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★扶桑社提訴を公表しない「つくる会」-代理人は福本修也弁護士


11月15日付の朝日新聞に「つくる会と扶桑社が対立 教科書著作権で譲らず」という大きな記事が載りました。「新しい歴史教科書をつくる会」の藤岡信勝会長が八木秀次さんを訴えて完全敗訴したことは前回書きましたが、なんと扶桑社に対しても訴えているのです。
 
閲覧した訴状によると、原告は藤岡信勝会長や元会長の西尾幹二氏、理事の九里幾久雄氏らで、代理人には八木さんへの訴訟と同様、あの福本修也弁護士がなっています。
 
「扶桑社は教科書を出すな」と出版差し止めを求めた訴訟です。この提訴はつくる会の理事会で承認されたもので、藤岡信勝氏が八木秀次さんを訴えた訴訟と同様、会として関与しています(つまり、どちらの裁判も福本修也弁護士は事実上「つくる会の代理人」なのです)。原告代理人は福本氏1人ですが、被告の扶桑社は弁護団を作っていて、その中には産経新聞社の顧問弁護士も加わっているそうです。つくる会が福本修也弁護士を代理人にしてフジサンケイグループを敵に回した訴訟なのですが、なぜか会員には提訴自体が知らされていません。
 
そうですよね、つくる会会員の皆さん。知らされてませんよね?
 
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★「国際謀略」妄想に基づく言いがかり訴訟―藤岡信勝さんの大敗北


「新しい歴史教科書をつくる会」の藤岡信勝会長が元会長の八木秀次さんを訴えた言いがかり訴訟(藤岡氏の代理人は福本修也弁護士。すっかり有名になりました)は10月31日、東京地裁で藤岡氏の完全敗訴となりました。判決後、裁判資料がかなり出回ってきたのでパラパラ見ていたら、藤岡氏が法廷に提出した西尾幹二氏の陳述書のトンデモぶりが目を引きました。
 
自分たちが「つくる会」を追い出した八木秀次さんの背後にはアメリカや中国共産党、安倍晋三さん、屋山太郎さん、岡崎久彦さん、中西輝政さん、フジサンケイグループなどの謀略があるというのです。曰く…
 
<つくる会を混乱させたものは最初は事務局長の人事問題でしたが、やがて外から政治的あるいは国際的な何らかの大きな力が働いて><何らかの政治的意図があったと私は解しています。フジテレビ、扶桑社がそれに協力したのも、安倍政権への何らかの義理があってのことと思います。単なる義理なのか、あるいは同じ権力への媚態なのか、それとも対中、対米への国際政治に関係があるのか今の処分かりません><誰にも簡単には信じてもらえない謀略の構造ですから>
 
「誰にも簡単には信じてもらえない」って、誰も信じませんよ、そんな妄想。陳述書と一緒に西尾氏の著書『国家と謝罪』(徳間書店、平成19年7月刊)も法廷に提出されています。その本には…
 
<つくる会がなぜ混乱したかの究極の理由を判断するにはまだ時間が少なすぎるかもしれない。なにか外からの強い力が働いた結果という印象を多くの人が抱いていると思う>
 
あなたたちだけですよ。そんなこと考えてるのは。さらに、聞き捨てならない言葉が続きます。
 
日本会議や日本政策研究センターを<左翼革命シンパのやり方>、小田村四郎さん(日本会議副会長、元拓殖大総長)を<この老運動家は、六〇年安保の左翼革命インテリの顔に重なって見える>。岡崎久彦さんに対する批判には大きなスペースが割かれていて<アメリカの悪意ある対日非難に彼が口裏を合わせ、同一歩調を取っていたというのはただの推理ではなく、ほぼ事実であったことがあらためて確認されたといってよいだろう。岡崎久彦氏は「親米反日の徒」と昔から思っていたが、ここまでくると「媚米非日」の徒といわざるを得ないであろう><岡崎氏よ、なぜあなたは「公正」ぶるのか。それは公正ではなく「卑屈」ということなのである>などなど中傷のオンパレードです。
 
そして安倍晋三さんについて
 
<私は「つくる会」の紛争に安倍氏が無関係であったどころか、並々ならぬ関与があったのではないかという疑いに一定の推論を試みているのである><アメリカや中国がいま暗黙のうちに日本の政治に求めているのは、中国の反日の嵐を鎮める代りに、歴史教科書、拉致、靖国という象徴において噴出している日本人の愛国心に枠をはめ、コントロールすることである。露骨にそれを安倍新政権に求めてきたとみていい。それは日本の財界の要望でもある。日米中の三国の資本の論理が日本のナショナリズムを敵視している。安倍氏は保守の中の保守と目されてきた人だからこそそれに応えることができると看做されている。リベラルな首相が国民の愛国心を敵に回して叩くことは困難だが、愛国心の味方に立つ人間がこれを囲いこみ、管理し、抑止することはある意味で最もお手のものなのである。安倍氏は国際資本からそのような役割を割り振られていると私は見ている>
 
