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★自由社の「盗作」とつくる会の「倒錯」

「新しい歴史教科書をつくる会」で恒例の内部対立が起きています。30日に行われる総会を前に、扶桑社の教科書を継承している育鵬社の教科書は扶桑社の教科書を盗作している―というわけの分からない宣伝をしている人たちが「育鵬社を訴えろ!」と杉原誠四郎(本名・平田誠四郎)執行部を突き上げています。内部対立だけでなく正統保守を攻撃しています。論点を整理しておきます。
 
▼育鵬社への言いがかりは「南京大虐殺」と同じ
「新しい歴史教科書をつくる会」の自由社版歴史教科書は平成22年度版(20年度検定、21年度採択)と24年度版(22年度検定、23年度採択)の2度にわって、自虐教科書(東京書籍14年度版)から年表を盗用しました。その事実が昨年夏に発覚し、自由社と「つくる会」は謝罪しました。しかし採択敗戦後の9月になると、理事の小山常実や一部会員らによって、突如として、扶桑社の教科書を継承している育鵬社の教科書は扶桑社の教科書を盗作している―というわけの分からない「被害者」としての宣伝が始まりました。
これは原爆の加害を相殺しようと虚構の「南京大虐殺」を言い出した東京裁判と同じ構図です。違っているのは、連合国は勝者ですが、「つくる会」は敗者だという点です。
 
▼「違う」から「似ている」に突如転換
「つくる会」はそもそも「育鵬社の教科書は駄目だ。自由社が優れている」と非難してきました。ところが相手が躍進すると「あれも『つくる会系』だ」「われわれのおかげ」と言い出しました。さらに扶桑社の教科書を継承している育鵬社の教科書は扶桑社の教科書を盗作している―というわけの分からない宣伝をする者が現れました。「違う」と相違や優位性を強調したかと思うと今度は「似ている」と類似性を言い始めたのです。
 
▼「東京書籍と似てなくても似てても盗作」
小山常実らは「育鵬社による盗作」の証拠として、扶桑社と育鵬社は似ているが東京書籍など他社の記述とは似ていないからだと論じます。ところが、東京書籍と似ている記述があると「それは東京書籍を盗作しているからだよ」と言い放ちます。
自分たちは東京書籍の年表をそっくりパクっておいて、育鵬社に対して「東京書籍と似てないから盗作」「東京書籍と似てても盗作」と分裂したことを叫んでいるのです。
 
▼「盗作」記述はどこにも存在しない
扶桑社の教科書を継承している育鵬社の教科書は扶桑社の教科書を盗作している―とわけの分からない宣伝をしている人たちが「盗作個所」として指摘している部分を読み比べてみましたが、盗作にあたる記述はありません。共通の単語は登場しますが、歴史を叙述しているのですから当たり前です。
 
▼東京地裁判決は扶桑社教科書を「つくる会」のものと認めていない
扶桑社教科書の執筆に関わった藤岡信勝、西尾幹二、高森明勅、九里幾久雄の4人は平成20年6月、有名な福本修也弁護士を代理人として扶桑社教科書の出版差し止めを求めて東京地裁に提訴しましたが、地裁は翌21年8月25日、藤岡ら4人敗訴の判決を言い渡しました。藤岡らは判決を受け入れて控訴せず、藤岡らの敗訴が確定しました。
ところが、小山常実ら扶桑社の教科書を継承している育鵬社の教科書は扶桑社の教科書を盗作している―というわけの分からない宣伝をしている人たちは「敗訴したが、判決は扶桑社教科書が藤岡信勝氏ら『つくる会』側執筆者の著作物だと認めている」と主張しています。
全く違います。判決文にはこう書いてあります。
原告藤岡は…別紙著作権者一覧表の「著作権者」欄に「藤岡」と記載されている本件記述(頁)につき、少なくとも著作者の一人として著作権を有すると認められる。
「少なくとも著作者の一人」と言っているだけです。そして、伊藤隆氏、岡崎久彦氏、新田均氏や扶桑社の編集者らが参加して記述が形作られていったと認定しています。「つくる会」残留組執筆者だけの著作物とは認めていません(これについては育鵬社も13日に見解←クリック を発表しています)。小山常実は判決をねじ曲げています。
 
