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★そもそも扶桑社を盗用している自由社版教科書-記述検証〈13〉

「新しい歴史教科書をつくる会」(藤岡信勝会長)の教科書を発行する自由社によると、豊臣秀吉の朝鮮出兵は1952年だそうです。
 
自由社ホームページ(本日保存)より

弊社発行の『市販本 新しい歴史教科書』巻末年表3に、「1952秀吉が朝鮮侵略を始める」とありますが、「1952秀吉が朝鮮出兵を始める」の誤りです。
昨年4月に文科省に提出した検定申請本では、「1952秀吉が朝鮮出兵を始める」となっており、この事実はすでに公表されております。各地の教育委員会で進められている採択のための教科書見本でも、もちろん同じ内容となっております。
市販本印刷の段階で生じたミスによるもので、読者の皆様にお詫びして訂正させていただきます。
平成23年5月16日 株式会社 自由社

朝鮮戦争まっただ中の1952年に日本に豊臣秀吉が生きていて、朝鮮に出兵したと…。
 
もしかして「秀吉」とは羽柴誠三秀吉さんのことでしょうか?→
羽柴誠三秀吉さんは昭和24年生まれなので、1952年は2歳か3歳なんですが…。
 
いつ直すのかと待っていましたが、5月16日に載せてから、もう1か月半経ちました。誤記の訂正を誤記する教科書会社なんてあるのでしょうか?
 
【28日追記】 きょうになってホームページが修正されましたが、3か所ある「1952」のうちなぜか2か所だけを直し、1か所はそのままにしています28日夜保存分)。この出版社はどこまで抜けているのでしょうか。
 
ホームページに掲載すべきは、こんな大ボケの訂正ではなく、年表盗用のお詫びと膨大な誤記の正誤表のはずです。
 
 ★東京書籍の年表を盗用した自由社版教科書-記述検証〈6〉
 ★東北の太平洋岸を水没させた「白由社」版教科書-記述検証〈8〉
 ★陸奥宗光を睦奥宗光!ここが違う自由社版教科書-記述検証〈9〉
 ★梶山静六を梶山清六と書く自由社版教科書-記述検証〈3〉

東京書籍から盗用した年表だから、「朝鮮侵略」を直したとか直し忘れたというトラブルになったのです。普通はそこで「この年表おかしいな。元は何なんだろう?」と思うはずですが。
 
「新しい歴史教科書をつくる会」中枢に近い人によると、自由社と代表執筆者の藤岡信勝「つくる会」会長は先日、東京書籍に謝罪しました。しかし先方から「採択期間中は事を荒立てない」と言われたのをいいことに、「訴えてこないので心配ない。これまで通り採択に取り組んでほしい」と有力会員に話しているそうです。東京書籍もなめられたもんです。
 
そして当ブログに対しては支持者から「あれは盗用ではない。年表なんてどこでも同じだろ。お前なんか××するぞ」とか「あなたが共産党に通報したのでしょう」などと脅しめいたメールが何通も届いています。全然反省していないのです(私たちは共産党も共産党的体質が抜けない「つくる会」一部首脳も大嫌いです。共産党を利用することはあり得ません)。

そもそも盗用は東京書籍からだけではありません。自由社版の歴史教科書を通読すると、誰もがどこかで読んだものという感じがするでしょう。つきあわせて見ると、扶桑社が著作権・版権を持つ現行版(平成18年度版)『改訂版 新しい歴史教科書』と極めて似ているのです。よく検討してみました。

 
文章なら「ここは俺が書いた」と主張することもあるでしょう。しかし地図などの図版の作成やレイアウトは扶桑社の編集部が行ったのです。

自由社と代表執筆者の藤岡信勝「つくる会」会長は、扶桑社に謝罪して図版やレイアウトを変えないと面倒なことになるのではないでしょうか。
 
(つづく)
 
※これまでの連載
 ★南京事件への疑問を削除した自由社版教科書-記述検証〈1〉
 ★秀吉の朝鮮出兵を「侵略」に戻した自由社版教科書-記述検証〈2〉
 ★梶山静六を梶山清六と書く自由社版教科書-記述検証〈3〉
 ★内村鑑三も新渡戸稲造も載っていない自由社版教科書-記述検証〈4〉
 ★魏志倭人伝への疑問を削除し、ありがたがる自由社版教科書-記述検証〈5〉
 ★東京書籍の年表を盗用した自由社版教科書-記述検証〈6〉
 ★靖国神社も水戸学も載っていない自由社版教科書-記述検証〈7〉
 ★東北の太平洋岸を水没させた「白由社」版教科書-記述検証〈8〉
 ★陸奥宗光を睦奥宗光!ここが違う自由社版教科書-記述検証〈9〉
 ★国旗・国歌法がただ1社載っていない自由社版教科書-記述検証〈10〉
 ★チャンドラ・ボースの名前を削除した自由社版教科書-記述検証〈11〉
 ★脳死臓器移植への疑問を書かない自由社版教科書-記述検証〈12〉
   
