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★菅談話と自由社版教科書の記述は同じじゃないか

10日に発表された「菅首相談話」をめぐって「新しい歴史教科書をつくる会」は、先月28日に阻止の「緊急アピール」を決定し、9日に首相官邸への抗議呼びかけを行いました。11日には「全力で撤回運動を展開しよう!」というFAX通信を流しました。
 
18日付の産経新聞「正論」欄には、「つくる会」会長の藤岡信勝拓殖大学教授が菅談話を批判する文章が掲載されました(これまで藤岡氏について「拓殖大学教授」と嘘の肩書を掲載していた産経新聞は「拓殖大学客員教授」に軌道修正しました←クリック)。
 
しかし、「つくる会」に菅談話を批判する資格があるのでしょうか? 自分たちが作った自由社版中学校歴史教科書は親朝鮮・自虐史観の教科書で、菅談話と同じことが書いてあります。
 
まず菅談話をお読みください。
                    内閣総理大臣談話
                                        平成二十二年八月十日
 本年は、日韓関係にとって大きな節目の年です。ちょうど百年前の八月、日韓併合条約が締結され、以後三十六年に及ぶ植民地支配が始まりました。三・一独立運動などの激しい抵抗にも示されたとおり、政治的・軍事的背景の下、当時の韓国の人々は、その意に反して行われた植民地支配によって、国と文化を奪われ、民族の誇りを深く傷付けられました。
 私は、歴史に対して誠実に向き合いたいと思います。歴史の事実を直視する勇気とそれを受け止める謙虚さを持ち、自らの過ちを省みることに率直でありたいと思います。痛みを与えた側は忘れやすく、与えられた側はそれを容易に忘れることは出来ないものです。この植民地支配がもたらした多大の損害と苦痛に対し、ここに改めて痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明いたします。(後略)
 
続いて、自由社版教科書の関連記述をご覧ください。
■自由社版教科書の韓国併合の記述(p172~173)

【写真説明】
 韓国服の伊藤博文 伊藤は首相を引退後、1906年に日韓協約による初代韓国統監として赴任した。1909年満州視察の途中、ハルビン駅で韓国独立の志士、安重根に暗殺された。
※テロリスト安重根を「韓国独立の志士」としている。書店で市販されている『日本人の歴史教科書』では伊藤が「射殺された」になっているが、当ブログ(昨年6月3日付など)が指摘したところ、学校で配る供給本では「暗殺された」に変更。
【本文】
 1910(明治43)年、日本は、武力を背景に韓国内の反対をおさえて、併合を断行した(韓国併合)。韓国の国内には、民族の独立を失うことへのはげしい抵抗が起こり、その後も、独立回復の運動が根強く行われた。
 韓国併合のあと置かれた朝鮮総督府は植民地政策の一環として、鉄道・灌漑の施設を整えるなどの開発を行い、土地調査を開始した。しかし、これらの近代化事業によって、それまでの耕作地から追われた農民も少なくなく、また、その他にも朝鮮の伝統を無視したさまざまな同化政策を進めたので、朝鮮の人々は日本への反感をさらに強めた。

※扶桑社版にない「朝鮮の伝統を無視した」を加筆。
 
■自由社版教科書の三・一独立運動の記述(p185)

【本文】
 日本の支配下の朝鮮では、1919年3月1日、旧国王の葬儀に集まった人々がソウルで独立を宣言し、「独立万歳」を叫んでデモ行進を行った。この動きはたちまち朝鮮全土に広まった(三・一独立運動)。朝鮮総督府は武力でこれを鎮圧したが、以後は統治の方針を文化統治(文治)政策に変更し、のちに、日本との一体化を進めていくこととなった。
【側注】
 最初は非暴力の集会として計画されたが次第に大規模になったため軍隊までが出動したことでかえって衝突がはじまり、民衆に多くの死傷者が出た。日本国内でも吉野作造、宮崎滔天など、「朝鮮民衆の当然の声」として、この運動に理解を示す知識人があった。
※軍隊の出動が多くの死傷者につながったとか、日本国内に三・一独立運動に理解を示す声があったという、この側注は扶桑社版にはない。
 
■自由社版教科書の朝鮮統治の記述(p208~209)

【本文】
 朝鮮半島と台湾では、日中戦争開始後、日本式の姓名を名乗らせる創氏改名などが行われ、朝鮮人や台湾人を日本人化する政策が強められた。戦争末期には、徴兵や徴用が、朝鮮や台湾にも適用され、現地の人々にさまざまな犠牲や苦しみを強いることになった。また多数の朝鮮人や中国人が、日本の鉱山などに連れてこられて、過酷な条件や待遇のもとで働かされた。
【「ここがポイント!」】
 国民の間にどのような苦難と犠牲が生じたか?→(中略)③朝鮮と台湾での創氏改名など日本人化政策強化④朝鮮と台湾の出身者にも徴兵と徴用(後略)
 
≪菅談話≫
「三・一独立運動などの激しい抵抗」

≪自由社版教科書≫
「民族の独立を失うことへのはげしい抵抗」

 
≪菅談話≫
「政治的・軍事的背景の下、当時の韓国の人々は、その意に反して行われた植民地支配によって」
≪自由社版教科書≫
「日本は、武力を背景に韓国内の反対をおさえて、併合を断行した」「植民地政策の一環として」

 
≪菅談話≫
「国と文化を奪われ、民族の誇りを深く傷付けられました」
≪自由社版教科書≫
「朝鮮の伝統を無視したさまざまな同化政策を進めたので、朝鮮の人々は日本への反感をさらに強めた」

 
≪菅談話≫
「多大の損害と苦痛」

≪自由社版教科書≫
「さまざまな犠牲や苦しみを強いることになった」「苦難と犠牲」

 
どこが違うのでしょうか? 善良な保守の人々を騙すのはもうやめてください。騙されている人たちにも責任があります。教科書をよく読んでください。
 
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自由社と朝鮮半島をめぐるこれまでの記事
★「つくる会」と「自由社・石原萠記」と「ソ連」と「中国」と「社会党右派」と「創価学会」
★つくる会を軍国主義と批判する月刊「自由」(自由社発行)
★慰安婦に興奮する藤岡信勝-by「自由」11月号
★「不敬を正す会」も作ってください。加瀬英明さん
★統一教会は公安警察の監視対象
★石原萠記よ、福留貴美子さんを救え!―「日本出版協会」の正体
★自由社役員「慰安婦は強制連行された」
★安重根を取り上げ志士と称える自由社版教科書-扶桑社版からの改悪<上>
★乃木大将削除を開き直る「つくる会」理事-扶桑社版からの改悪<10>
★秀吉の朝鮮出兵を「侵略」と書く自由社版-扶桑社版からの改悪<11>
★あくまで「安重根は韓国独立の志士」の自由社版
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