵬社や自由社版の記述について情報を募集しています。
 project-justice@mail.goo.ne.jp
 
※自由社の現行版(平成22年度版)の記述については、こちらから順次ご覧ください。
 ★安重根を取り上げ志士と称える自由社版教科書-扶桑社版からの改悪<上>
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★【速報】自由社が盗用・間違いだらけ教科書ようやく回収

追記: 警告。当ブログに対する八つ当たりは一切お断りします。
 

自虐教科書(東京書籍)から年表を盗用したり、多数の間違い、誤記、誤植がある「新しい歴史教科書をつくる会」(藤岡信勝会長)の自由社版中学校歴史教科書について、自由社は市販本の回収をようやく書店に依頼しました。→
 
遅すぎます。
 
当然、買った人には返金してくれると思います。
 
全国の教育委員会や私立中に送っている採択手続き用の見本本については回収せず、“採択されたら直すから”と開き直っています。横浜市立中(18区中8区)などの生徒が現在使っている教科書も回収せず、校長に“盗んだけど中身は間違ってないと思うよ”という文書を送りつけて終わりです。
 
自由社による著作権侵害事件は27日の衆議院文部科学委員会でも取り上げられ、高木義明文部科学大臣が不適切だと認めました。
 
関連記事
  ★東京書籍の年表を盗用した自由社版教科書-記述検証〈6〉
  ★年表盗用市販本をHPから削除した自由社版教科書-記述検証〈14〉
  ★東京書籍からの盗用という犯行(著作権法違反罪)を自供した自由社
  ★東北の太平洋岸を水没させた「白由社」版教科書-記述検証〈8〉など
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★長崎の原爆写真を「広島」と説明する自由社版教科書-記述検証〈16〉

教科書改善の会(屋山太郎代表世話人)のメンバーが執筆したフジサンケイグループ育鵬社の歴史・公民教科書の採択が続々と決まる一方、「新しい歴史教科書をつくる会」の自由社版教科書は惨敗が確定的です。東京都立の特別支援学校(養護学校)で公民教科書が採択されましたが、採択数は約80冊と推計されています。初採択なのに「つくる会」のホームページは沈黙し、採択を辞退するのではないかと言う人さえいます。歴史教科書の採択が聞こえてこないのは、自虐史観に傾いている上に、間違いだらけだからでしょう。
 
さて、広島、長崎の原爆忌が近づいてきました。犠牲者を悼み、二度と核攻撃を受けない防衛態勢を築くとともに核兵器の使用を許さない世界をつくらなければなりません。学校でもきちんと教えてほしいと思います。
 
自由社版歴史教科書は、原爆の写真で“ニセ写真”を使っています(p237)。
 
「広島に投下された原子爆弾」とキャプションが付いていますが、これは長崎のきのこ雲です。
 
非常に有名な写真で、多くの人が見たことがあると思います。長崎に原爆を投下したB29「ボックスカー号」の搭乗員が撮影しました。
 
 
アメリカ国立公文書館に所蔵されている現物←クリック と比べてみましょう。


変ですね。この写真で色の付いているものは見たことがありませんし、着色されているだけでなく、明らかに加工されています。
 
自由社はこの写真をどこから入手したのでしょうか。文部科学省に提出された出典一覧表によると、PPS通信社という写真素材業者から買っています。
 
PPS通信社のホームページでこの写真を検索すると、ありました。
 
「Atomic bomb blast over Nagasaki, 1945」(1945年、長崎上空で爆発した原子爆弾)と書かれています。販売元の説明は間違っていません。自由社が「広島」と間違ったキャプションを付けたのです。
 
この写真は自由社版の現行版(平成22、23年度使用)にも使われています(p211)。ただ、キャプションは「爆発した原子爆弾」になっていますから、現行版の説明については間違いではありません。
 
「新しい歴史教科書をつくる会」の藤岡信勝会長は、自虐教科書から年表を盗用した問題を、追放した元自由社教科書編集室長、松本謙一氏とそのスタッフのせいにしていますが、この原爆写真は、松本氏らが追放された後に作られた教科書でわざわざキャプションを変えているのですから、他人のせいにはできません。
 