育鵬社や自由社版の記述について情報を募集しています。
 project-justice@mail.goo.ne.jp
 
※自由社の現行版(平成22年度版)の記述については、こちらから順次ご覧ください。
 ★安重根を取り上げ志士と称える自由社版教科書-扶桑社版からの改悪<上>
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★脳死臓器移植への疑問を書かない自由社版教科書-記述検証〈12〉

フジサンケイグループ育鵬社も日本教育再生機構・教科書改善の会もこの部分を宣伝していませんが、実は育鵬社の公民教科書で最も優れているのはp11「科学技術の課題」です。
 
写真は拡大しません→
市販本『新しいみんなの公民』(育鵬社)を日本教育再生機構(←クリック)からお買い求めください。 
 
 
このページでは、遺伝子組み替え作物や生殖医療の在り方に触れた上で「日本では臓器移植法によって、法的には脳死が人の死と位置づけられていますが、宗教や感情の面では今でも議論になっています」と、脳死を「人の死」とみなすことへの異論を取り上げています。
 
臓器移植法が施行してから14年を迎えますが、心臓が動き、温かい血液が循環する人間の身体を「人の死」とみなすことを前提とした移植医療に対して、多くの国民が今も疑問と不安を抱いています。そのことを中学校公民教科書で記述したのは育鵬社が史上初めてです。
 
生命倫理に関する各社の記述の有無は下記の表の通りです。

 
育鵬社以外に臓器移植を取り上げている教科書もありますが、「新しい人権」のところで臓器提供の自己決定権として書いているだけです。自由社には、こうした生命倫理に関する記述は全くありません。
 
育鵬社のこのページはさらに「科学では解明できないことがたくさんあることを理解し、生命や自然に対して畏敬の念をもつことも必要です」と明記し、コラムで「サムシング・グレート」を取り上げ、生命の神秘や目に見えない偉大な存在について考えさせる、非常に素晴らしい内容になっています。
 
唯物論・無神論を脱却しているのは育鵬社の教科書だけです。
 
育鵬社と自由社の思想がここではっきり分かれたのには伏線があります。「新しい歴史教科書をつくる会」の元会長、西尾幹二氏は自分たちは「近代保守」だと言って、八木秀次さんたちや日本会議を「宗教右翼」「神社右翼」と罵倒しました(下記リンク参照)。
 
 ★西尾幹二「日本会議はカルト教団」-つくる会と反天皇<上>
 
また、元日本共産党員の藤岡信勝現会長は自らのブログ「藤岡信勝ネット発信局」(平成18年4月23日付=閉鎖)で「私自身は特別の信仰をもたない」と白状しています。
 
「新しい歴史教科書をつくる会」理事で自由社版公民教科書執筆者の吉永潤という人は自由社発行の月刊誌「自由」(平成20年11月号)で「保守派の使命とは、結局のところ『左翼の嫌がること』が何であるかを正確に見いだし、それを実行していくことにあるのではないか」と述べた上で、自分たちは西欧近代の政治思想を受容する「政治保守主義」で、日本教育再生機構は日本文化の独自性と伝統の連続性を何より重視する「文化保守主義」だと定義しています。
 
以前も少し書きましたが、そうした区分は間違っていません。
 
日本教育再生機構=宗教保守、伝統保守、文化保守、正統保守
「新しい歴史教科書をつくる会」=舶来保守、天皇・神道なき保守、ただの反共
(だから石原萠記と手を組める)、左翼の裏返しに過ぎない…
 
その集大成が、反唯物論を明確にした育鵬社と、そういうことに興味のない自由社版の教科書となって表れたのです。
 
「宗教保守」の立場で書かれた育鵬社の公民教科書をお読みになりたい方は日本教育再生機構(←クリック)からお買い求めになってはいかがでしょうか。
 
(つづく)
 
※これまでの連載
 ★南京事件への疑問を削除した自由社版教科書-記述検証〈1〉
 ★秀吉の朝鮮出兵を「侵略」に戻した自由社版教科書-記述検証〈2〉
 ★梶山静六を梶山清六と書く自由社版教科書-記述検証〈3〉
 ★内村鑑三も新渡戸稲造も載っていない自由社版教科書-記述検証〈4〉
 ★魏志倭人伝への疑問を削除し、ありがたがる自由社版教科書-記述検証〈5〉
 ★東京書籍の年表を盗用した自由社版教科書-記述検証〈6〉
 ★靖国神社も水戸学も載っていない自由社版教科書-記述検証〈7〉
 ★東北の太平洋岸を水没させた「白由社」版教科書-記述検証〈8〉
 ★陸奥宗光を睦奥宗光!ここが違う自由社版教科書-記述検証〈9〉
 ★国旗・国歌法がただ1社載っていない自由社版教科書-記述検証〈10〉
 ★チャンドラ・ボースの名前を削除した自由社版教科書-記述検証〈11〉
  
育鵬社や自由社版の記述について情報を募集しています。
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※自由社の現行版(平成22年度版)の記述については、こちらから順次ご覧ください。
 ★安重根を取り上げ志士と称える自由社版教科書-扶桑社版からの改悪<上>
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★チャンドラ・ボースの名前を削除した自由社版教科書-記述検証〈11〉