▼扶桑社編集部が教科書を作ったと認めている西尾幹二ら
「新しい歴史教科書をつくる会」会員の間で平成14年から15年にかけて「リライト論争」というのがありました。扶桑社教科書の初版本(平成14年度版。12年度検定、13年度採択)を改訂して平成18年度版(16年度検定、17年度採択)を検定申請するにあたって、初版本の記述量を減らしたり文章を平易にすることに対して、元会長の西尾幹二が反発し、一部の会員が同調して「つくる会」執行部や扶桑社を非難しました。西尾が当時書いた文章がここ←クリック に残っています。
西尾幹二はその後、自分のブログの「小さな意見の違いは決定的違い」という文章←クリック で、平成18年度版の扶桑社教科書は岡崎久彦氏がリライトしたからけしからんと、次のように書いています。
二つの教科書は他のあらゆるページを比べればすでに完全に内容を異とする別個の教科書である。初版本の精神を活かしてリライトするという話だったが、そんなことは到底いえない本になっている。
「つくる会」の会員諸氏もページごとに丁寧に両者を比較しているわけではないであろう。リライトされ良い教科書になった、と何となく思いこまされているだけだろう。
西尾幹二とその支持者たちは「扶桑社編集部主導で記述をメチャクチャにした」「岡崎久彦が記述を悪くした」と言っていたのです。つまり扶桑社編集部や岡崎久彦氏、伊藤隆氏らによって教科書が作られたことを認めているのです。
「リライト論争」のときに騒いだ西尾支持者たちこそが今、扶桑社の教科書を継承している育鵬社の教科書は扶桑社の教科書を盗作している―というわけの分からない宣伝をしている人たちです。
扶桑社にメチャクチャにされたはずの平成18年度版扶桑社教科書をコピーした自由社版教科書を支持し、育鵬社の教科書は扶桑社にメチャクチャにされた扶桑社の教科書を盗作しているとわめくという倒錯…。こっちまで頭がおかしくなりそうです。
西尾幹二支持者たちは、節を曲げずに初版本の記述に戻したらどうでしょうか。
 
▼扶桑社の図版を盗用している自由社
小山常実は自身の匿名ブログで「図版や地図、表などについては、実質的に藤岡氏が作成したと言えるような部分も含めて、その編集著作権は扶桑社編集部に認められているようである」と認めています。「実質的に藤岡氏が作成したと言えるような部分」という表現は判決文に存在しませんが、以下の部分を言っていると思われます。
原告藤岡が図版等について詳細な指示を出した場合には、被告において、使用許諾を得てこれらを収集する作業を行い、原告藤岡から具体的な指示がない場合には、被告の編集担当者である吉田において、掲載する図版の具体的な選定を行った。また、表や地図等については、原告藤岡から具体的な指示があった場合には、それを基に、被告の編集部においてこれらを作成し、原告藤岡から具体的な指示がない場合には、被告において、検討の上作成した(なお、図版等の選択、配列を原告藤岡が指示したことを示す証拠として、甲第15号証(「第3節 律令国家の成立」のうち、「8 聖徳太子の新政」及び「遣隋使と「天皇」号の始まり」の単元について、原告藤岡が、写真や図表のレイアウトを指示し、図表の内容や側注等の記述内容を指示した原稿)があるものの、上記2単元についてのものにすぎない。他の単元については、原告藤岡が写真や図表のレイアウトを指示し、図表の内容や側注等の記述内容を指示した原稿が提出されていないから、原告藤岡の指示がどのようなものであったのか、その内容を詳細に認定することはできない。かえって、原告藤岡は、その陳述書(甲38)において、「例えば原告藤岡が、 特定の箇所に特定の人物の肖像画を配置することを決めると、吉田において、沢山ある当該人物の肖像画の中から、入手しやすいもの、画像が鮮明なもの、その場所に配置するのに適切なもの、といった観点から具体的に掲載する肖像画を選択した。」旨陳述しており、図版等の選択作業に、吉田が関与していたことを認めている)。
小山常実の言う通り、図版や地図、表などについては扶桑社に権利があると判決は言っているのです。 
ところが自由社は扶桑社が作った図版や地図、表などを盗用しています。
 
上が平成22年度版の自由社版(20年度検定、21年度採択)111ページ、下が平成18年度版の扶桑社教科書(16年度検定、17年度採択)111ページです。自由社版の「江戸時代の交通路と都市」という地図は扶桑社の同名の地図と一字一句違いません。明らかに盗用です。同じような図版の盗用個所はいくつもあります。
現在使われている平成24年度版の自由社版(22年度検定、23年度採択)も同様の盗用状況です。

 
このように、藤岡信勝らが育鵬社や渡部昇一氏、伊藤隆氏ら執筆者を訴えても裁判所に相手にされず、逆に扶桑社から民事、刑事で訴えられて返り討ちに遭うでしょう。それとも敗訴を承知で、育鵬社の採択を妨害するために訴訟を行うつもりでしょうか。そのような業務妨害、信用毀損、そして教科書改善運動への左翼的攻撃に対して、育鵬社は先手を打つべきです。
 
ところで、「新しい歴史教科書をつくる会」のホームページに、寛仁親王殿下が自由社の『日本人の歴史教科書』にお寄せになった文章が全文転載されていますが、著作権者である寛仁親王殿下の許可を得たのでしょうか? 寛仁親王殿下と自由社の契約の中に「運動団体のホームページに転載することがある」「皇室を運動に利用する」という文言があるのでしょうか?
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