着色されているのはなぜでしょうか。PPS通信社の説明には「Computer enhanced color photograph」(コンピューター処理で画質を高めたカラー写真)と書かれています。そして写真家欄に「Scott Camazine」(スコット・カマジン)とあります。撮影者はB29の搭乗員のはずですが…。スコット・カマジンとは誰でしょうか。
 
カマジン氏(ホームページはここ)は米ペンシルべニア州に住む生物学者で、写真家でもあります。人体や生物の写真をコンピューターで画像処理して発表しています。
 
グーグルで「atomic bomb」+「Scott Camazine」で画像検索すると、自由社版に載っているのと同じ写真がゾロゾロ出てきました。

 
自由社版歴史教科書が載せている写真は記録写真ではなく、カマジン氏が元の写真をコンピューターで画像処理した「写真アート」「作品」そして「商品」です。教科書に載せるべき史料ではありません、しかも、長崎のきのこ雲なのに「広島の原爆」と説明するとは言語道断です。
 
こんなデタラメなことをやりながら「新しい歴史教科書をつくる会」は、会報で“育鵬社は原爆投下を戦争犯罪と書いていない”と嘘の宣伝を行っています(下記記事参照)。
 
 ★陸奥宗光を睦奥宗光!ここが違う自由社版教科書-記述検証〈9〉
 
そして、この記事(6月9日)の後にも、「新しい歴史教科書をつくる会」はメールマガジン(6月20日)で同じ内容を配信して虚偽の風説を流布し、会員たちはネット上にコピペして共犯になっています。
 
正々堂々とやらないから採択が取れないのです。
  
(つづく)
 
※これまでの連載
 ★南京事件への疑問を削除した自由社版教科書-記述検証〈1〉
 ★秀吉の朝鮮出兵を「侵略」に戻した自由社版教科書-記述検証〈2〉
 ★梶山静六を梶山清六と書く自由社版教科書-記述検証〈3〉
 ★内村鑑三も新渡戸稲造も載っていない自由社版教科書-記述検証〈4〉
 ★魏志倭人伝への疑問を削除し、ありがたがる自由社版教科書-記述検証〈5〉
 ★東京書籍の年表を盗用した自由社版教科書-記述検証〈6〉
 ★靖国神社も水戸学も載っていない自由社版教科書-記述検証〈7〉
 ★東北の太平洋岸を水没させた「白由社」版教科書-記述検証〈8〉
 ★陸奥宗光を睦奥宗光!ここが違う自由社版教科書-記述検証〈9〉
 ★国旗・国歌法がただ1社載っていない自由社版教科書-記述検証〈10〉
 ★チャンドラ・ボースの名前を削除した自由社版教科書-記述検証〈11〉
 ★脳死臓器移植への疑問を書かない自由社版教科書-記述検証〈12〉
 ★そもそも扶桑社を盗用している自由社版教科書-記述検証〈13〉
 ★年表盗用市販本をHPから削除した自由社版教科書-記述検証〈14〉
 ★二宮尊徳の事績を間違っている自由社版教科書-記述検証〈15〉
     
育鵬社や自由社版の記述について情報を募集しています。
 project-justice@mail.goo.ne.jp
 
※自由社の現行版(平成22年度版)の記述については、こちらから順次ご覧ください。
 ★安重根を取り上げ志士と称える自由社版教科書-扶桑社版からの改悪<上>
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★東京書籍からの盗用という犯行(著作権法違反罪)を自供した自由社

追記: 警告。当ブログに対する八つ当たりは一切お断りします。
 
「新しい歴史教科書をつくる会」(藤岡信勝会長)の自由社版中学校歴史教科書が東京書籍の年表を盗用した問題で、われわれプロジェクトJの特別捜査本部は、自由社が横浜市金沢区内の市立中校長に送った謝罪文を入手しました。
 