「新しい歴史教科書をつくる会」(藤岡信勝会長)の自由社版中学校歴史教科書には内村鑑三新渡戸稲造ら重要人物が載っていない―とお伝えしたところ、キリストの幕屋の信者の皆さんを中心に多数のお問い合わせをいただきました。
 
 ★内村鑑三も新渡戸稲造も載っていない自由社版教科書-記述検証〈4〉

神奈川県教育委員会はこのほど、この夏の教科書採択の参考資料として「中学校、中等教育学校の前期課程用教科用図書調査研究の結果(平成24・25・26・27年度用)」(いわゆる調査研究資料)を作りましたが、そこでもフジサンケイグループ育鵬社の人物重視と自由社版の人物軽視が浮き彫りになっています。
 
これがその調査研究資料の一部です。(神奈川県教委が差し替えたので訂正版を掲載し直しました)

 
育鵬社が取り上げている人物数は524人で、清水書院、帝国書院、日本文教出版の倍以上です。自由社版は東京書籍とほぼ同数の350人です。こんなところも自由社版と東京書籍は似てますね
 
神奈川に関連する資料や記載事項は育鵬社が28でトップ。神奈川に関連の深い人物は育鵬社の7人をベースに、帝国書院が6人、教育出版、清水書院、日本文教出版、自由社が5人となっています。
 
育鵬社と自由社版の取り上げている人物一覧を並べると、こんなに面積が違います。

 
この資料によると、育鵬社に載っていて自由社版に載っていない主な人物は次の通りです。
 
【古代】太安万侶孝謙天皇光明皇后道鏡長屋王仁徳天皇稗田阿礼ヤマトタケル(日本武尊)山上憶良和気清麻呂王仁…
【中世】西行
竹崎季長日野富子北条時政源義仲毛利元就蓮如…
【近世】市川団十郎
上杉鷹山大岡忠相太田道灌大友宗麟お江春日局賀茂真淵光格天皇コペルニクス坂田藤十郎シーボルトジョン万次郎大黒屋光太夫高田屋嘉兵衛伊達政宗ニュートン橋本左内支倉常長塙保己一藤田東湖三井高利柳沢吉保…
【近代】明石元二郎
アタテュルクアンネ・フランク石川啄木井上毅岩崎弥太郎内村鑑三江藤新平江戸川乱歩榎本武揚大田実大村益次郎大山巌尾崎行雄和宮金子堅太郎久坂玄瑞洪秀全後藤象二郎後藤新平重光葵島崎藤村チャンドラ・ボース津田梅子天璋院(篤姫)徳富蘇峰豊田佐吉ナポレオン西田幾太郎新渡戸稲造ピカソ二葉亭四迷前畑秀子山内豊信山田耕筰横山大観ワシントンワット…
【現代】安倍晋三
石原裕次郎王貞治ケネディ香淳皇后大鵬太宰治ダライ・ラマ14世長嶋茂雄藤田嗣治古橋広之進棟方志巧力道山…
 
日本人の基礎的な教養に必要な人物が自由社版には載っていません。今回、育鵬社は現行扶桑社教科書にない人物をかなり追加しています。皇統を守った和気清麻呂、江戸時代に皇威を高めた光格天皇、今まで教科書に載っていなかったことが不思議な藤田東湖、トルコ建国の父・アタテュルク、「沖縄県民斯ク戦ヘリ」の大田実…。大河ドラマでおなじみの天璋院(篤姫)岩崎弥太郎お江らも載っています。
 
自由社はヤマトタケル(日本武尊)を載せずに神話を教えたつもりでしょうか。
 
あれれ? このリストを見て「まさか」と思いました。「自由にして繁栄に充ちたる新東亜の建設」にあたり、日本が指導的立場に立たねばならないのは歴史の必然である…あのチャンドラ・ボースが自由社版に載っていない?

 
なんと自由社は今回削除したのです(大東亜会議の記念写真には写っていますが)。チャンドラ・ボースが載っているのは育鵬社だけです。
 
育鵬社は進化した教科書になっているのに対して、自由社は退化としか言えない変化が起こっています。
 
(つづく)
 
※これまでの連載
 ★南京事件への疑問を削除した自由社版教科書-記述検証〈1〉
 ★秀吉の朝鮮出兵を「侵略」に戻した自由社版教科書-記述検証〈2〉
 ★梶山静六を梶山清六と書く自由社版教科書-記述検証〈3〉
 ★内村鑑三も新渡戸稲造も載っていない自由社版教科書-記述検証〈4〉
 ★魏志倭人伝への疑問を削除し、ありがたがる自由社版教科書-記述検証〈5〉
 ★東京書籍の年表を盗用した自由社版教科書-記述検証〈6〉
 ★靖国神社も水戸学も載っていない自由社版教科書-記述検証〈7〉
 ★東北の太平洋岸を水没させた「白由社」版教科書-記述検証〈8〉
 ★陸奥宗光を睦奥宗光!ここが違う自由社版教科書-記述検証〈9〉
 ★国旗・国歌法がただ1社載っていない自由社版教科書-記述検証〈10〉
  