こ、こ、国際資本ですか? 国際資本や中国共産党から役割を割り振られた安倍晋三さんによる「つくる会つぶし」の手先になっているのがフジサンケイグループだと妄想するのです。
 
<つくる会の内紛と呼ばれてきたものはつくる会と八木グループとの対立なのではなく、なにかもっと別の、大きな魔の手が介入している><当初からフジテレビとその系列下の扶桑社の間にある一定の密約があってのことか、途中から密約を結んでのことかは分からないが、「新しい歴史教科書をつくる会」の人事をめぐるごたごたに上手に介入し、国民運動としての会のエネルギーを分散させ、これを壊して、「乗っ取り」を成功させたうえで、「つくる会」の正統性を利用して自分たちの子会社から自分たちに都合のいい政治内容の歴史教科書を出そうという目論見である。これで構図はよく分かってきたであろう。フジテレビと扶桑社がつくる会紛争の事実上の当事者であり、主役ですらあったということがはっきりしたのである>
 
フジサンケイグループは「大きな魔の手」だそうです。西尾氏はフジサンケイグループに相当世話になっているはずですが、本人はとても恩着せがましく次のように言います。
 
<フジテレビと扶桑社は私に恩義をこそ感じることはあれ、私を敵視する理由などはなにひとつないはずだ><私はしかも片桐社長とは親しい飲み仲間でさえあった>
 
恩着せ「がましい」ではなく、恩義を強要していますね。なぜ嫌われたか自省することなく、「国際謀略」妄想を続けます。
 
<そういう個人レベルを越える政治的になにか大きな圧力が突如としてフジと扶桑社の両方を襲った、という推理小説もどきの空想を逞しくして私は事態の推移を見守っている>
 
裁判官は「この人、イッちゃってるな」と思ったでしょう。そりゃ敗訴しますよ。最後はフジサンケイグループに対する撤退勧告です。
 
<私はフジと扶桑社の代表者に申し上げたい。あなた方がやっていることには大義がない。歴史教科書運動は十年に及ぶ国民運動で、出版社がフジや扶桑社である必要はまったくなく、良質の出版社なら他のどこでもいい。扶桑社が採択を含めて十分にやってくれたという記憶もじつはない。採点をすれば教科書会社としての扶桑社は五〇点以下だろう。得意でもない分野であなた方がさらに努力する理由も、必要も、責任も、義理もないので、教科書出版業務からいっさい撤退するようご進言申し上げたい。まして報道機関として影響の大きいテレビ会社が教科書づくりに手を出すなんてやってよいことなのだろうか>
 
つくる会は、扶桑社に代わる教科書発行元として「自由社」という出版社を選びましたが、自由社は中国や韓国や旧社会党と関係の深い社会主義者の石原萠記氏が社長を務める会社です。「良質の出版社」なのですか? 自由社から教科書を出そうとし、有名な福本修也弁護士を代理人に立てて八木秀次さんを訴えた「つくる会」首脳の行為にこそ「国際的な何らかの大きな力」を感じます。
 
「国際謀略」妄想に基づく八木秀次さんへの言いがかり訴訟について、完全敗訴した藤岡信勝氏は11月10日、東京高裁に控訴しました。私たちのもとには西日本や神奈川、千葉を中心とした「つくる会」会員から「藤岡会長は控訴を取り下げるべきだ」という意見が寄せられています。しかし私たちは控訴を取り下げないでもらいたいと思います。控訴審では八木さん側が、福本修也弁護士の素性をはじめとする提訴の背後関係に触れてくれるだろうからです。
 
【追記】
このエントリーをアップした後、情報募集メールにたくさんのお便りをいただきました。そのうちの1通をご紹介します。

 
いつも愛読しています。(中略)「SAPIO」11月26日号に「世界を揺るがす『謀略史観』大研究」という特集が掲載されています。その中のコラムニスト、町山智浩さんの文章に次のようなことが書いてありましたので抜粋します。
関係ないもの同士が結託していると考える心理も陰謀論の基本だ。陰謀Conspiracyとは「共に息をする」というラテン語を語源とする。つまり「誰かと誰かがひそひそ話をしている」という意味だ。他の人たちが自分を貶めようと密談をしていると考えるのは病気の始まりである。
歴史学者リチャード・ホフスタッターは陰謀史観を分析した『アメリカ政治におけるパラノイド様式』(64年)という論文で、「パラノイア(偏執狂)は患者個人に対する世界からの攻撃を妄想するが、これが民族や国家や宗教や人種への攻撃へと拡大したものが陰謀論である」と書いている。つまり陰謀論とは集団的偏執狂だと。偏執狂の症状には、周囲の人から監視され攻撃されていると感じる「被害妄想」、自分以外の人々が密かに結託して自分を陥れようとしていると感じる「関係妄想」、自らは特別な人間だと考える「誇大妄想」がある。(後略)

 
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