その前に、自由社による年表盗用問題について簡単に整理しておきます。

 
・ 扶桑社から絶縁された「新しい歴史教科書をつくる会」は自由社を新たな発行元に選び、平成20年春に文部科学省に検定申請しましたが、このときに東京書籍の平成14度版(14~17年度使用)教科書に掲載されている年表から「日本のおもなできごと」を丸ごと盗用しました。
・ 文部科学省は気付かず、自由社版教科書は翌21年春に検定合格。自由社は同年5月、市販本『日本人の歴史教科書』を発売しました。この市販本は今も一部書店の店頭にあります。
・ 同年夏、横浜市の18区中8区の市立中や東京都内などの一部私立中が自由社版を採択。翌22年春から今年度まで使用されています(供給本『新編 新しい歴史教科書』)。
・ 自由社は22年春に24年度版を検定申請しましたが、このときも盗用した年表をそのまま使っています(「1997 アイヌ文化振興法制定」の後の新しい出来事も補っていません)。
・ 文部科学省はまたも気付かず、今年春に検定に合格。自由社は『市販本 新しい歴史教科書』を発売。採択手続きのための見本本『新しい歴史教科書』を全国の教育委員会などに送りました。
5月26日に当ブログが盗用をスクープ。6月14日に朝日新聞が報道しました。
・ 自由社の加瀬英明社長、榎本司郎教科書編集室長、藤岡信勝代表執筆者が東京都北区の東京書籍に謝罪に出向きましたが、上記4種類の盗用教科書の回収措置はとっていません。
 
横浜市立中の校長に送られた謝罪文は上記4種類の盗用教科書のうち、2番目の平成22度版供給本『新編 新しい歴史教科書』に関するお詫びです。全文は次の通りです。
 
『新編 新しい歴史教科書』の年表に関するお詫び

謹啓
ご健勝のこととお慶び申し上げます。
さて、6月14日付けの朝日新聞が<「つくる会」歴史教科書/他社の年表と酷似>という見出しの記事を社会面に掲載しました。
確認しましたところ、ご採用賜りました『新編 新しい歴史教科書』の年表の日本史部分が、株式会社東京書籍発行の平成14年度使用版『新しい社会 歴史』の年表の、ほぼ引き写しであることが判明いたしました。
これは、編集著作権を侵害する行為であり、東京書籍様には大変申し訳なく、先日弊社社長が同社を訪問陳謝しております。
当時の作成担当者が2年前に退社しているため、なぜこのようなことになったのかその経過を確かめることができない状況にあります。
その後、文部科学省のご指導も受け、教科書協会にもご意見をうかがって、現在『新編 新しい歴史教科書』を使用されている教育委員会、公立学校並びに私立学校につきまして、お詫びと経過説明をさせていただく次第です。
この対応につきましては、東京書籍様にもご了解いただきました。
年表自体には誤りはございませんので、生徒様の学習上の支障はないかと存じます。
なお、現在採択事務が各地で進行中の『新しい歴史教科書』見本本につきましては、可及的速やかに作り直した年表を文科省に訂正申請いたします。
ご迷惑をおかけしましたことにつきまして、心よりお詫び申し上げます。不手際を猛省いたしております。
気を引き締め、さらに充実した教科書製作に全力で邁進していく所存でございます。今後ともご指導、ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
平成23年7月
株式会社 自由社 教科書編集室長
榎本司郎

「年表自体には誤りはございませんので、生徒様の学習上の支障はないかと存じます」…盗んだ物だけど、品質はいいから使っても大丈夫だと思うよとは、どういう神経でしょうか? 普通は「回収させてください。代金はお返しします」ではないですか?
 
市販本は売り続ける。供給本は謝って済ませようとする。見本本は「後で直すから、この問題を理由に不採択にしないで」と開き直る。普通の企業なら、社長が記者会見して、進退問題が追及される問題ではないですか? それに「生徒様」って、自由社は「子ども中心」「子どもの目線」路線なんですかね。
 
この謝罪文で自由社は「編集著作権を侵害する行為」と著作権法違反を認めています。著作権法違反は罰則規定があり、犯罪行為です。罰則は重く、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金に処せられます(懲役と罰金が併科されることもあります)。法人は3億円以下の罰金に処せられます。
 
親告罪なので、被害者の東京書籍が告訴しなければ処罰できません(だから、めったに謝らない藤岡信勝氏が一生懸命謝罪しているのでしょう)。ただ、第三者の告発や捜査当局の判断で捜査が行われ、被害者に告訴を促すこともあり得ます。もちろん、刑事ではなく、東京書籍が民事訴訟を起こすことも十分考えられます。
 
著作権侵害に関与した人たち及び法人としての自由社にとって深刻な事態になっているのに、「後で直すから」と採択を目指すとは、法治国家を甘く見ているのではないでしょうか。少なくとも教育関係者の心証は非常に悪いと思います。
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