育鵬社や自由社版の記述について情報を募集しています。
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※自由社の現行版(平成22年度版)の記述については、こちらから順次ご覧ください。
 ★安重根を取り上げ志士と称える自由社版教科書-扶桑社版からの改悪<上>

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★国旗・国歌法がただ1社載っていない自由社版教科書-記述検証〈10〉

「新しい歴史教科書をつくる会」(藤岡信勝会長)の自由社版中学校歴史教科書が東京書籍の年表を盗用している-とスクープしたところ(5月26日付★東京書籍の年表を盗用した自由社版教科書-記述検証〈6〉)、俵義文たち共産党系が無断で使って記者会見し、きのう朝日新聞が報道しました。その記事で藤岡氏は「指摘を受けるまで気づかなかった」と、俵たち(藤岡氏の元の仲間)に教えてもらって初めて知ったととぼけています。(17日追記:チャンネル桜の番組でも同じことを喋っています
 
よくそんな嘘が言えるものです。藤岡信勝氏やその支持者たちはこのブログをよく読んでいて、真実が書いてあるので潰そうと、これまで圧力をかけ続けてきました。
 
藤岡信勝氏のコメントの「夏にこの教科書が採択された後、来春の使用開始までに充実した年表につくり直す」って、菅直人の「めどがついたらムニャムニャ」っていうのと似てますね。欠陥教科書の採択を目指すことがそもそも間違っていると気付かないのでしょうか。
 
さて今回は、歴史に続いて公民について「自由社の教科書に○○という文字はない」をテーマにします。
 
■平成24年度版中学校公民教科書の索引比較(抜粋)

 
ご覧のようにフジサンケイグループ育鵬社が「最強の教科書」、自由社版が「最弱の教科書」であることが分かります。左翼5社に負けているのは残念です。

歴史のときも書きましたが、索引に載っていなくても、本文や側注、キャプション、表などにある場合もあります。しかし生徒が検索できなくては意味がありませんから、重要な用語が索引に載っていない教科書は欠陥教科書です。ましてや記述自体がないとすれば…。
 
前回の記事で、自由社版教科書の編著者グループである「新しい歴史教科書をつくる会」がデタラメを基に他社教科書を中傷するのは独占禁止法や文部科学省通知に反する違法行為―と書きましたが、なんと自由社版公民教科書には「公正取引委員会」が本文にありません。
 
他の教科書にある競争や独占に関する項目が自由社だけにないので、「寡占」「独占」「独占価格」「公正取引委員会」「独占禁止法」に関する説明が全くないのです。同じく「公共料金」についても項目自体が存在しません。
 
次に「政治資金規正法」を見てみましょう。自由社と東京書籍、教育出版に「×」が付いていますが、東京書籍と教育出版には政治家への企業・団体献金が制限されているという説明があります。ところが自由社版だけには政治資金に関する項目自体がありません。鳩山由紀夫の偽装献金、小沢一郎の収支報告書虚偽記載、小林千代美の北海道教職員組合からの違法献金、菅直人の外国人献金など「政治とカネ」の問題が相次いでいるのに、自由社版には「政治資金規正法」や「政党助成金」が載っていないのです。
 
国旗・国歌法」は自由社、東京書籍、帝国書院、教育出版が「×」になっていますが、実際には自由社以外には記述があります。具体的に見てみましょう。
育鵬社 日本では長年、日章旗(日の丸)を国旗、君が代を国歌とすることが、ならわしとして広く国民に定着しており、1999(平成11)年には、そのことが国旗・国歌法として定められました。(法律の全文も掲載)
自由社 (なし)
東京書籍 日本では、1999年に法律で「日章旗」が国旗、「君が代」が国歌と定められました。
日本文教出版 日本では、1999年、日章旗(日の丸)を国旗、君が代を国歌とする国旗・国歌法が成立しました。
帝国書院 日本では、日章旗が国旗で、君が代が国歌であると法律で定めています。
教育出版 日本では、長年「日章旗(日の丸)」を国旗、「君が代」を国歌とするのが慣例でしたが、1999年にそれを法律で定めました。
清水書院 日本では、1999年に国旗・国歌法が成立し、「日章旗(日の丸)」を国旗、「君が代」を国歌とすることが定められた。
 
左翼5社でさえ書いているのに、自由社だけが「国旗・国歌法」を書いていません育鵬社と教育出版は、日の丸・君が代がもともと国旗・国歌であり、それを成文法で確認した―という適切な説明をしています)。
 
そういえば、自由社版公民教科書については「このイラストは違和感がある」というメールを複数いただいています。
 
序章の扉。入学式なのに、校門に国旗がありません
 
「新しい歴史教科書をつくる会」と自由社は下記の文書を読み直して、4年後に出直してください。
 
・入学式や卒業式などにおいては、その意義を踏まえ、国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう指導するものとする。(中学校学習指導要領)
・屋外における国旗の掲揚については、掲揚塔、校門、玄関等、国旗の掲揚状況が児童・生徒、保護者その他来校者が十分認知できる場所に掲揚する。(東京都教育委員会「入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱に関する実施指針」)
・国旗一旒掲揚ノ場合ハ門内ヨリ見テ右(門外ヨリ見テ左)ニ掲揚スルヲ望マシク…(内閣書記官長通牒 内閣文甲第二〇号)
 
