goo

★秀吉の朝鮮出兵を「侵略」に戻した自由社版教科書-記述検証〈2〉

教科書改善の会(屋山太郎代表世話人)が執筆したフジサンケイグループ育鵬社の中学校歴史・公民教科書と、「新しい歴史教科書をつくる会」(藤岡信勝会長)の自由社版中学校歴史・公民教科書の記述検証の2回目です。
 

自由社版歴史教科書の巻末にある歴史年表で「1592 秀吉が朝鮮侵略を始める」と、豊臣秀吉の朝鮮出兵(文禄・慶長の役)を「侵略」と書いています。
 
東京書籍などの自虐教科書と同じ表記です。言うまでもなく、前近代の歴史に「侵略」という20世紀の価値観を持ち込んで断罪することは、歴史教科書としてあってはならないことです。
 
この問題は2年前に自由社版が初めて検定に合格したときに私たちが指摘しました。

 ★秀吉の朝鮮出兵を「侵略」と書く自由社版-扶桑社版からの改悪<11>
 
この指摘で「つくる会」の会員たちは大あわてになり、自由社は仕方なく文部科学省に自主訂正を申請し、供給本(実際に生徒に配られる教科書)では「朝鮮出兵」に改めました。
 
 
 
 
 
 
ところが代表執筆者・藤岡信勝客員教授と自由社は今回、また元に戻してしまったのです。
 
 
「本文は出兵になっているじゃないか」「うっかりミスで最初の版下を使ってしまったのだ」と擁護する人もいるかもしれません。しかしそうではないのです。
 
当ブログは自由社版の年表について、ほかにも
 
 ・大東亜戦争ではなく「太平洋戦争」になっている。
 ・「このころ ソ連、人工衛星『スプートニク』打上成功」。モスクワ時間の1957年10月4日22時28分34秒と秒単位で特定できることをなぜ「このころ」とするのか。
 
との指摘を行い、自由社は供給本で訂正しましたが、その部分は元に戻っていません。

 
「朝鮮出兵」だけを「朝鮮侵略」に戻したのですから確信犯です。今回は良識ある一般会員から批判されても修正はできないでしょう。恥ずかしくて。
 
【追記】自由社が見本本(教育委員会に配る本)で直し、ホームページに「市販本印刷の段階で生じたミス」との苦しい釈明を16日付で掲載しました。恥ずかしいですね。
 
(つづく)
 
育鵬社や自由社版の記述について情報を募集します。
 project-justice@mail.goo.ne.jp
 
※自由社の現行版(平成22年度版)の記述については、こちらから順次ご覧ください。
 ★安重根を取り上げ志士と称える自由社版教科書-扶桑社版からの改悪<上>
トラックバック ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ★南京事件への... ★梶山静六を梶... »