(つづく)
 
※これまでの連載
 ★南京事件への疑問を削除した自由社版教科書-記述検証〈1〉
 ★秀吉の朝鮮出兵を「侵略」に戻した自由社版教科書-記述検証〈2〉
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 ★魏志倭人伝への疑問を削除し、ありがたがる自由社版教科書-記述検証〈5〉
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 ★東北の太平洋岸を水没させた「白由社」版教科書-記述検証〈8〉
 ★陸奥宗光を睦奥宗光!ここが違う自由社版教科書-記述検証〈9〉
  
育鵬社や自由社版の記述について情報を募集しています。
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★陸奥宗光を睦奥宗光!ここが違う自由社版教科書-記述検証〈9〉

前回、 ★東北の太平洋岸を水没させた「白由社」版教科書-記述検証〈8〉という記事で「新しい歴史教科書をつくる会」(藤岡信勝会長)の自由社版中学校歴史教科書が「自由」を「白由」と書くなど誤植と間違いだらけだと紹介しました。すると「つくる会」中枢に近い方から「あなたたちは読み方が甘い」とお叱りのメールをいただき、新たなとんでもない誤植をご教授いただきました。 
 
p175です。

 
陸奥宗光が2か所にわたって「睦奥宗光」になっています。もはやコメントすべき言葉も見つかりません。
 
「新しい歴史教科書をつくる会」は「ここが違う 自由社の教科書」というDVDを作ったそうですが、そのDVDは自由社版教科書のここが間違っているという正誤表DVDなのでしょうか。ぜひ拝見したいと思います。
 
書店で売っている市販本も教育委員会に配った見本本も即刻回収したほうがいいでしょう。膨大な正誤表とセットでないと読めない教科書などあり得ません。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
さて、ここまでの連載をお読みいただいた方はお分かりでしょうが、フジサンケイグループ育鵬社の教科書と「新しい歴史教科書をつくる会」の自由社版教科書を比べると、育鵬社の優位は歴史観でも教材としての完成度の面でも歴然としています。ところが「つくる会」は会報「史」(ふみ)の5月号や6月増刊号(いずれも小山常実理事が匿名執筆)、メールマガジンなどでイチャモンをつけて育鵬社を攻撃しています。
 
例えば「史」5月号のp15~16で、自由社は「黄河文明」としているが育鵬社は「中国文明」だからけしからんと言っています。
 
それを検討する前にまた誤植を見つけてしまいました。自由社版の地図は長江の文字の北側の赤丸に仰韶という地名が示されていません
 
 
 
 
 
 
育鵬社は「黄河文明など」と黄河文明という言葉をちゃんと使っています。「など」としたのは長江文明と合わせて中国文明としているからでしょう。何ら問題ありません。
 
 
 
 
 
偉そうなことを言っているくせに自由社版公民教科書では「黄河文明を中国文明ともいう」と、しゃあしゃあと書いています。育鵬社は黄河文明+長江文明=中国文明なのに、自由社は黄河文明=中国文明だから、自由社版のほうが悪いのではないですか? 小山常実さん。
 
 
 
 
そのほか、「史」6月増刊号のp30では「育鵬社は無差別爆撃が国際法で禁じられていることには言及しているが、それを戦争犯罪と明言せず、又それが裁かれていないことには言及せず」とありますが、育鵬社のp232には「米ソなどの戦勝国に対しては、当時の国際法から見て戦争犯罪とされるものでも、罪に問われることはありませんでした」「こうした戦勝国の行為を裁く裁判は、行われませんでした」とはっきり書いてあります。どこに目を付けているのでしょうか。

 
編著者グループである「新しい歴史教科書をつくる会」がデタラメを基に他社教科書を中傷するのは独占禁止法や文部科学省通知に反する違法行為であり、教科書協会の宣伝行動基準にも違反しています。育鵬社は何らかの対応を取るでしょう。
 
(つづく)まだ当分終わりません。
 
※これまでの連載
 ★南京事件への疑問を削除した自由社版教科書-記述検証〈1〉
 ★秀吉の朝鮮出兵を「侵略」に戻した自由社版教科書-記述検証〈2〉
 ★梶山静六を梶山清六と書く自由社版教科書-記述検証〈3〉
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 ★魏志倭人伝への疑問を削除し、ありがたがる自由社版教科書-記述検証〈5〉
 ★東京書籍の年表を盗用した自由社版教科書-記述検証〈6〉
 ★靖国神社も水戸学も載っていない自由社版教科書-記述検証〈7〉
 ★東北の太平洋岸を水没させた「白由社」版教科書-記述検証〈8〉
  
育鵬社や自由社版の記述について情報を募集しています。
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※自由社の現行版(平成22年度版)の記述については、こちらから順次ご覧ください。
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★東北の太平洋岸を水没させた「白由社」版教科書-記述検証〈8〉

※最終更新8月12日(この記事は自由社版中学校歴史教科書の間違いが見つかり次第、随時加筆していますので、活用される場合は最新版をお使いください)
 
市販されている「新しい歴史教科書をつくる会」(藤岡信勝会長)の自由社版中学校歴史教科書のp97に「室町時代の各地の特産品」という地図が載っています。その地図は、東北から関東にかけての太平洋岸が海と同じブルーに塗られ〝水没〟しています(房総半島、三浦半島、伊豆諸島、伊豆半島、御前崎、紀伊半島先端も)。
 
この教科書が検定申請されたのは去年の4月ですから、不吉なことをやってくれたものです。震災後も直さないで印刷するとは、悪い冗談でしょうか。
 
 
 
 
  
それはまだ序の口でした。開いた口が3時間くらいふさがらなかったのはp165の「明治維新とは何か」のコラムの左3行目です。

「職業選択の白由が認められ、白由に経済活動ができるようになりました」とあります。右1行目にも「白己の使命」という表記があります。
 
このほかにも、普通に読んだだけで誤植や間違いがあまりにも目に付いたので、ネジが1本抜けている「白由社」と代表執筆者の藤岡信勝「白由主義史観研究会」代表に特別の計らいで教えてあげます。これだけ欠陥があると今回は採択されないでしょうが、もし次回検定にも挑戦するなら反映してください。 
 
      ■ 自由社版歴史教科書の間違い、誤記、誤植一覧(8月12日更新)
                      ※このリストは『市販本 新しい歴史教科書』の記述を基にしています。
<表見返し=市販本は編集趣意書の次のページ3の「黒船来港」は「黒船来航」の誤り。
<口絵p3>「旧国名と都道府県名の地図」で現在の都道府県名なのに「大坂」になっている。
<p2>右5行目の「曽父母」は「曽祖父母」の誤り。
<p12>「疑問文集」の⑦の「外人」は現在では差別用語とされ、教科書で使うのは不適切。
<p18>右28行目の「興業」は「興行」の誤り。
<p30>16行目の「土器」が太字になっているが、初出は14行目。
<p31>4行目に「1万数千年前から紀元前4世紀ごろまでを縄文時代とよび」とあるが、p32の1行目には「日本で縄文時代が始まった1万2000年前ごろ」とあり相互に矛盾する。
<p32>古代文明の地図で、黄河文明の赤丸部分に仰韶という地名が示されていない。(6月9日追記
<p33>地図とキャプションに「シルク・ロード」とあるが、p48の5行目は「シルクロード」となっており表記が不統一。
<p35>「シャカ(釈迦)と仏教」のコラムで「菩提樹の木の下で座禅をするうち、ついに悟りをひらき」とあるが、p72の「仏像各部の名称」の⑧で「釈迦は蓮の花の上でさとりを開いた」とあり、相互に矛盾する。「悟り」と「さとり」、「ひらき」と「開いた」の表記も不統一。
 
<同>版面から21行目がはみ出している。
<p36>上の写真のキャプションで「復元模型大阪府立弥生博物館蔵」とあり、復元模型の後に空きがない。
<p43>21行目の「国ゆずり神話」とp44の「国譲り神話」の表記が不統一。
<p45>左7行目と12行目の「話合い」は「話し合い」が正しい表記。
<p46~47>「高句麗」「百済」「任那」「新羅」にルビがない。特に「任那」はここが初出。p46の地図にルビがあるが、任那のルビが読みづらい。
<p48>18行目の「仏教を拝礼している」という言葉はおかしい。
<p60>8行目と「律令政治のしくみ」の図の太政官のルビ「だじょうかん」は「だいじょうかん」の誤り。
<p64>4行目の「教典」は「経典」の誤り。釈迦三尊像のキャプションの鞍作鳥にルビがない(ルビの抜けはこの教科書に無数にあるので他は省略)。
<p73>「明王」に「不動明王・愛染明王・孔雀明王・五大明王など」と例示があるが、不動明王は五大明王の一つ。
下から2行目で「怒りの表情のものものもありますが」と「もの」がダブっている。

 
<p78>聖徳太子の説明で「大陸文化の吸収に務めた」とあるが「努めた」の誤り。
<p84>右の一番下の行の「朝」の後が2文字空いている。
 
 
 
<p85>左の段の一番下の行から右の段にかけて「常世は、見も知らぬ旅人を暖めるたにくべて精一杯もてなしました」と、文章がつながらない
 
 
 
 
 
 
 
 
 
<p89>「足利尊氏の像」のキャプションに「一時は後醍醐天皇に従い功臣として一字をたまわり『尊氏』と改名したが」とあるが、元は高氏という名前だったことや、後醍醐天皇の諱が尊治であることの説明がないと、生徒にはさっぱり分からない。
<p90>一番下の18行目が空いている。
<p95>10行目。「彼らは地侍とよばた」は意味不明(「よばれた」の誤記か)。
<p96>キャプションのルビに写真が重なっている。
 
 
 
<p97>「室町時代の各地の特産品」の地図で、東北から関東沿岸、紀伊半島先端にかけて海と同じブルーに着色されている。
<p99>11行目「無着」は「無著」の誤り。ルビの「むじゃく」は「むちゃく」の誤り(文化庁、興福寺のホームページによる)。
<p104>「永仁の徳政令」の説明で「分割相続」の後に不要な「、」がある。
<p120>徳川家康の肖像画。「長久手陣中画像」は「長久手合戦陣中画像」の誤り。そもそもなぜこんなマイナーな肖像画を使うのか。
<p124>一番下の20行目が空いている。
<p131>2行目に二宮尊徳が「今の神奈川県小田原市近くの農家に生まれました」とあるが「小田原市近く」ではなく「小田原市」の誤り。8行目に「8キ口」とあるが「8キロ」の誤り(漢字の口=くちになっている)。21行目に二宮尊徳が「稲刈りで残った稲穂を拾って、年に何俵も米を生産して見せました」とあるが、稲刈りで残った稲穂を拾ったのではなく、「田植えで余って捨てられた苗を植えた」の誤り7月12日追記)。
<p133>側注5で「大坂」とあるが、このページの本文や地図、p113など他のページでは「大阪」となっており表記が不統一。
<p136>左5行目の「婿入り養子に入りました」は重言。
<p141>10行目とキャプションの葛飾北斎の葛が「」になっている。この表記は自由社だけ。
<p143>3行目に「八代将軍家斉」とあるが家斉は十一代。「家斉が死去して老中首座になった水野忠邦」とあるが、水野が老中首座になったのは天保10(1839)年、家斉の死去は天保12(1841)年なので間違い。

<p145>左15行目の「弟」と22行目の「兄」が太字になっていない。
<p157>徳川慶喜のキャプションで徳川斉昭のルビ「とくがわなりあきら」は「とくがわなりあき」の誤り。
<p158>錦の御旗のキャプションで「東京・国立博物館」は「東京国立博物館」の誤り。
<p160>キャプションのルビに写真が重なっている。
 
 
 
<p165>「職業選択の白由が認められ、白由に経済活動ができるようになりました」と、「自」が「白」になっている。右1行目も「白己の使命」となっている。
<p171>6行目。「1973(明治6)年には」とあるが、明治6年は1873年。
<p175>陸奥宗光の議会演説とキャプションで陸奥宗光が「奥宗光」になっている。(6月9日追記
<p197>右12行目の「豊」の後が4文字空いている。
<p199>4行目と上の「文語体と口語体の作品」で森鷗外の鷗が「鴎」になっている。この表記は自由社だけ。
<p200>左22行目の「土人」のルビが右にはみ出ている。
<p211>全国創立大会宣言一部抜粋3行目の冒瀆の瀆が「涜」になっている。
<p212>左上の地図。メルカトル図法では緯度が高くなるにつれて距離が拡大され、東西が誇張されるため、縮尺を示すのは誤り(2年前に当ブログの指摘を受け供給本で縮尺を削除したが、また元に戻した)。
<p237>「広島に投下された原子爆弾」として掲載されている写真は、長崎に投下された原子爆弾のきのこ雲の写真。しかもこの写真は元の写真を加工したアート写真。
<p256>版面から21行目がはみ出している。
<p274>葛飾北斎の葛が「」になっている。この表記は自由社だけ。
<p276>森鷗外の鷗が「鴎」になっている。この表記は自由社だけ。
<年表1>「倭奴国の王が後漢に使いを送る」に「57」の文字が重なっている。
 
 
 
 
 
  
公民については、こちらに一部指摘しました。
 
 ★梶山静六を梶山清六と書く自由社版教科書-記述検証〈3〉
 
(つづく)
 
※これまでの連載
 ★南京事件への疑問を削除した自由社版教科書-記述検証〈1〉
 ★秀吉の朝鮮出兵を「侵略」に戻した自由社版教科書-記述検証〈2〉
 ★梶山静六を梶山清六と書く自由社版教科書-記述検証〈3〉
 ★内村鑑三も新渡戸稲造も載っていない自由社版教科書-記述検証〈4〉
 ★魏志倭人伝への疑問を削除し、ありがたがる自由社版教科書-記述検証〈5〉
 ★東京書籍の年表を盗用した自由社版教科書-記述検証〈6〉
 ★靖国神社も水戸学も載っていない自由社版教科書-記述検証〈7〉
 
育鵬社や自由社版の記述について情報を募集しています。
 project-justice@mail.goo.ne.jp
 
※自由社の現行版(平成22年度版)の記述については、こちらから順次ご覧ください。
 ★安重根を取り上げ志士と称える自由社版教科書-扶桑社版からの改悪<上>
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★靖国神社も水戸学も載っていない自由社版教科書-記述検証〈7〉

平成24年度版中学校歴史教科書の人名索引比較(抜粋)を掲載したところ大きな反響がありました。
 
 ★重要人物が載っていない自由社版教科書-記述検証〈4〉
 
そこで今回は事項索引の比較資料から、「新しい歴史教科書をつくる会」(藤岡信勝会長)の自由社版中学校歴史教科書の索引に載っていない事項の一部を抜粋して掲載します。
 
■平成24年度版中学校歴史教科書の事項索引比較(抜粋)

  
事項索引に載っていなくても、本文や側注、キャプション、表、年表などに掲載されている場合もあります。ただ、生徒が検索できなくては意味がありませんから、重要な用語が索引に載っていないようでは教科書として欠陥です。
 
例えば、自由社版歴史教科書の索引には「自衛隊」がありません(本文には警察予備隊の発足がありますが)。自由社以外のすべての教科書(フジサンケイグループ育鵬社と自虐5社)の索引にはちゃんと「自衛隊」があるのに、保守を自称する自由社にはないのです。
 
同様に自由社の索引だけにない事項は「悪党」「アジア・アフリカ会議」「絵踏(踏絵)」「桶狭間の戦い」「祇園祭」「教育基本法」「公事方御定書」「江華島事件」「商品作物」「浄瑠璃」「新石器時代」「関所」「治安維持法」「バブル経済」「日朝修好条規」「プロテスタント」「平民」「民法」「ルネサンス」「ローマ教皇」…と、高校入試に必須の重要用語が並びます。
 
自由社の場合、索引だけでなく中身にも全く載っていない用語が多いので、受験生はさらに不安になるでしょう。
 
私たちは2年前、自由社版教科書に「悪党」(荘園領主や幕府に対抗した武士たち)が載っていないので、高校入試に不利ですよと指摘してあげました。
 
 ★悪党のくせに(笑)悪党を書かない自由社版教科書-扶桑社版からの改悪<8>
 
ところが今回の版にも載っていません(育鵬社など他の6社は記述)。
 
平家物語などを指す「軍記物」という用語も載っていません(育鵬社など他の6社は記述)。「ルネサンス」は通常、ヨーロッパ人の世界進出の単元に記述があるのですが、自由社版にはありません(育鵬社など他の6社は記述)。南蛮貿易のところで「平戸」の地名が出てきません(育鵬社など他の6社は記述)。「公事方御定書」(享保の改革のときの裁判基準)も載っていません(育鵬社など他の6社は記述)。北海道を開発した行政機関「開拓使」も本文にありません(育鵬社など他の6社は記述)。「民法」は大日本帝国憲法のところにも占領憲法のところにも記述がありません(育鵬社など他の6社は記述)。「アジア・アフリカ会議」(元をたどれば大東亜会議)は、東京書籍を盗用した年表にしかありません(育鵬社など他の6社は記述)。
 
バブル経済」もありません(育鵬社など他の6社は記述)。自由社版は改正教育基本法に最も沿った教科書と言いながら、「教育基本法」は「戦後のおもな改革」の表に単語があるだけで、安倍内閣による改正は載っていません(育鵬社は改正を記述)。
 
そもそも自由社版の現代史の本文は湾岸戦争で終わっています育鵬社はその後、米同時多発テロ、アフガン戦争、イラク戦争、オバマ大統領の就任、北朝鮮による核実験・ミサイル発射、EU発足、中国によるチベット・ウイグルへの人権抑圧、京都議定書、バブル崩壊、アメリカの金融破綻、阪神・淡路大震災、北方領土問題、北朝鮮による拉致事件…などを本文できちんと記述しています)。自由社版歴史教科書の索引には「拉致」がありません。
 
そして自由社版は、保守の教科書を自称しながら、現行版にあった「水戸学」の言葉を今回削除しました。育鵬社が今回、「藤田東湖」の名前を入れたのと対照的です(「藤田東湖」が載っているのは育鵬社だけです)。
 
決定的なのは、自由社版には「靖国神社」が載っていないことです。
 
育鵬社と自由社の靖国神社の記述
育鵬社=

  
自由社=歴史、公民ともなし

  
【今回のまとめ】
 自由社版教科書には靖国神社が載っていない!
 自由社版教科書には水戸学が載っていない!
 自由社版歴史教科書の索引には自衛隊が載っていない!
 自由社版歴史教科書の索引には拉致が載っていない!

  
(つづく)
 
※これまでの連載
 ★南京事件への疑問を削除した自由社版教科書-記述検証〈1〉
 ★秀吉の朝鮮出兵を「侵略」に戻した自由社版教科書-記述検証〈2〉
 ★梶山静六を梶山清六と書く自由社版教科書-記述検証〈3〉
 ★内村鑑三も新渡戸稲造も載っていない自由社版教科書-記述検証〈4〉
 ★魏志倭人伝への疑問を削除し、ありがたがる自由社版教科書-記述検証〈5〉
 ★東京書籍の年表を盗用した自由社版教科書-記述検証〈6〉
 
育鵬社や自由社版の記述について情報を募集しています。
 project-justice@mail.goo.ne.jp
 
※自由社の現行版(平成22年度版)の記述については、こちらから順次ご覧ください。
 ★安重根を取り上げ志士と称える自由社版教科書-扶桑社版からの改悪<上>
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